福田織物

福田織物は、静岡県西部の遠州灘に面する遠州・天龍社産地で綿織物を中心とした機屋として1964年に創業。現在は綿以外の天然素材も扱いながら、やわらかな風合いを特徴とした多種多様なアパレル生地開発に取り組んでいます。遠州・天龍社産地は古くは海洋航路の中継地として栄え、江戸時代から船の帆などの厚手織物の産地でした。明治時代になると、当時鼻緒の材料として人気だった輸入コーデュロイを見本とし、独自の技術で国産コーデュロイ（コール天）を開発。その後急速に発展し、現在では国内の約95%のコーデュロイを生産しています。コーデュロイ特有の風合いは、パイル組織での製織や、パイルカット、毛焼、水洗いなど、様々な特殊な工程から生まれ、各工程は産地内の専門工場で行われます。安価な海外製コーデュロイの流入によって専門工場は大幅に減少していますが、2代目の福田靖さんは加工工場と共同で技術開発をする「BECCO」に取り組むなど、国産コーデュロイの新たな価値を創造し続けています。