「柄」で楽しむ久留米絣③ これも絣なの?編

10年越しの久留米絣定番MONPEリニューアル!
初心に帰って久留米絣の魅力を深掘るコラムシリーズ(全5編-3)

え、これも絣なの?
「さりげない絣」から見る久留米絣の可能性

「井桁」「十字」「水玉」などなど、久留米絣の代表的な柄として、こうした連続する幾何学模様が真っ先に浮かぶ方も多いのではと思います。現在でもこうした柄は親しまれ、織られていますが、それだけでなく様々な柄が表現されています。

その一例として見てもらいたいのが、今回うなぎの寝床の定番MONPEに仲間入りした「よろけ縞」。一見普通のストライプかと思いきや、よく見てみると、うねうねと小刻みによろけています。実はこの縞模様にも「くくり」による柄表現が隠れています。さりげさなすぎて、一見久留米絣とはわからないかもしれませんが、それこそがこの生地のポイントなのです!

今回は、この「さりげない絣」から、うなぎの寝床のMONPEの取り組みについて考えていきます。

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くくる、染める、柄を出す
久留米絣の醍醐味と魅力

くくって、染めて、柄を表現する久留米絣。部分部分を染め分けた糸を緻密に並べ、柄を合わせながら生み出される細やかな模様は、プリントのようなはっきりとした線になるわけではなく、緻密だけど冷たくない、柔らかな表情となるのが絣の魅力の一つです。

また、『「柄」で楽しむ久留米絣② 絵を描く絣編』で紹介したように、久留米絣では大柄や、幾何学模様のような小柄、伝統的な模様、ポップな模様まで、多種多様な柄や模様が織られてきました。こうした柄の多様性も「くくり」による表現の面白さの一つと思います。

 

「気づいたら久留米絣だった」
生活に馴染むことから始まる、現代生活上の絣

こうした「くくり」の奥深さや魅力、凄さを感じているからこそ、久留米絣の「くくり」による柄表現をどのように生活に落とし込むかも考えながらMONPEの生地を選んでいます。

今回仲間入りした「よろけ縞」は冒頭でお話したように、一見久留米絣とはわからないほどにさりげなく絣の表情が現れています。ぱっと見はストライプに見えるからこそ、現代の生活にもすんなりと馴染み、着て楽しんでもらえるのではと考えています。「気づいたら久留米絣だった」と言うように、気負わない出会い方から久留米絣を日常的に使う機会が増えていくといいなと思います。

 

同じ技法、異なる見え方
視点で広げる可能性

今回定番MONPEのラインナップに仲間入りした「よろけ縞」。実は、十字などと同じ「たて絣」の技法で作っています。

たて絣は、たて糸にくくりの技法で染め分けた糸を使用し、その染め分けの間隔や糸の配列で柄を表現しています。よろけ縞では、くくりによって染め分けた糸を縞の左右に並べて太さを変化させることで、まるで縞がくねくねと曲がっているように見せています。

「伝統工芸品」としてのイメージが強い久留米絣ですが、同じ技法でも視点によって見え方を変えることができます。そうすることで、久留米絣の受け取り方(使い方)の可能性を広げることができるのではと考えています。

ストライプ柄として日常に馴染みつつ、その中にさりげなく久留米絣の面白みを感じることができる「よろけ縞」。200年以上続く久留米絣が現代に自然と潜み、日常と地域文化をつなぐ架け橋になればと思います。

生地制作:下川織物

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初心に帰って久留米絣の魅力を深掘るコラムシリーズ。次回は久留米絣の中でも「縞」について。
久留米絣といえばくくりによる「模様」のイメージが強い傾向にありますが、糸並びだけで模様をつくる「縞」にも同様に奥深い世界が広がっているんです!

続きはこちら↓
「縞」で楽しむ久留米絣 [生活に根ざす縞を再解釈する]

荻野

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