【アクロス福岡店】 おかえり藍染 ~これまでもこれからもみんなのもの~

会期
2024.07.10 (水) 〜2024.08.12 (月)

うなぎの寝床 アクロス福岡店

住所
福岡市中央区天神1丁目1‐1 1F 匠ギャラリー内
休み
火曜日
電話番号
092-753-7223

【アクロス福岡店】 おかえり藍染 ~これまでもこれからもみんなのもの~

アクロス福岡店にて710日()812日(月)まで開催します 

つかいてもつくりてになれる「藍染」 

藍染の奥深さに心奪われるのはなぜでしょう。 

かつて日本は藍染で溢れていました。身の回りのものはどれも藍で染められ、藍の匂いに包まれていました。 日本人のだれもが無条件にお米を欲するように、藍染も遺伝子レベルで日本人の欲する色彩なのだと思います。 濃淡だけで表現される藍染の色彩の奥深さ、多彩さは、日本人の色彩表現の基礎とも言えます。 

ものが溢れ、無為に消費されていく現代においても、藍染は変わらず継承されています。それは人の力だけでは決して生み出すことのできない唯一無二の藍染に、つくりて自身が魅了され続けていること、そしてつくられたものは完成品ではなく、そこからさらにつかいてが、着て、育て、自分だけの藍染を生み出し、未来に繋いでいくことができる。着る人もつくりてになれる。そんな魅力が藍染にはあるからです。 

期間中、アクロス福岡店では、うなぎの寝床オリジナルの藍染もんぺ、天然藍染手織りの久留米絣を手掛ける藍染絣工房の商品のほか、天然染料と伝統的な手染めの技法でものづくりを行う福岡県大木町の宝島染工の商品をご紹介します。 

ぜひ店頭で藍染の奥深さを感じていただき、自らもつくりてとなって育てる楽しみも体感いただければと思います。 

「おかえり藍染 ~これまでもこれからもみんなのもの~」特集 

会期 : 710日(水)~812日(月)
場所 : うなぎの寝床 アクロス福岡店
住所 : 福岡市中央区天神1丁目1‐1 1F 匠ギャラリー内 

日本を象徴する色「ジャパン・ブルー」 

農村での木綿の自給が普及し始めた江戸時代初期、幕府の通達(農民の衣服は布(麻)または木綿の紺無地に限定)も相まって、木綿との相性が抜群の藍染が日本各地に溢れました。 

明治期には、来日した英国人科学者ロバート・ウィリアム・アトキンソンが、藍色に溢れる町の様子を「ジャパン・ブルー」と表現し、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)も「青い屋根の下の家も小さく、青い暖簾をさげた店も小さく、青い着物を着て笑っている人も小さいのだった」と書き記すなど、藍色は日本を象徴する色でした。 

しかし、合成染料やインド藍など安価な染料の台頭により藍染は次第に衰退していきます。 

藍は生き物 

藍染の伝統的な手法は「藍建て」と呼ばれ、発酵させた藍の葉で蒅(すくも)を作り、灰汁に溶かして染液を作ります。染液に浸けた糸や布は空気に触れると酸化作用で藍色に発色します。藍はとても繊細です。蒅(すくも)は約3ヶ月もの間手をかけて発酵させる必要があり、藍建ては温度やpH管理が欠かせません。しっかり発酵すると表面に青紫色の泡、藍の華が生まれます。その様はまるで生き物のよう。土っぽいような鉄っぽいような独特な匂いも特徴です。藍色の種類はなんと48色。中には100色の藍を染め分ける職人もいます。色の濃淡は染液に浸しては絞り、空気に触れさせるという工程を何度も繰り返すことで表します。藍色にはすべて名前がついています。ごく淡い色は甕をちょっと覗いた程度という意味で甕覗(かめのぞき)、濃くなるごとに浅葱(あさぎ)、納戸、褐色(かちいろ)などと名前が変わります。すべて藍染で染め分けられた藍色の名前です。日本人の繊細で豊かな色彩感覚が垣間見えます。

藍染で生み出される奥深い色合いは、その経年変化も魅力です。着るほどに藍が冴えて鮮やかになり、その変化はひとつとして同じものはありません。つくりてより託された藍染をつかいてがまた新たなものに育てていく。つかいてもまたつくりてになれるのです。 

 地場藍を取り戻す 

日本で古来より使われてきた藍はタデ科の一年草蓼藍(たであい)。江戸時代、木綿や藍の自給は一般的で、福岡県南部筑後地方の久留米絣産地も当時は地場産の藍草で藍建てを行っていました。しかし安価な染料の流入により藍草農家は減少、国産の藍草生産量自体がごく少量となってしまいました。 

そんな中、久留米市で地場の藍草を栽培する取り組みが始まっています。農薬不使用・化学肥料不使用・除草剤不使用の循環型農業で藍草「久留米藍」を栽培し、地場藍での久留米絣の藍染を目指します。真の意味でのメイドイン久留米の工芸品が生まれようとしています。 

うなぎの寝床アクロス福岡店では、福岡の工芸品を中心に多種多様なものづくりを扱うことを通して、現代の暮らしに、また未来へとつながっていくものづくりのあり方を紹介しています。 

何気なく手に取ったものが伝統的工芸品だった、気がついたら民芸品を使っていたというように、ものづくりが日々の暮らしに寄り添うものであってほしい、そして未来につながっていくものであってほしい。そういった思いを届けるべく、季節に合わせた特集を織り交ぜながら、福岡の工芸品を紹介しています。 

福岡の工芸品を身近に感じていただき、日々の暮らしと工芸をつなぐきっかけを提案できればと思います。 

おかえり藍染 ~これまでもこれからもみんなのもの~

うなぎの寝床 アクロス福岡店

日程2024年 7月10日(水) ~8 月12日(月)
住所 福岡市中央区天神1丁目1‐1 1F 匠ギャラリー内
休み 火曜日
電話番号 092-753-7223

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