ゴムのあるネイティブスケープ【2】 「ゴム」は何からできてる?
うなぎの寝床では、約200のつくりてさんの商品を展示販売していますが、「ゴム」の企画展では、ムーンスターさんとSINGさんの商品を中心にご紹介します。バイヤー春口からの聞き取りを元に2社の「ゴム」という素材について深掘りしてみると、一見異なる素材のガラスにもつながっていることがわかってきました。
日常にあふれるゴム製品
私たちの毎日の生活では多くの「もの」に囲まれていますが、ひとつひとつを手に取ってみると「これはなんだろう?」と思うものや、「どうやってできてるのだろう?」など、その本質を知らないものがたくさんあります。
ゴムもそのひとつ。ゴムはいろいろな型に自由に形づくることができるため、車のタイヤ、ビーチサンダル、ソフトボール、ゴムパッキンなど、多種多様な形のゴム製品を意識することなく毎日使っています。
ゴムってなんだろう?~ゴムの種類~
ゴムは、その原料と製造方法によって大きく2種類に分けられます。ゴム樹からとれた樹液をもとにつくる天然資源である「天然ゴム」と、石油・ナフサから作られる化学工業品である「合成ゴム」です。
天然ゴムは弾力性に優れ、また、加硫すると工業使用に耐えうるために世界の工業化が進むなかで需要が急拡大し、2018 年には 1,376 万トンを世界で消費しているそうです。
天然ゴムの原料となるゴム樹は東南アジアなどの限られた地域でしか育たないため、代替品として生まれたのが化学の力でつくられた合成ゴムです。
現在、合成ゴムにはウレタンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴムなど100種類近くあり、天然ゴムと同一の性質をもつゴムや、耐油性・耐熱性・耐候性など天然ゴムにない特性をもつものなどがあり、用途により使い分けられています。通常、天然ゴムと合成ゴムはブレンドされて1つの商品となるので、見た目だけで天然ゴムか合成ゴムかを見分けるのは難しいようです。
ムーンスターのゴム、SINGのゴム
靴メーカーのムーンスターさんは、ゴム屋さんでもあります。靴が使われる場所や用途に合わせたソールをつくるために、天然ゴムと合成ゴムの配合を考えて混ぜ合わせ、油っぽい床でも滑りにくゴム、斜面やぼこぼこしたところでも踏ん張れるゴムなどをつくり、そこから地下足袋、長ぐつ、上履き、スニーカーなどの用途に合わせた靴をつくることができます。
一方、SINGさんの商品は、合成ゴムの一種であるシリコーンゴムからつくられています。もともと自動車部品などの工業用ゴム製品を製造していたSINGさんは、生活のなかで使ってもらえる商品をつくりたいとの想いから、シリコンに特化した工場をつくり、パッキンなどの部品をつくるとともに自社ブランドとしてマグカップなどの生活用品をつくっています。SINGさんも様々な種類のゴムを製品の用途に合わせて配合し、いろいろな形に成形することができます。
劣化しないゴム「シリコーンゴム」
では、SINGさんがつかっているシリコーンゴムとは何なのでしょう?
合成ゴムのひとつであるシリコーンゴムの原材料は「ケイ素」と呼ばれる、地球の表層を構成する成分で酸素の次に多い元素です。シリコーンとは、ケイ石からケイ素を取り出し、複雑な化学反応を加えて作り出された合成樹脂です。高温・低温に強い、紫外線にさらされても劣化しにくい、水をはじくなどの特性をもつため、エレクトロニクスから化学・繊維、食品、化粧品、建築とあらゆる分野で使われています。
ゴムとガラスはつながっている!
ムーンスターさんとSINGさんは、どちらも「ゴム」をつくるゴム屋さんです。ただ「ゴム」というのは一般的な名前にすぎず、その原材料や作り方には様々な方法があることがわかりました。
そして、SINGさんがつかっている合成ゴム(シリコーンゴム)の素材であるケイ素は、ガラスの原料でもあります。また調べてゆくと、ケイ素はシリカとも呼ばれ、乾燥剤のシリカゲルとして使われたり、鉄やカルシウムなどと同様に、人体にとって不可欠なミネラルのひとつであったりと、私たちの周りのさまざまな場面に存在して重要な役割を担っているようです。ゴムもケイ素もまだまだ奥が深く、さらに調べていくとまた違うものにもつながっていくのだと思います。
ゴムのまちに生まれ育っても、ゴムについて調べ、考える機会はないものです。この機会に身の回りを見渡して「ゴム」という名前にとらわれずに、それがどうやってできているのか?を考えてみたいと思います。
例えば、ヘルメット潜水のウェットスーツの素材「クロロプレンゴム」はどんなゴムだろう?とか、萩ガラス工房のガラスはどうやって作られているのだろう、とか。(研究員K)
おまけ:シリコンとシリコーンの違い
シリコンはケイ素のことです。岩石や土壌の主成分として自然界に存在し、地球上で酸素に次いで多く存在します。
シリコーンは、ケイ素樹脂のことです。ケイ素を含む有機化合物の総称で自然界には存在しません。シリコーンは、油状、ゴム状、樹脂状など多様な形状のものがあります。
参考文献
・toishi.info HP 「天然ゴムと合成ゴムの違いと比較、生産量、見分け方について」
・柳瀬製作所 HP 「シリコンとシリコーンの違いって?シリコンは金属ですって?」
・TOCOM (2020. 2. 25) 「ゴム取引の基礎知識」
・MONOist HP (2017. 7. 28) 「200年謎だったガラスとシリコーンの基本構造を世界初解明、高機能化に道筋」
ゴムのあるネイティブスケープ
その他のお知らせ
【お知らせ】 MONPE 価格改定について(2026年3月4日〜)
【新規掲載】白い常滑急須・TAKASUKE
【リクルート】 愛媛大洲店 店舗運営スタッフ(社員・パートスタッフ)募集 リクルート説明会開催(2月開催)
【アンケートご協力のお願い】MONPEの楽しみ方、教えてください!
【八女の産地】八女仏壇 2026年2月ギフトショーにてKUGUを発表
【季節のおすすめ】寒暖差のあるときこそ、ウールという選択
【大皿・オブジェ】使うか、眺めるか。用と美のあいだ










