
今回、シラキ工芸さんよりお盆前の時期にPOPUPなどいかがですか、とお声かけいただき、改めてシラキ工芸の今の取り組みをお聞きするため、工房へ見学に伺ってきました。
変化は産地とともに
シラキ工芸のショールームにあるcocolan
シラキ工芸は、仏壇、石燈籠、竹細工、久留米絣など様々な工芸が集積する八女市にあります。元々産地の中で、伝統工芸とされている八女提灯の火袋を専門として製造・販売を行ってきました。故人を想って手を合わせ祈る場所にある灯りとしての提灯の歴史は、いつも仏壇仏具の変化の歴史とともにあります。仏壇が現代の暮らしに寄り添ったコンパクトなものになっていった時に、提灯も変わっていく必要を感じ、その変化の中で開発されたのが、シラキ工芸オリジナル商品の cocolan シリーズです。
温もりのある灯りは、変わらずに手仕事から生み出される

八女和紙貼りの工程
今回は、その cocolanシリーズの製造工程を見学させていただくことに。まずは火袋です。
均等に巻かれた骨組みにたたくように糊をつけ、一面分の和紙を貼り、余分な箇所はカミソリで切っていきます。切った後はたわしで和紙の毛羽を落ち着かせて整え、これを 8 面分繰り返していきます。貼り終わったら自然乾燥をして(乾燥時間も天気次第で大きく左右されるとか。)、きれいに折りたためるように折り皴を 1 本 1 本へらで入れていきます。この作業を行っておくことで、畳んだ時にも美しい佇まいの提灯になるのだそうです。
折り皴をつくるためにひとつひとつへらをあてていく
次は手描きの絵付け工程です。若い職人さんの手は迷いなくなめらかに動き、あっという間に美しい草花が現れます。盆提灯には草花が描かれていますが、これは一年中、そばに花を飾っておけるようにという意味合いも込められているのだとか。和紙を重ね貼り合わせていく時の糊しろの幅や、糊のムラなどがあると、手描きの絵も滲んでしまったり繊細に描けなかったり、また畳んだ時にも美しくないそうで、社内の職人同士でお互いの仕事をチェックできる体制があるのだと感じました。また、大きさに関わらず同じ工程と手間が必要なため、価格も大きくは変わらない理由も分かりました 。
提灯の形状自体は、コードなしの充電式で使えるようにしたり、持ち運びが簡単にできるようコンパクトに変化したりしながらも、製造工程の技術は、変わらず人の手によるしなやかさや繊細さが求められ、ひとつひとつ本当に丁寧につくられています。だからこそ、新しい形になっても八女提灯独自のやわらかい優しい灯りが生まれるのだと思いました。そして、その技術を継承していくために若い職人をしっかり自社内で育成していくことにも、シラキ工芸は力と愛情を注いでいます。今年の春も新しく若い方の入社があった、と嬉しそうに紹介してくださいました。
手描きによる絵付け 。スピーディーに描かれていく。
シラキ工芸が広げていく、新たな可能性

今回実際にお話を伺って、シラキ工芸の魅力は、変化する現代生活に合わせた商品開発を積極的に進めながらも、その制作工程一つ一つに職人が関わることは変えずに、また、人が人を想い手を合わせる場所にふさわしい灯りであることも常に意識しながら取り組み続けていること、かもしれないと思いました。そうやって生み出された提灯だからこそ、昔から八女提灯を知っている方も、初めて提灯を身近に見た方も、幅広く多くの方を魅了できる提灯になっているのだろうと思います。
今後は家庭に留まらず、商業施設や宿泊施設など広く使われる提灯をつくっていきたいと考えているシラキ工芸。
これまでに見たことのない、提灯の新しい可能性が広がっている光景を想像すると、とても楽しみです。
うなぎの寝床 アクロス福岡店では、7月15日よりシラキ工芸の提灯20種類以上をずらりと並べてご紹介しています。
会期は8月3日(月)まで。ぜひこの機会に、シラキ工芸の手仕事をご覧ください。お待ちしております!
アクロス福岡店 渡邉
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