デザイナーが在庫を抱える。自分ごとで関わる産地とその先 / HANA MITSUI fukuoka textile展
「HANA MITSUI fukuoka textile展(6/26〜7/13)」に関連した特集記事の後編です。
前編はこちら
現場に踏み込み、在庫を抱える
ポップな表現の裏にある気概
「100万円分の在庫であれば、時間をかけて丁寧に取り組めば、確実に届けられると感じました」
イグサのラグを制作した経緯の中で、光井花さんがポロッと発言した言葉が印象的でした。 光井さんはテキスタイルデザイナーであり、製造とも販売ともまた違う角度からものづくりに関わる立場ですが、自らが在庫を持ち、国内外の展示会などで販路を開拓されています。
モノをつくること(特に伝統工芸)は実際そう簡単なことではありません。テキスタイルであればロット数があり、ある程度の量産が求められます。量をさばくためには販路が必要で、販売とはお客さんに届けること、伝えることです。その意味で光井さんのプロダクトは、どこで、どんな人が、どう喜んでもらえるか、考えが反映されています。
産地の技法や文脈を再解釈する光井さんのまなざしは、伝統工芸と言われる分野にユーモアで新鮮な視点を与えてくれます。ただ、その土台には、在庫を自らで抱え、現場をリサーチし、市場にどう入り込んでいけるかまで、頭からつま先まで「自分ごととして関わる」ことが根底にあるように感じます。
現場に踏み込み、多方面から考え、自分ごとで関わること。作品自体の魅力からも、その裏側からも、何か新たな発見や気づきを持って帰ってもらえるのではと思います。「HANA MITSUI fukuoka textile展」は6/26(木)からスタート。6/28(土)にはトークイベントも。ぜひお越しください!
・PIXEL WEAVE – MONALISA –
福岡・筑後地方に元々あるイグサ織物、掛川織。その特徴的な四角い組織をデジタルピクセルに見立て、ピクセル表現で絵画のようなイグサ織を製作した。イグサ織の面白さをより多くの方に伝えたいと思い、今作では誰もが知っている有名絵画「モナリザ」をモチーフとして選んだ。
多色を使っているように見えるが、実はイグサの色は6色のみ。6色の明暗でピクセルを描き出している。
・PIXEL WEAVE – ICHIMATSU –
「PIXEL WEAVE – MONALISA -」と同じ6色のイグサを使用。配列の違いで異なる幾何学模様を表現している。 PIXEL WEAVEの考え方をより日用使いしやすいプロダクトに落とし込んでいる。
HANA MITSUI fukuoka textile展
2025年 6月26日(木)〜 7月13日(日)
●うなぎの寝床 旧丸林本家
休み :火曜・水曜(祝日営業)
時間 :11:00〜17:00
住所 :福岡県八女市本町267(会場アクセス)
電話 :0943-22-3699
駐車場:14台
*6/28(土)はトークイベント準備のため16:00閉店
●うなぎの寝床 アクロス福岡店
休み :火曜
時間 :10:00〜19:00
住所 :福岡県福岡市中央区天神1丁目1-1 1F 匠ギャラリー内(会場アクセス)
電話 :092-753-7223
駐車場:あり(有料)
企画展詳細はこちら
【トークイベント】地域産業とデザイナーの共同開発の方法と実験
2025年 6月28日(土)17:00〜18:30
受付開始 16:30〜
登壇者:
光井花 / テキスタイルデザイナー
下川強臓 / 下川織物(久留米絣織元)
企画・コーディネーター:
白水高広 / うなぎの寝床
定員 :20名(先着予約制)
参加費:500円(税込)*小学生以下無料
会場 :うなぎの寝床 旧丸林本家
住所 :福岡県八女市本町267(会場アクセス)
ご予約はこちら(※定員のため募集を締め切らせていただきました)
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