【店頭うつわ特集】 まゆみ窯の器 3/17~3/27
- 会期
- 2023.3.17 (金) 〜2023.3.27 (月)
うなぎの寝床 旧寺崎邸
- 店休日
- 火、水(祝日営業)
- 営業
- 11:00〜17:00
- 住所
- 福岡県八女市本町327
- 電話
- 0943-24-8021
- 駐車場
- 10台
【店頭うつわ特集】 まゆみ窯の器 3/17~3/27
料理を包み込む器
安定感がある食のパートナー
食器棚から器をとるときに不思議と毎回手が向くお皿やカップがあります。洋服や靴などを選ぶ時にも同じことがあるように思いますがなぜなんでしょう。単純に好きで毎日使いたいということもあると思いますが、料理との相性やサイズなどの使い勝手、触れた時の肌馴染みのちょうどよさ、絵柄などのデザインといった何かしら無意識に惹きつけられる心地よさがあるのだろうと想像します。陶器と一口に行っても、薄手でスラっとしたものから分厚くぽってりとしたものもありますし、縁の仕上げ方、釉薬の雰囲気、加飾の具合で見た目や使い心地は様々です。同じように見える陶器でも、やはりそれぞれ何か感じ方が違うということがあります。そこには作者の細かな気配りが雰囲気として表れていて無意識に感じ取っているのではないかと。
まゆみ窯の器はほぼ毎日のように食卓に登場します。安定したろくろの技術に裏打ちされた形状の器で、適度な厚みがあるので存在感があるのですが、決して主張は強くなく脇役としてあたたかく料理を受け止めてくれる、そして手に持っても重くなくちょうど良いバランスの器だなと思います。
3月後半のうつわ特集では、まゆみ窯の器をギュギュっと展開してご紹介します。まゆみ窯の器は紅茶やコーヒーなどを入れるのに小ぶりでちょうど良いマグカップ、カップや小鉢としても使える万能なそばちょこ、盛り付けやすくあると助かる楕円皿・7寸皿、小ぶりなピッチャーなどが並びます。店頭にて是非手に取ってご覧ください。
<開催概要>
会期 : 2023/3/17(金) 〜 3/27(月)
時間 : 11:00 〜 17:00
場所 : 旧寺崎邸 1F
住所 : 福岡県八女市本町327
展示・販売 : 象嵌などの技法、飴釉・呉須など釉薬を施したお皿、マグカップ、そばちょこ、飯椀、醤油さし、ピッチャーなど
小代焼の流れをくみ
技術を培い暮らしの器を
熊本県の和水町という場所で1999年頃から作陶されている真弓亮司さんと奥さま澄子さんご夫妻。熊本県荒尾市の小代焼の窯元である”ふもと窯”での修行期間を経て独立されました。上にも書きましたが、まゆみさんの器からは長年の修行で培われた高いろくろの技術から生み出される形、適度な厚みと重さ、料理との相性が考えられた模様や存在感という魅力を感じます。それらに行き着くために日々作陶を積み重ねて、ものづくりに向き合っているのだなと思います。
工房へお邪魔したり、注文品が入荷したときに、あれ?前回となんか違うなという器に出会うことがあります。ろくろを使って作られているので、前回はこうしていたけれど使う人がより使いやすいように、生活に合うようにと、サイズを少し変更してみたり細部を変えて作りやすくしたり、使用感と技術的な面から思考錯誤を積み重ねながら生み出されているようです。鋳込みの型を使うような量産品では、お金をかけて事前に石膏型の準備して決めてしまわないといけないので修正をすることは大仕事ですが、ろくろは注文のたびに改良ができるので小回りがきく作り方だからその時の最善の器が生まれるんだろう思います。もちろん人と土と窯なので、土の調子、手の動きで毎回微妙に差があることはありますし、前回どんな感じだったっけ?みたいなこともありますが、それも含めてろくろ作りの陶器の面白みかなと。
店頭にある出来上がった器からは見えない部分ですが、使いやすさ、買いやすさ、作りやすさなど、いろいろなことを考えながら作られています。まゆみさんは現在でもふもと窯を手伝う傍、修行期間に培われた技術や考えに支えられた器づくりとの向き合い方に加えて、料理の器としてご夫妻の創意工夫を上乗せして器作りに取り組まれています。そこには歴史のある小代焼の産地との関わりも背景にありながら、独自の器作りをされている魅力が備わっているように思います。
九州を中心に約25軒
特別な時間に使うお気に入りを
今年は少しずつうなぎの寝床で取り扱っている器を紹介していきます。
パッと見の派手さがないものが多いですが、日々の生活に寄り添う器として魅力があるものを備えています。
店頭でたまに聞かれるのが「何を入れるものですか?」という質問。特に決まりがあるものではないので、飯椀に煮物など入れて小鉢のようにつかっても良いですし、蕎麦猪口だけどお茶でもジュースでもコーヒーでもなんでも良いですという答えになってしまいます。実際には用途をイメージして作られているものではありますが、それに囚われすぎず、自由に付き合ってよいものです。作者とお話ししても、「それはご自由に。」という返答が多いです。難しいことを考えずに、着せ替え人形のように今の食事をただ盛り付け変えるだけで、日々の食卓の何かが変わるはずです。
ご飯、パン、味噌汁、スープ、目玉焼き、パスタ、カレー、紅茶、コーヒー、お茶、酢の物、煮物、揚げ物、サラダ、おひたし、冷奴、ポテチ、ケーキ、おまんじゅう…。一人や家族、友人と楽しむ時の器、音楽鑑賞、ゲーム、読書、趣味のお供になる器、昼食でインスタントのカップスープを入れる器、デスクワークの相棒としての器などなど。
毎日付き合う道具の中にお気に入りを少し取り入れることで、より充実した日々になるのではないかと思います。うなぎの寝床の食器コーナーで日々付き合える特別な器が見つかると嬉しいです。
その一方で、人と土地の関係性や過去を紐解く糸口になる器たちでもあると考えています。
奥深い焼き物の世界の入り口として、現在九州のつくりてを中心に約25軒の陶磁器を取り扱っています。個人の作家や専門の職人を抱える工房、産地で分業しているものづくりまで様々です。簡単にいうと、陶磁器は原料を成形して施釉や加飾をして焼いたら出来上がります。ただ原料、成形、釉薬、加飾、焼成の選択肢は多岐にわたります。土を掘ってきて粘土作りからしているところもありますし、製法はろくろや型、鋳込みなどがあり、釉薬も天然のものや化学的なもの、焼成方法はガス、薪、電気など、技術と経験や勘、時には自然に委ねて、それぞれが目指す物を作り続けています。それらは数百年前から続く技術の上に成り立っていますし、時代の変化で近年生まれた技術もあります。時代のニーズや資源不足などの環境の変化でそれぞれの変遷を経て、現代に受け継がれているものです。それは今も変わらず、みなさんが日々直面しているようにつくりても試行錯誤を続けています。その先には未来を考えるヒントも潜んでいるはずです。
うなぎの寝床では陶磁器を通して、日々の食卓の風景と地域文化とはなんぞやを見つめていきます。
春口
▷関連する読み物
うなDIGTIONARY 【#6】 陶器 – 土が化けたもの –
【店頭うつわ特集】 まゆみ窯の器
うなぎの寝床 旧寺崎邸
店休日 | 火、水(祝日営業) |
---|---|
営業 | 11:00〜17:00 |
住所 | 福岡県八女市本町327 (会場アクセス) |
電話 | 0943-24-8021 |
駐車場 | 10台 |
展示・販売 |
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