tamaki niime

播州織ファクトリーブランド/兵庫県西脇市

tamaki niimeは、玉木新雌さんが2004年に兵庫県西脇市で播州織の新解釈と開発を目指して立ち上げました。福井県の洋品店で生まれ育った玉木さんは理想の布を探し求める中で播州織と出会い、試行錯誤の末2009年に代表作品となるオリジナルショールを発表。翌年には1965年製ベルト式力織機を導入し、自ら織るオンリーワンショールの製作を開始。先染めである播州織の特徴を生かした多色使いのむら染めや、柔らかさを極限まで追求したショールは高い評価を受けました。あらゆる種類の織機を揃え、いつ何があっても自社で一貫生産ができることを目指しています。また、良いものを作るためには作る人が健康であることが大事という考えから始めた「tabe room」や、野菜の無農薬栽培やヨガ、コットン栽培、自然と人間の共存を目指す環境再生作業「大地の再生」など、単なるアパレルブランドとは一線を画したものづくりを行なっています。

■ 歴史・土地性:人と水に恵まれた播磨から、独自の解釈を伝える。

tamaki niimeのものづくりは「播州織(ばんしゅうおり)」との出会いから2004年に始まりました。そもそも播州織は、江戸時代中期の1792年、京都から帰郷した宮大工・飛田安兵衛が京都西陣から持ち帰った知識を生かして織機を作ったことが始まりと言われています。西脇市域をはじめ、当時の播磨国(現在の兵庫県南部)では、温暖な気候を生かした綿花栽培が行われており、自給自足で衣料が作られていたことや、染色業に不可欠である豊富な水資源(加古川・杉原川・野間川)に恵まれていたことが、織物業が発展する基盤となりました。明治時代後期には力織機の普及により、家内工業から工場生産へ移行し西脇市域で生産力が急増。大正期には鉄道が開通し、輸送力が大幅に強化されたことから、都市部での消費が拡大し「播州織」の名は全国に広がりました。しかしその後のデフレによる国内事業の低迷、安価な海外製品の流入などにより、現在も厳しい事業環境が続いています。tamaki niimeはその播州で、織物の新解釈に取り組んでいます。

■ 素材:唯一無二の自然な織物を目指して、実験と創造を繰り返す

「播州織」の一番の特徴は、先に染めた糸で柄を織る「先染織物」という手法であり、国内先染織物の70パーセント以上のシェアを占めているのだそうです。tamaki niimeは糸作りから独自に行い、多色を使ったむら染めなどオリジナリティ溢れる染色や、数色の糸を組み合わせて1本に撚るといった工夫で、独特な色味の糸を作り出しています。自然のものに全く同じものはない、という信念から、チェックであっても幅や色味の濃淡に強弱をつけるなど、少しずつ変化があるようにつくられています。さらに、生地の柔らかさを追求していく上で、素材をより知るために2014年からコットンの無農薬栽培も始めました。素材からmade in Japanが広がるようにという想いで、委託栽培という形のコットンの種のおすそ分けと買い取りもおこなっています。こうしてtamaki niimeでは、実際に手を動かして育ててみよう、という「実験」を日々繰り返しています。

■ 技術:従来の播州織のイメージを覆す、限りなく柔らかな軽い生地

玉木さんは大学、専門学校と服飾を学び、パタンナーとして服飾業界で働いた後、1年後に自らのブランドを立ち上げました。毎日着たくなる服には「着心地の良さ」が大切だと気づいたことから、限りなく柔らかく軽い生地にこだわり、自身も織りの技術を身に着け、tamaki niimeの代表作であるショールに辿り着きました。職人の世界では、織り込む糸の本数が多いほど技術力が高いという競い方をすることに対し、玉木さんは糸の本数を減らし、密度の緩いふんわりとした生地を織ります。さらに素材と同じく「唯一無二の自然な織物」をつくるため、旧式から現代までの機械を使って量産しつつも、緯糸を頻繁に色んな色に変えたり、織る速さを遅くしたり、面倒で非効率なことにも手間を惜しまず、あえて取り組んでいます。こうして、織物職人の常識にとらわれない玉木さんの作品は、バリエーション豊かな色柄と軽やかな生地のアイテムを創ることで、播州織の新たな可能性を常に開拓し続けています。

■ 思想:「あたりまえを疑え」 衣食住を越えて、人にも環境にも良いものを

玉木さんはtamaki niimeの活動を、播州織を何百年先の後世に伝えるための「一つの手段」だと言います。播州織の会社は、現在200社以上あると言われていますが、40代以下の後継者がいる会社は数えるほどしかないのだそうです。その播州織を未来へ残すため、綿栽培をきっかけに「自分が今できること」をやろう、と玉木さんは人の生活の為の「衣・食・住」に立ち返りました。着心地や体に優しい「衣」のものづくりに重点を置いていたこれまでの活動に加え、店舗デザインなどの「住」、人の体の内側へのアプローチができるよう、食のプロ「食作人」による「腹ごしらえ会」という活動も手掛けています。織物にとどまらず、人の体にも環境にも良いものを追求する玉木さんは「あたりまえを疑え」の言葉どおり、常に疑問を投げかけ、創造を続けています。

※あくまでもうなぎの寝床が解釈する、つくりてのものづくりへの思いや思想です。

参考文献

・tamaki niime公式Webサイト
・中川政七商店「播州織とは」
・西脇市公式HP「地場産業『播州織』」
・ONESTORY 「他に類を見ない独自のデザインで、播州織に新風を吹き込む。(前編・後編)」
・はりまるしぇ「はりまスター tamaki niime」

兵庫県のつくりて 全5社

兵庫県西脇市
播州織ファクトリーブランド

tamaki niime

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