【地域のこと/観光協会】「そば」を味わい尽くす、八女福島の定番ランチ。 / @史蔵 Yame Rediscovery vol.9

【地域のこと/観光協会】「そば」を味わい尽くす、八女福島の定番ランチ。 / @史蔵 Yame Rediscovery vol.9

お茶だけでなく手仕事も盛んな八女ですが、やはり職人気質の人が多いのでしょうか。ある花火職人の方も「九州の中でも、八女の人は特に花火を作るのが上手い」と話していたのを思い出しました。八女の人は繊細な手技のDNAを持っていると言っちゃっても、言い過ぎではありません。
八女には手打ちのうどんやそばなど麺のお店が多くて、しかも、どこもすごく美味しいです。これも職人の手技というか、「麺」というものづくりの一つのような気がしています。粉と水と向き合って、太さ・細さやコシを最高の状態にもっていくのは、まさにものづくり、職人の技です。
今回行った「そば季里 史蔵(そばきりふみのくら)」さんも、八女にあるそば屋さんです。提灯屋さんや仏壇屋さんなどが並ぶ、伝統的なまちなみのメインストリートにあります。古い町家を使ったお店で、看板と、その下でほほえむ赤い恵比寿さんが目印です。
店内は土間にテーブル、あがったところにカウンター、奥に座敷、二階にも席があります。落ち着いた色の家具と、壁にかかった久留米絣の古いきものや郷土玩具、上から吊ってる飾り。おばあちゃん家というより、子供のときわくわくした親戚のお家っぽくて懐かしいです。
私はランチの定番だという「きこり膳」、いっしょに行った渡邊さんは「ぶっかけ」です。きこり膳は、ざるそば、天ぷらに豆腐ハンバーグ、小鉢のとうもろこし、漬物、ごはんとたっぷりです。ぶっかけは、そばに大根おろし、天かすがのっかって、暑い日にするっと食べられそうです。
天ぷらも揚げたてサクサクで、ハンバーグもやさしくてとっても美味しかったのですが、それよりも印象的だったのは、そば。ものすごく当たり前のことを言ってしまいましたが、そばは麺だけじゃないのです。ごはんにも、天ぷらの塩にも、そばの「実」が入っていました。
麺のそばはもちろん美味しくて、グッとしたコシで、いつまでも食べていたい、噛んでいたい。口の中が幸せです。ごはんとお塩のそばの実は「香り」です。鼻に抜けるような香ばしさで、実は私はそば大好きなんですが、麺とはちがうそばの魅力を初めて知って、ちょっとおどろきでした。
そばの実まで味わって、私はご主人の「蕎麦愛」を感じずにはいられませんでした。香りまで、そばの魅力をあますことなく味わってみたい方はぜひ、お昼はきこり膳を頼んでみてください。数量限定のようなので、早めの時間がおすすめです。

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