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渡邊

【#2】 磁器 – 石が化けたもの – UNADIGTIONARY vol.2

【化ける】
1. 本来の姿、形を変えて別のものになる
2. 素性を隠して別人のさまをよそおう
3. 全く別のものにかわる

私達が身の回りで普段使っている物は、原料である何かのそのものの姿を残して道具や物になっているもの(例えば木工のものや竹細工など)と、原料本来の形を変えて全く違う形の物に出来上がったものがあると思います。そこで今回は後者である本来の姿・形や性質を変えて別の物になっているものを「化けたもの/化けもの」と呼んでみることにしてみます。前回紹介した「ガラス」も「石が化けたもの」です。(ガラスってなんだっけ?はこちら

それでは、「やきもの」という名の「化けもの」について紹介していきたいと思います。

目次
◯ 「やきもの」はなにもの?
◯ 磁器の正体とは
◯ 磁器に化けるまで(成形)
◯ 磁器に化けるまで(焼成/施釉 /染付絵付 など)
◯ 生産体制(産地分業 / 社内分業 / 個人一貫生産)
◯ うなぎの寝床とやきもの
◯ つくりていろいろ (磁器の商品一覧はこちらから)


「やきもの」はなにもの?

「やきもの」と言われるものは、一般的に「陶磁器」と呼ばれ、地域によっては「瀬戸物」や「唐物」とも呼ばれます。これらを総称して「やきもの」とも呼ばれます。簡単に言うと、原料を水で練って形を作って焼き固めたものです。「やきもの」は、その原料や釉薬という器の表面を覆っているガラス質の使用の有無、焼く温度によって分類されます。日本では「土器」「炻器(せっき)」「陶器」「磁器」の4つに分けられます。

【土器】・・・素焼き、粘土、無釉、吸水性あり、1000度以下
【炻器】・・・素焼き、粘土と陶石、無釉、耐水性あり、1000度~1250度で長時間
【陶器】・・・精製された粘土、土もの、吸水性あり、釉薬使用、1200度以上
【磁器】・・・陶石、石もの、吸水性なし、釉薬使用、1250度以上

土器
素焼きのやきもの。粘土に水を加えて練り固めて成形し、焼き固めたもの。釉薬は使わず、吸水性があり、重く壊れやすい。通常は野焼きで焼成され、600度~900度の1000度以下で焼かれます。現在素焼きの植木鉢(テラコッタ)などに利用されています。

陶器
「土もの」とも呼ばれ、陶土と呼ばれる精製された粘土で作られます。素地は吸水性があるため釉薬を施し、窯で1200度以上で焼かれます。厚手で重く、土器と炻器の間くらいの固さで、叩くと鈍い音がします。

炻器(せっき)
半磁器や焼締めとも呼ばれます。陶器と磁器の中間のような性質で、固く焼きしまっているやきもの。精製された粘土と陶石を混ぜ合わせたものを原料として、釉薬を使用せず絵付けなど装飾はあまり行わずに地肌の質感が活かされたものが多く、堅牢で耐水性があります。窯で1100度~1250度で長い時間焼かれます。

磁器
「石もの」とも呼ばれ、陶石と呼ばれる岩石を主な原料として作られます。ほとんどが釉薬を施し、窯で1250度以上で焼かれます。素地の粒子間がガラス質で埋められているため、陶磁器の中で最も固くて軽く吸水性はありません。叩くと金属音のような音がします。

磁器の正体とは

「やきもの」の分類の中で、今回は「磁器」について紹介します。

磁器は一体何でできているのでしょうか?元は何なのでしょう?
答えは「石」です。簡単に言うと、石が化けて磁器になります。では、どんな石が磁器になるのでしょうか。

磁器の原料となるのは「陶石」といわれるもので、有機物をほとんど含まない白色のものが多く、ガラス質を多く含んだ岩石です。この石を粉砕して不純物を取り除いて出来る、きめ細かな磁土に水を加えて練り、成形し、焼きあげます。江戸時代に朝鮮陶工の李参平が肥前有田の泉山(佐賀県有田町)で陶石を発見し、それにより日本で初めて白磁が焼かれたとされています。現在では、陶石は熊本県天草地方で産出される天草陶石が全国の焼物産地で使用されています。ガラス質の多い磁土は焼締まりにくく、高温で時間をかけて焼く必要があり、やきものの中で一番温度の高い1250度以上という温度で焼かれます。高温で焼くことでガラス質を多く含んだ素地が溶けてガラス状になったものを磁器といいます。

磁器に化けるまで(成形)

石を粉砕して練られた磁土はどうやって器に形作られるのでしょうか。
磁器の成形方法は大きく分けると次の5つがあります。「ろくろ」「型打ち」「水ゴテ(機械ろくろ)」「排泥鋳込み」「圧力鋳込み」、それぞれについて簡単に紹介していきます。

ろくろ(轆轤)
ろくろと呼ばれる、円形の台の中心に磁土を置いてろくろを回して手で形を作ります。電動のものや、足で蹴って回す「蹴ろくろ」などがあり、技術を要する成形方法です。磁土は陶土に比べて粘りが少ないため、ろくろでの成形は難易度が高いとされています。一つずつ手で成形された器は味わい深いものとなります。

型打ち
角物や変形の器などに使われる成形方法。まず機械ろくろで大まかな器の形状を作ります。ろくろの上に器の内径の型を置き、大まかに形を作ったものを型の上に重ねるように置き、手で上から抑えるようにして型の形状に沿うよう成形します。型が取れたら器の渕の余分な部分を取り除き整えます。

水ゴテ(機械ろくろ)
電動ろくろの上に置かれた器の外径をした筒状の型の中央に、耳たぶほどの柔らかさにした磁土を入れ、ろくろを回転させます。型の中にコテを入れて水を使って粘土を滑らせ型に押し付けて成形します。マグカップや飯碗など正円形の器に適した成形方法で、小ロットの量産にも適しています。

排泥鋳込み
口の部分が閉じた花瓶や急須、徳利などの「袋物」と呼ばれる形状のものに用いられる成形方法。磁土を攪拌してどろどろの液体状に柔らかくして型に流し込みます。石膏の型が水分を吸収するため型に接している部分から土が固まっていきます。ちょうどいい厚さまで固まったところで、余分な泥を排出(排泥)し、再度しばらく置いて乾燥させた後、型から外して形が完成します。

圧力鋳込み
成形の精度が高く、複雑な形状の器や彫りなどのデザインも施せる成形方法。圧力鋳込み専用の機械の台座に縦に石膏型を積み重ねて設置し、攪拌して液体状になった土を高圧力をかけることによって下から上へ全ての型に注入します。圧力鋳込みの型は凹凸が対になった上下に分かれる形状で、積み重ねた型全体に土を流す穴と、型それぞれに土を注入する穴の二つの穴が開いています。石膏型が水分を吸収し土が固まると型から外して形が完成します。

上記で紹介した成形方法によって成形された後は、少し乾いた状態の器を一つずつ削って形を整える「削り」、型の接合部分や渕にできる「バリ」と呼ばれる不要な部分を取り除き整える「バリ取り」、水を吸わせたスポンジで表面を整えて滑らかにする「水拭き」などの工程を経て、器の形が整えられていきます。

磁器に化けるまで(焼成/施釉/染付絵付 など)

器の成形が終わり、十分に乾いたら次は焼成と呼ばれる工程です。
やきものを焼く窯の種類は、燃料や形状で分けられ、薪窯、灯油窯、ガス窯、電気窯、トンネル窯などがあり、窯によって仕上がりや用途が変わるため、どんなものを作るかによって使用する窯は変わります。焼成は「素焼き」→「施釉」→「本焼き」と続きます。

素焼き
十分に乾燥させた器を素焼きすることで、強度が上がり吸水性が増し、釉薬を素早く吸収し、均一に塗ることができます。素焼きは800度程度で焼くのが一般的で、ゆっくり時間をかけて焼き、ゆっくり冷まします。

施釉
釉薬はうわぐすりとも言い、器に掛けて焼くことで溶けガラスの膜になります。ガラス質が表面を覆うことで、艶が出て水の浸透を防ぎ食器としての役割を果たせるものとなります。釉薬の主な原料は、長石や木や藁の灰などがあり、配合する成分や火の加減によって様々な色彩表現が可能になります。

本焼き
本焼きでは磁器は1300度前後の高温で焼かれます。焼き方は窯内に充分な酸素がある状態で燃焼する「酸化焼成」と窯内に酸素が足りていない不完全燃焼の状態で燃焼を進行させる「還元焼成」の2種類あります。酸化焼成と還元焼成では焼き上がりの土の色や釉薬発色が違ってきます。「素焼き→施釉→本焼き」の流れの間に、「絵付け」の工程が施される器もあります。素焼き後、釉薬を掛ける前に絵付けを施すことを「下絵」、釉薬を掛けて本焼きした後に絵を描き再度焼成する「上絵」があります。磁器は下絵の「染付」、上絵の「色絵(赤絵)」という代表的な技法があります。

染付
素焼きした器に、「呉須」と呼ばれる焼くと藍色に発色する酸化コバルトを含む鉱石でできた絵具使って絵付けして透明釉を掛けて本焼きします。釉薬の下に絵があるので、下絵とも呼ばれます。

色絵
透明釉を掛けて本焼きした後に、器に様々な色で絵付けをして、再度低温で焼成します。釉薬の上に絵があり、低温で焼成されるため様々な色の絵具を使用できます。赤を基調にした色絵を「赤絵」と呼びます。

生産体制(産地分業 / 社内分業 / 個人一貫生産)

産地分業
産地と呼ばれる地域全体で工程ごとに分業する分業制で生産を行います。型作り、生地作り、釉薬、窯焼き、絵付け、とそれぞれ専門の会社が担当する体制です。それぞれの精度の高い仕事により、質の良い器の量産を可能にします。

社内分業
自社や窯元内で、磁器作りの工程を分業している生産体制。各工程の職人を社内において自社内で内製します。産地分業に比べ小回りがきき、一元管理されているので工程毎に工夫も盛込めます。個々の技能とチームワークで成り立つ仕事で、個人の一貫生産に比べて量を作ることができます。

個人一貫生産
個人で全工程をほぼ一人で行う生産体制。土の配合から成形、焼成、仕上げまで。量産型の設備を使いながら個人で作陶される方や、轆轤(ろくろ)で作陶される方までさまざまです。個人の考えの下に全てが管理され、技術の得意不得意も含めて作られる物が個人に帰属します。

終わりに

石の化けもの「磁器」についていろいろと書いてきました。ただ、書いていることはあくまでも知識としての情報に過ぎません。あるつくり手さんから「つくり手八分、つかい手二分」という言葉があると教えてもらいました。これは、器は使って完成するものなので知識や情報に捉われるのではなく、このお皿でご飯を食べてみたい、お茶したい、ケーキ食べたらおいしそう!と楽しみながら選んで使ってみてほしいということだと思います。あれこれ難しく考えずに好みを器を思い思いに使ってみてください。そして、その器についてより詳しく知りたくなった時は、またこの記事を読んでみてもらえればと思います。

2020年9月記

 

うなぎの寝床とやきもの

現在うなぎの寝床で取り扱っている陶磁器は、約30件ほど。
うなぎの寝床は元々九州のものを集めて紹介するところからスタートしたので、現在多くが九州の作り手さんのものですが、全国のものも扱い始め、少しずつ他の地域の取り扱いも増えています。

以前のものづくりは物流が発達していないこともあり「産地」と言われる所ばかりでした。良い材料があるところに人が移り住み、そこでものづくりをする。今回紹介する「やきもの」であれば、良い土があるところに窯を開いてそこでものづくりをする。一定の地域に窯が集まることによって、それにまつわる仕事、例えば生地屋や絵付師、型を作る人などが生まれて産地となっていったような、土地と産地に関係性があるものがあります。一方、産地といった大きな流れとは異なり、個人の、作家と呼ばれるような作り手で、より自由な、近年のものづくりの仕方というものもあります。
また、日本的な重厚感のある陶器や、朝鮮の流れを汲む染付の磁器。そして西洋のライフスタイルが入ってきた今の生活スタイルや食文化に求められる器や、若い世代の人達も興味を持って手に取って取り入れやすい器もあります。
技術的な部分や材料の違い、個人一貫生産、産地分業、社内分業、焼き方など、どんなふうに作られているのか、それぞれの違いが値段の違いにもなってきます。今後はこれから先の材料・資源の問題やエネルギー問題などと「やきもの」というものづくりという視点で開発された素材なども出てきます。

このような色々な特徴をもったものを集めることで、より多様な幅広さがみえてきます。どんなものづくりをしてきて、どんなことを考えて作っているのか。そして自分たちはどんなことを考えて選んで取り入れることができるのかなどの「選択」をする時に参考にできるようなものを紹介していきたいと考えています。モノそのものだけではなく、他の産地や違う土地、違う物に興味をもつ入り口になるようなきっかけを生むことができればと思っています。        キュレーション 春口

【磁器のつくり手いろいろ】

現在うなぎの寝床では10軒の磁器のつくり手の商品を扱っています。それぞれに特徴や雰囲気が違っていて、あれこれと見比べてみたり、使い比べてみたり、触り比べてみたり、と自分なりの楽しみ方を見つけてもらいたいと思います。

祐工窯 阿部眞士(福岡県北九州市)
https://unagino-nedoko.net/product/tax_maker/yuko/
1. 李朝や古伊万里の流れを汲む白磁が中心。他に色絵・ルリ釉なども
2. 磁器土、釉薬などの調合、成形(ろくろ)、染付など一貫生産。電気窯で焼成
3. ろくろや片面型打による、手仕事の痕跡のある作り
4. 民藝運動(濱田庄司氏、富本憲吉氏、瀧田項一氏などとの師弟関係)や愛媛の砥部焼との歴史文脈での繋がり

224porcelain(佐賀県嬉野市)
https://unagino-nedoko.net/product/tax_maker/224porcelain/
1. 決まった様式がない肥前吉田焼の新解釈。自由な遊び心のあるものづくり
2. 鋳込(圧力、排泥など)とガス窯焼成による、製品としての精度と完成度
3. 個人ながら設備を整え、3Dデータ作成から製品化までの一貫生産
4. デザイナーやジャンルを超えたクリエイターとの共作

今村製陶 JICON 磁今(佐賀県有田町)
https://unagino-nedoko.net/product/tax_maker/jicon/
1. 佐世保・三川内平戸藩の御用窯 陶悦窯より独立
2. 鋳込(排泥、圧力、水ゴテなど)とガス窯での酸化焼成し、削りを入念に行う。社内一貫生産
3. 器は生成りの白。一般的な有田焼の焼成で青白く焼き上がる「還元焼成(焼成温度1300度)」ではなく、やわらかい白に焼き上がる「酸化焼成(焼成温度1240度)」で焼き上げる。1240度でも焼き上がるように調合したJICONオリジナルの磁土
4. 磁器でも元の陶石や釉薬の素材感を感じられるよう、あえて器の表面に鉄粉や微粒子が残るようにしている。釉薬はわら灰をベースにした天然由来の白釉
5. 陶石としては良くないとされてきた、耐火温度が低く茶色い石の存在が、JICONが目指す素材感にとっては大事な要素。資源の活用と燃料問題に対する未来にも繋がる動き

※ 現在画像準備中です。

ヤマト陶磁器(佐賀県有田町)
https://unagino-nedoko.net/product/tax_maker/yamatoseito/
1. 磁器産地で企画販売を行う問屋メーカーとしての役割
2. 1600年代の初期伊万里時代から有田で焼かれた壺の形状がモチーフの涙壺
3. 吉田焼の辻与製陶所 与山窯による、排泥鋳込による成形
4. 白磁のものはあえて釉薬をかけずに焼き締めの質感に。内側には水漏れしないよう釉薬を施してあります。染付・赤絵は全て絵付師による下書きなしの手描き

マルヒロ(長崎県波佐見町)
https://unagino-nedoko.net/product/tax_maker/maruhiro/
1. 仕入れて流通させるだけではなく、自社ブランドを立ち上げた、波佐見の問屋の新しい動き
2. 分業された技術を把握し、適した分担で完成させ流通させる、問屋としての役割。産地のプロデューサー的立ち回り
3. 奇抜な色使いと無骨なデザイン。50~60年代のアメリカのカフェで使われていたような大衆食器をイメージ。陶磁器に興味がない人達へもアプローチし、アパレル業界などへも浸透している

副千製陶所(佐賀県嬉野市)
https://unagino-nedoko.net/product/tax_maker/soesen/
1. 肥前吉田焼。手彫りの水玉柄の茶器や染付の器
2. 排泥鋳込などによる成形とガス窯での焼成。社内一貫生産
3. 丸い模様を下書きなしでリズムよく一つずつ削り出して模様を出す「掻き落とし」という技法
4. 染付の器は全て手描きで、古い骨董物を参考に現代に蘇らせるようなシリーズとして

2016 / 錦右エ門陶苑 × Kueng Caputo(スイス)
https://unagino-nedoko.net/product/tax_maker/2016-kueng-caputo/
1. 有田焼が始まって400年の節目から取り組まれた新しい有田焼へのチャレンジ
2. 職人による幾何学的な形状の実現
3. 「吹付」と呼ばれるエアブラシで色付けする特別な技術を用いた色のグラデーションでやきものの表面に陰影をもたらす

2016 / 錦右エ門陶苑 × Shigeki Fujishiro(日本)
https://unagino-nedoko.net/product/tax_maker/2016-shigeki-fujishiro/
1. 有田焼が始まって400年の節目に取り組まれた新しい有田焼へのチャレンジ
2. 有田では特別な色として使われてきた上絵(赤絵)に着目
3. 従来部分的に施される赤絵を、器全体を赤い釉薬で覆う
4. 印象的なマットな質感の赤を、新たに開発された釉薬と吹付の技術の組み合わせて実現

2016/ 瀬兵窯 × Kirstie van Noort(オランダ)
https://unagino-nedoko.net/product/tax_maker/2016-kirstie-van-noort/
1. 有田焼が始まって400年の節目から取り組まれた新しい有田焼へのチャレンジ
2. 素材の使い方。普段廃棄される不純物を多く含む陶石に着目し、新しい色合いの陶土を開発

磁器のお手入れ

磁器は吸水性が低いので、食材や液体の影響を受けにくく、陶器に比べると丈夫で軽く比較的扱いやすいやきものです。磁器の基本的なお手入れについて、幾つか簡単に紹介します。お手元にあるお気に入りの器、これから手元に置いてみたい器を、できるだけ長く大事に使い続けてもらえるように。

● 使い始め
・磁器は吸水性がないため、サッと洗った後はすぐに使用できます。
・やわらかいスポンジを使って、食器用洗剤で洗います。研磨剤入りの洗剤や金属製の束子や硬い束子で洗うと上絵に傷がついたり、剥げる原因になります。
・高台(器の底)のざらざらが気になる時はサンドペーパーで磨きます。

● 使い終わり
・使用した後は汚れが着いたまま、長い時間放置したり汚れた水につけたままにしないようにしましょう。
・しっかりと乾燥させましょう。

● 保管・収納
・水分が残ったまま食器棚などにしまうと、カビの原因や匂い付きの原因になるので、しっかり乾かしてからしまいます。

よくある質問:

Q. 電子レンジは使えるの?
A. 磁器、炻器(半磁器)は基本的に電子レンジは基本的には使用できますが、大事な器には使わない方がいいようです。金や銀などの金属の絵付けがされているものは、電磁波が金属に反射して故障の原因になる場合があり、上絵が施されているものは、変色したり剥離してしまったりするのでレンジは使用しないでください。また、冷蔵庫で冷やした器をすぐに加熱すると、急な温度変化によって割れやすくなります。

Q. 食洗器は使えるの?
A. 磁器、炻器(半磁器)は基本的には使用できますが、大事な器は手洗いがおすすめです。食洗器の中でカタカタと動いたり、器同士が重なったりすると割れやヒビの原因になることがあります。また、上絵が施されているものは色柄が落ちてしまう可能性があります。

【うなDIGTIONARY】とは

うなぎの寝床が掘って掘って(調べて聞いて)得た情報や知識を、うなぎの寝床の視点を通しつつ記録していくものです。日々活動していく中で、商品やつくり手、産地、素材について調べたり、聞いたりすることで情報を得ていきます。ある情報を知ると、そこから別の情報を知るきっかけを発見したり、疑問が浮かんできたりします。そして、また調べて情報や知識を得ることができます。リサーチして得た情報は次へ次へと繋がっていきます。今後も深く深く掘り続けていきたいと思うので、手にした情報は随時更新していきたいと思います。この「うなDIGTIONARY」を通して、何かを掘り始めるきっかけを手にしてもらうことができれば幸いです。

* DIGTIONARYは、DIG(掘る)とDICTIONARY(辞書)を掛け合わせた造語です。

 

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