フラミンゴ
株式会社フラミンゴは1967年創業。阿蘇山系の地下水で染色したウール100%のフラミンゴバスクベレーを始めとした、国産帽子の製造・販売を行っています。ベレー帽の生産力は国内随一で、創業から今日まで、羊毛糸の編み立てから染色、成形、縫製、検品までの全工程を自社で一貫して行う国内唯一の帽子メーカーです。全工程一貫生産だからこそできる豊富なバリエーションと自由な発想のデザイン、価格以上の品質の良さが特徴です。数ある素材の中から高品質な素材を厳選し、高い縫製技術と仕上がりのシルエット・佇まいを印象付ける独自の金型で製造しています。また、阿蘇水脈の地下水を汲み上げて染色・縮絨に使うことで色鮮やかでふんわりと柔らかいベレー帽に仕上げています。一般向けの帽子だけではなく、自衛隊や幼稚園等のベレー帽も長年作られています。今まで築かれてきた帽子文化を尊重しつつ、時代の流行にも対応していくことで更なる技術革新に挑戦しています。
■ 歴史:ナポレオンIII世によって、バスク地方から世界の軍や芸術家へ
ベレー帽には大きくバスク・ベレーとミリタリー・ベレーの2種類があります。そもそものベレー帽の起源は17世紀頃のバスク地方(スペイン・フランス国境の地域)に遡ります。15〜16世紀の聖職者が用いた角帽を、バスク地方の農民やピレネー山脈の羊飼いたちが被るようになったことを始まりとして、17世紀頃にはベレー帽がバスク地方の民族衣装となっていました。そして19世紀にバスク地方を訪れたナポレオンIII世が、「Béret Basque (バスク・ベレー) 」と呼んだことをきっかけに世界に広まりました。そしてベレー帽は第一次世界大戦で広がりを見せ、1918年には英国軍戦車隊の帽子として採用されるなど、軍帽として活用されました。また、ピカソや手塚治虫といった芸術家にも愛用された歴史もあります。フラミンゴは1992年に始まりましたが、それ以前の1965年から同工場に帽子をつくるASAHIベレーが入っていました。1985年頃にASAHIベレーからABCベレーが事業を継承、1992年にはABCベレーの取引先であった大阪のYASHIDAが引き継ぎ、プライベートブランドのflamingoを開始、現在に至ります。
■ 技術・素材:水の温度や湿度まで調整 自社染色でカラフルなベレー帽
ベレー帽づくりは、羊毛の種類や染料の種類、製造過程で使用する水の質や温度、空気の湿度などが関わる繊細な工程です。まず、未染色のウールを粗く柔らかい編み目で形を作るところから始まります。この平らで円い形はフランス語で「ガレット」(英語でパンケーキ)と呼ばれます。このベレー帽の原型を水で洗うと、ウールが縮み、編み目が適度に引き締まります。また繊維が柔らかくなり、なめらかで柔軟なフェルトへと変化します。ここで使用する河の水や洗剤の種類も重要なポイントです。次にフェルトを河川水と染料、フラミンゴはここで阿蘇水脈の地下水を使用し、染色します。フラミンゴは自社で糸染めをするため、独自の豊富なカラーバリエーションがあります。ここでも染料の配合や羊毛・水の質、温度によって染色の仕上がりが変わります。染色後は、金属の型にはめて熱を当てて型付け・乾燥、ブラシでフェルトに厚みを出した後、バリカンで余った箇所を切り落とし、裏地を縫い付けるとベレー帽の完成です。
参考文献:Flamingo公式HP、Discovery編集部「ナポレオンが広めた!?ベレー帽の由来を紹介|世界のモノ作り」、Facebookディスカバリーチャンネル「ちょっとニッチすぎたシリーズ ベレー帽ができるまで」、ミリレポ「軍人はなぜ、ベレー帽を被る?その歴史」
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