シャツ工場が着たいシャツ「HITOYOSHI」
- 会期
- 2024.4.5 (金) 〜2024.4.15 (月)
うなぎの寝床 旧寺崎邸
- 日程
- 2024年 4/5(金)〜 4/15(月)
- 店休日
- 火、水(祝日営業)
- 営業
- 11:00〜17:00
- 住所
- 福岡県八女市本町327
- 電話
- 0943-24-8021
- 駐車場
- 10台
シャツ工場が着たいシャツ「HITOYOSHI」
熊本県人吉市のファクトリーブランド「HITOYOSHI(ヒトヨシ)」のシャツの取り扱いスタートにあたり、旧寺崎邸にて展示販売会を実施します。ドレスシャツ工場が作ったボタンダウンシャツなどのカジュアルラインを10種類ほど並びます。シャツの中でも高い技術を要する「ドレスシャツ」を専門の技術や細部の仕立て(立体縫製、運針、パターンなど)は、見栄えだけでなく、袖を通してわかる「心地良さ」にも通じます。日本各地で裏方としてものづくりを支えている仕事のひとつ、工場発のプロダクトをご体感ください。
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各地に潜んでいる針仕事
認知の解像度が上がる専門の縫製技術
「縫製工場」という仕事をちゃんと意識したのは、うなぎの寝床をはじめて1年半ほど経った頃です。
2013年頃から久留米絣のMONPEが注目され始め、内職の方にお願いしていた生産が追いつかなくなってきました。そこで、まとまった数の生産ができる場所を探さないといけなくなり、タウンページの”縫製加工業”のところを開いて片っ端から電話をかけました。その時に「うちは学生服専門だから…」「久留米絣の幅の生地はちょっと難しい…」「インナー専門で…」などと言われながら30件ほど電話をかけて、ようやく今お願いしている縫製工場に辿り着きました。その経験から縫製の仕事は細分化されているのだなというのは分かりましたが、何でそうなるのか服飾の知識もないのでチンプンカンプンなところからスタートしました。それから縫製工場に出入りしながら、裁断、縫製、仕上げの細部に関わることで服というものの解像度が徐々にあがってきました。(関わり始めて10年経っても新しい発見があり奥深い世界です。)
その後、2018年頃にHITOYOSHIのシャツを何かのきかっけで発見し、縫製工場が自身でブランドを立ち上げて世の中に発信しているということで興味を持ちました。いわゆるファクトリーブランドというものですが、縫製工場が商品を持つというケースは少ないだろうと思っていたので、そういう事例としても面白いと思いました。改めて縫製工場という大きな括りではなく「ドレスシャツ工場」という細分化された縫製の仕事として見ることで、固有性がはっきりし、それが支えている生活様式や人々の暮らしとの関わりが見えてきます。なんとなく「地域文化」という見方に今までにない認知のスイッチをいれてくれそうだなと思いました。
日頃一般の方が見聞きする機会が少ないだけで、全ての人がお世話になっている縫製加工業という裏方。その仕事は実は九州の中だけでもあちこちにあり、八女の近くにある珍しい部類の縫製仕事で言うと靴のアッパー作りがあります。靴メーカーのムーンスターやアサヒシューズがある久留米や佐賀あたりにあるのですが、よく考えればあたりまえに存在するのですが、考えるきっかけがないと意識できないんじゃないかなと。
見栄えと着心地を支える「細部」
「ドレスシャツ専門」だからできること
さて、今回新しくご紹介するHITOYOSHIは、高級ドレスシャツ(いわゆるYシャツ)工場として長年縫製加工をしてきました。シャツといっても、フォーマルなものからカジュアルなものまで幅広くありますが、それぞれ求められる品質の基準、想定されている使われ方が違います。高級ドレスシャツというジャンルで培われた手作業の職人仕事がささえる細部の縫製技術、立体裁断、パターンメイキングなど、出来上がりの見た目の印象はもちろん違いますが、見ただけではわからない着心地のよさが追求されています。大きく3つの持ち場で、裁断(型入れ、裁断)、縫製(衿、前身、後身、カフス、袖、本流)、仕上げ(検品、プレス、梱包)へとリレー式で流れてひとつのシャツが作られます。ドレスシャツを年間約8万着仕立てる職人集団の仕事です。
縫製加工の時代の流れを見てみると、洋服は元々は各家庭内で作ることが一般的でしたが、お店で身体を採寸して一着づつ個人に合わせて作るオーダーの製造小売が増え始め、その後既成服という量産品へと1950年代あたりから70年にかけて移り変わり産業として形成されていったようです。そんな時代の流れに合わせて日本各地に工場ができ、それから海外へと多くが移っていきました。アパレル産業とともに縫製工場も時代の変化に揉まれながらも国内にまだ存在しています。国内外の技術レベルは拮抗しているとも聞きますが、日本の工場だからこだわれる質というのもまだまだ存在するようです。ラフに作ろうとしても作れない、ドレスシャツ専門だからこその細部の丁寧さが端々にみられます。
縫製工場を仮に飲食店で例えてみると、和・洋・中さまざまある中でHITOYOHIは欧風カレー専門店としてみましょう。インドカレー専門、大衆食堂、うどん屋、レトルト、家庭のカレーライスも十分美味しく楽しめるけれど、専門店のそれは何が違うのだろう?ちょっとした工夫を沢山積み重ねているはずです。そんな感覚でシャツってなんだろう?縫製工場の違いって何?に改めて触れてみて味わってもらえたらと思います。
バイヤー 春口
<取り扱い商品(一部)>
白いボタンダウンシャツ
オンラインショップ発売開始:2024年4月5日(金)11:00〜
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シャツ工場が着たいシャツ「HITOYOSHI」
うなぎの寝床 旧寺崎邸
日程 | 2024年 4/5(金)〜 4/15(月) |
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店休日 | 火、水(祝日営業) |
営業 | 11:00〜17:00 |
住所 | 福岡県八女市本町327 (会場アクセス) |
電話 | 0943-24-8021 |
駐車場 | 10台 |
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