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解剖!久留米絣とMONPE 10のこと(2021. 6)

日本のジーンズ MONPE

うなぎの寝床がある福岡県南部の筑後地方では、久留米絣という伝統工芸が今でも残ります。この地方では昔からもんぺの生地が織られていました。ある時「もんぺは今の時代でも穿けるのではないか」と考えはじめ、着方の提案や布の開発をはじめたのが2011年です。

アメリカの「ジーンズ」は、元来鉱夫のワークパンツとして使用されており、それが日常着に変わっていったという歴史があります。日本の「もんぺ」も農作業からはじまり、日常着へと変化していく可能性があるのではないかと取り組みを続けています。

解剖!久留米絣とMONPE 10のこと

うなぎの寝床が考える久留米絣やもんぺの特徴を解剖して10つにまとめてみました!

1. 前ポケット

かがんだ時にお尻がつっぱらないよう前ポケットがついています。農作業着として穿かれていたもんぺの名残です。

2. かすれた模様を構築する絣(かすり)

糸を縛って防染した「くくり糸」でつくる柄。プリントでは表現できない独特の模様が特徴です。

3. 柄物だけじゃなく無地もあるよ

久留米絣は柄を構築するのが最大の特徴。着心地を知ってもらえる無地も織っています。

4. Made in Fukuoka の綿織物

福岡県南部の筑後地方で織られる久留米絣。綿織物なので、天然繊維ならではの良さが魅力です。(商品には久留米絣以外の生地が使われているものもあります)

5.ゴムと紐の併用なのだ

ゆるい腰ゴムなので、いろんな体型の方に合います。最後に紐でキュッと結べばずり落ちません。

6. 180g~240gという軽さ

Tシャツと同じくらい圧倒的に軽い。旅行などにもおすすめのくるくるぽん!

7.細身の現代風もんぺ型紙

日常着として着られるように少し細身の形。着尺の幅でつくることができる型紙も販売しています。

8.膝当てがついています

もんぺは農作業着、負荷がかかっても、膝が破れないように膝当てがついています。

9.あとから絞れる裾ゴム付き

もんぺはもともと裾にゴムがあらかじめ入っていましたが、現代でも穿きやすいようにあとから絞れるよう内側に入れました。

10. 男女兼用 S M Lサイズ

老若男女、誰でもが穿くことができるのが、MONPEのいいところ。家族で兼用しているリピーターさんも多いんです。

 

久留米絣のMONPEを見てみる】

 

着物をほどいて作られた「もんぺ」

1942年、厚生省による着衣のガイドライン「婦人標準服」で発表され、もんぺは全国に広がりました。布不足の中、女性たちは着物をほどいてもんぺを仕立てたのです。戦後も農作業着として定着し、久留米絣の生地が使われてきた歴史があります。
2000字コラム「もんぺ」とはなんぞや。日本化されたズボン型洋服】

糸を縛るってどういうこと?

絣(かすり)とは、糸を縛って防染し柄をつくる技法のことです。イメージしにくいかもしれませんが、文字通り織る前の糸の束をぐるぐるっと縛る「くくり」と呼ばれる工程です。その糸を染めてほどいて、白く残ったところが柄になります。【くくりの工程がわかる動画】※50秒ごろから

 

久留米絣の柄の種類は?

織物には、たて糸とよこ糸があり、絣にもよこ糸をくくる「よこ絣」、たて糸をくくる「たて絣」、そして両方ともくくる「たてよこ絣」があり、柄合わせが難しく技術が必要です。他にも産地では無地、縞、チェックも織られています。

 

TOYOTAのビンテージ織機

トヨタ創業者の豊田佐吉が開発したものと同じモデルの80年ほど前の小幅のシャトル織機を今でも使っています。現代の高速織機に比べると織りがゆるやかで、とても軽くやわらかく、手織りに近いような風合いの生地なのです。
MONPEができるまでの動画はこちら】

 

カラフルな柄もたくさん

久留米絣の染めは伝統的には藍染でしたが、化学染料が導入されてからは、さまざまな色の生地が織られるようになりました。今も藍染を続ける織元も残っていますが、MONPEシリーズでは主に化学染料を使っています。

 

縮小する久留米絣の産地の現状

最盛期には300件以上あった織元も現在は20数件まで減っています。それでも藍染手織りと化学染料機械織りの織元が半々ほど残っており、個性ある織元ばかりです。新しい層に久留米絣のことを知ってもらい着てほしいと思っています。
久留米絣織元のインタビュー記事はこちら

 

久留米絣のMONPE一覧はこちら

 

 

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