【つくりて紹介】田んぼからはじまるわら細工づくり。わら細工たくぼ(前編)

【つくりて紹介】田んぼからはじまるわら細工づくり。わら細工たくぼ(前編)
うなぎの寝床で昨年から取り扱わせてもらっている、わら細工たくぼさんのわら細工。先日こちらの工房にお邪魔し、お話を伺って来ました。

わら細工たくぼは宮崎県の日之影町という所にあります。宮崎というと海とかサーフィンとか南国のイメージがありますが(ちょうど九州柄シリーズ宮崎柄もんぺのように→https://bit.ly/2lD3ld2)、日之影町は県北部の山間部にあり、南国っぽさは全くないです。日本神話で有名な高千穂町のとなり町で、このあたりの地域は高千穂郷と呼ばれています。国道から外れた細い道を下ると集落があり、たくぼの代表甲斐さんと横浜から移住して来たスタッフの山木さんが出迎えてくださいました。前日から高千穂入りして朝晩は涼しかったのですが、日中は照りつける日差しが強い中、田んぼと作業場を案内していただきました。

わら細工たくぼでは、田植えから稲の収穫、わら細工作りまで一貫して自分達の手で行なっています。平地が少なく急斜面に田んぼを切り開いているため、美しい棚田の風景が広がる一方、水源の確保には大変な苦労があったそうです。高千穂峡やいくつも連なる大橋からも分かるように山と谷の落差があり谷底を覗くと足がすくむほどです。

たくぼの田んぼを潤す水は大正時代に30キロ以上離れた場所から用水路を引いて運ばれてきたものです。車で走っていると、道路をまたがる水道管のようなものをいくつも目にしました。田んぼを案内していただいた際、田んぼと田んぼの間の狭い道のど真ん中に、水を引くための細い溝がありました。これはあまり見かけない光景ですが、狭く条件の悪い土地でできるだけ田んぼを確保し、少しでも米の収穫量を増やすための工夫の一つだったそうです。そのため機械化した現代でも、車やトラクターなどが非常に入りづらく、場合によっては手作業で行なっています。福岡県筑後地域も田んぼはたくさんありますが比較的平野部が多く、一口に稲作といってもさまざまなんだなあと、思いがけないところから違いを知ることができました。食糧を得るため水は欠かすことのできないもの。現在のたくぼではわら細工づくりに特化していますが、厳しい環境の中で生きていくために水源の確保に携わった人々の苦労が垣間見えます。鬼木
後編→http://unagino-nedoko.net/takubo-1-2/

ーつくりて情報ー
つくりて:わら細工たくぼ(宮崎県西臼杵郡日之影町)
通販はこちら→https://shop.unagino-nedoko.net/?mode=grp&gid=2021580&sort=n

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