【旧寺崎邸】 きばらない服 yohaku
- 会期
- 2023.10.13 (金) 〜2023.10.23 (月)
うなぎの寝床 旧寺崎邸
- 店休日
- 火、水(祝日営業)
- 営業
- 11:00〜17:00
- 住所
- 福岡県八女市本町327
- 電話
- 0943-24-8021
- 駐車場
- 10台
【旧寺崎邸】 きばらない服 yohaku
快適な服を、最適な方法で、適量つくる。
適度に気取って、適度に気が抜けていてる。気構えたくない日々にそばにあると安心する服。
着る人と服を作る人と素材(布)に丁度よい具合を考えて作られる服は、作る過程で布に必要以上の負荷がかかっていないせいか着心地が良く、クローゼットにあると何かに引き寄せられるようについつい手が伸びてしまいます。
日本の各地の職人さんと付き合い、「よい服作りとは?」に向き合っているyohakuの渡辺さんは「縫いやすい服は布にも着る人にも負荷がなく心地よいのではないか。」というような事を話していました。物理的・精神的に作り手・売り手・使い手にやさしい、心の豊かさにつながる良い服作りを目指しています。ただし、その服をただただ多く作れば良いということでもなく、自分たちの身の丈に合う作る量はどのくらいなのか?をここ数年はそこを模索し、ものづくりの仕方が変化しているようです。
生地を購入して裁断して縫って作るというだけでは想像がつかないからと、綿から育てることに着手し、採取された綿を使って生地を作り服にしました。その名も「種から作ったTシャツ」。農作物である綿の育つペースに合わせて作る服は、1年に一度しか採れない作れない服に自然となります。その循環の中で育った綿を使用した貴重な生地を、裁断して縫製するのはどうなのか?…なるべく無駄なハギレを出したくない。改めて種から向き合うことで湧いてくる感情と葛藤。その視点を持って、生地のこと、服の形のことを見つめ直しているそうです。洋服のように曲線でハサミをいれず、まるで着物の様に四角い生地をそのまま縫い合わせて完成させる作り方に近い形はないのか。カットソーではなく丸胴と呼ばれる生地で最低限の手数でつくられているTUTUシリーズは、まさにその視点が盛り込まれた服です。その結果、生地に負荷がなく、着心地が良くて、作る過程で無駄な布が少ない、着物の様な洋服になりました。今後もyohakuさんなりの快適・最適・適量の模索が続きます。
さて、今回はうなぎの寝床 旧寺崎邸にて、yohakuの特集を開催します。定番で扱っている茶綿シリーズのパーカーやTUTUワンピースなどはもちろん、廃棄されてしまう糸や布などを服にする「再生シリーズ」からはこれからの季節にぴったりのドバイパンツ、その土地にある織物や染めなどの技術をyohakuの感覚を通して伝えるプロダクト「産直シリーズ」、種づくりから服づくりを取り組む「種から作ったTシャツ」など、出来立てのyohakuの服も合わせて期間限定で揃います!
この機会に、yohakuのきばらなさを袖を通してご体感ください。
<イベント概要>
きばらない服 yohaku
2023年 10/13(金)〜 10/23(月)
うなぎの寝床 旧寺崎邸
営業 11:00〜17:00
休み 火、水(祝日営業)
住所 福岡県八女市本町327(会場アクセス)
○お店に並ぶ服の一部
*生産都合により一部パーカーなどは会期途中での入荷予定です。
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服を作り続けていたら畑に辿り着いた
種から綿を育ててTシャツに
yohakuの渡辺さん曰く、自分たちが作る服の適正な量(食べていくのに必要な量)はどのくらいなのか。この問いに向き合っていたら畑にいたようです。
自然のペースで服作りをしたらどうなるか?服の循環と自然のリズムを合わせることで何かが見えてくるのか?
普段意識しずらいですが、綿は農作物です。一年に一度しか収穫できません。その綿も和綿だと仮に40kgのコットンボールが採れても、タネを避けて使える綿の部分は10kg程度とのこと。Tシャツ1枚を200gとしたら、約50着。たくさん作るということはその分の畑を増やさないとできない。今から準備しても、製品になるのは綿を採取して糸にして生地になって裁断して縫製すると早くても1年半後くらい。当たり前だけど、こう考えると長い時間をかけて1着の服ができます。yohakuさんが、福島県いわき市で茶綿の有機栽培をしている、起点(きてん)さんと知り合ったことで始まった茶綿栽培プロジェクト(watanabe cotton project)。春に茶綿の種をyohakuの店舗でお客さんに配り、それぞれの環境で育てて秋に収穫できたら、その綿を回収、そして茶綿ブレンドの生地にして服をつくるという流れです。今回少量販売する「種から作ったTシャツ」がそれにあたります。白いオーガニックコットンに茶綿が5%混ざっている様子が見えるオートミールカラーになっていて、活動が視覚的にも見えるのもこの取り組みの面白みと思います。2021年から取り組み始めたプロジェクトは失敗を重ねながらも少しずつ前進して、3年目を迎えようやく服の形となりました。渡辺さんは何かチャレンジするにしても、残りの歳考えるとあと20回くらいしかできないと話していました。1年に1度なので当たり前ですが、数で見ると少なく感じます。天気に左右されることもあるでしょう。そういうことも含めて、生地を購入し服を作るだけでは見えなかった部分が、綿から育てることから取り組むと立ち止まって物事を考えたり見渡したりができるようです。服を作る仕事というよりは、生活の中に綿づくりと服づくりがある。日光、雨、鳥、虫、夕陽、人のペースではなく自然のペースで進む物事に一部身を置いてみて今の立ち位置を見つめてみるということで、資源のない日本がグローバルな繊維産業に支えられている大きな循環の事実はありながらも、違う循環をそれぞれが思考し実践する様は次の時代につながるヒントになるのではないかと思います。
春口
* yohakuがビルの屋上で育てている綿
* 茶綿
各地で収穫された綿
「種から作ったTシャツ」
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yohakuとは?
yohakuは衣服の製造・販売を行う株式会社サンカーベの自社ブランドです。1969年メリヤス(肌着類)のメーカーとして創業。秋田の自社工場で肌着の生地の生産、卸、アパレル向けOEMをやっていましたが、代表の渡辺展行さんが跡を継ぐ形で入社してからは徐々に自社製品に移行。2009年小売事業を開始、2012年yohakuを立ち上げました。東京の蔵前に店舗を構えています。うなぎの寝床のKATA Tシャツシリーズやもんぺしたはyohakuが作っています。自社商品は、余った生地や服が廃棄されていく現状を知った渡辺さんが日本でも低コストで服が作れるのではないか?と残布や残糸を使った再生シリーズをきっかけに始めました。また、各地の織物や染物の技術を伝える産直シリーズの取り組みも行っています。海外でも評価の高い日本のカットソー素材を身近に着て欲しいという思いから、ふと手が伸びる服、無意識に選ぶ服をめざし、できるだけ無駄のないやり方でコストを抑え、売る人、買う人、作る人に寄り添った服作りを行っています。
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* mark // Photo:Koichiro Fujimoto
きばらない服 yohaku
うなぎの寝床 旧寺崎邸
店休日 | 火、水(祝日営業) |
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営業 | 11:00〜17:00 |
住所 | 福岡県八女市本町327 (会場アクセス) |
電話 | 0943-24-8021 |
駐車場 | 10台 |
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