ロイス
株式会社ロイスは「真空加圧製法」という独自の製法で石鹸を製造するメーカーです。この製法は従来の釜炊き製法や機械練り製法とは全く異なり、石鹸を90tの圧力で固めて作る製造法で特許も取得しています。原材料は石鹸素地と海塩のみで、この製造法により水を含みません。そのため防腐剤といった化学合成成分を添加する必要のない安心できる塩石鹸です。現在の会長である國包輝(くにかねあきら)氏が塩石鹸の研究開発を開始したのは1995年頃。かつて経営していたエンジニアリング会社の技術者が設計した機械で石鹸作りを始めます。10年以上の歳月をかけ、従来数%未満とされていた塩の含有率が、最大30%という業界初の配合比率の塩石鹸を生み出すことに成功しました。現在も研究開発から製造まですべて自社で行っています。塩以外にも椿やオリーブを配合した石鹸のほか、様々な企業の依頼も受けるOEMも行っています。
■ 技術:真空加圧製法で水分を含まない、体にも環境にも優しい石鹸
佐賀県三養基(みやき)の工場で1995年から製造されている、塩石鹸「お塩のめぐみ」。その最たる特徴は、真空加圧製法で作られていることです。これはより少ない水と高濃度の塩で石鹸をつくるために開発された技術で、90tという圧力でサラサラの石鹸粉末を固めて成形します。従来の製法では油(主に植物性)と苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)、または苛性カリ(水酸化カリウム)を混ぜて石鹸素地を作り、釜炊き法では釜炊き・塩析・枠練・裁断・熟成という手順で、もしくは機械練りという塩析を除く全工程を機械で行う手法がありましたが、これでは石鹸内の水分を減らすには限界があります。こうした製法では、防腐剤のような化学合成成分がどうしても必要になってしまいます。しかし真空加圧製法では製造時に水を含まない為、無添加の石鹸をつくることができるのです。「お塩のめぐみ」は製造時に水も熱も加えず、二酸化炭素の排出もないため、空気を汚しません。このようにロイスでは体にも環境にも優しい製法で石鹸作りをしています。
■ 素材:人間の体液に近い塩分濃度の泡で、肌に優しく汚れも落とす
ロイスの石鹸は肌に優しい成分のみで作られています。一般的な枠練り石鹸は、約50%の石鹸素地に加え、25%が水分、塩が5%、残りは界面活性剤や防腐剤などの添加物です。水分を多く含むため、お風呂場に置いておくと溶け崩れしやすい性質があります。一方、ロイスが作る「お塩のめぐみ」は植物性の石鹸素地の粉末と最大約30%の海塩のみでできているので、型崩れしにくく防腐剤も不使用。肌を傷つけずに汚れをしっかり落としつつ、洗浄後も海塩に含まれるミネラル成分が肌をしっとりと守ります。さらにロイスの石鹸でつくる泡は、塩分濃度が人間の体液(0.9%)にとても近いため、目や傷にしみにくく、敏感肌の方や赤ちゃんでも安心して使えます。原料の海塩や石鹸素地はもちろん、美容や体臭対策といった機能石鹸シリーズに含まれるカテキンやヒアルロン酸などの添加物も、全て植物や素材を乾燥させて微粒子の粉末に加工した天然由来成分です。
■ 歴史:肉を焼いたら偶然生まれた「石鹸」 日本の生活には明治から登場
石鹸は人類の偶然の産物だったと考えられています。紀元前3000年頃、古代ローマのサポー(Sapo)という丘の神殿で、神に供えるための羊を焼いていると、羊から滴り落ちた脂と木の灰が混ざり合い、石鹸のようなものができたそうです。また同時期のメソポタミアで、石鹸の製造法が粘土板に記されており、これが最古の記録だと言われています。偶然の産物であった石鹸は、油脂とアルカリ成分の反応であったと判明した8世紀頃、ヨーロッパで広まっていきました。12世紀頃には現在の石鹸に近いものが登場、18世紀にはアルカリが工業的に生産されるようになり、1917年にはドイツで世界初の合成洗剤が誕生しました。日本では16世紀頃から南蛮貿易によって導入されましたが、将軍や大名などのごく一部の特権階級のみが手にできる贅沢品だったため、庶民の洗濯や入浴にはぬか袋、無患子(ムクロジ)、サイカチの実、灰、粘土、灰汁(アク)、椿の油、うどん粉など様々なものを、地域や社会階層によって用いるのが一般的であったそうです。本格的に日本人の生活に浸透したのは、国産ブランドが誕生した明治時代からでした。
参考文献
ロイス公式Webサイト
石鹸百科
日本石鹸洗剤工業会Webサイト
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