土佐龍
高知県は面積の約8割が森林の日本一の森林県です。土佐龍は地元高知のヒノキや桜、楠などの木材から商品をつくるメーカーで、幼少期に山の手入れに駆り出された経験をもつ池龍昇さんが1970年に創業しました。龍昇さんは高校卒業後に大阪の企業に勤めますが、木からこけしが成形される現場を見て感動し木の彫刻づくりを始め、約10年後にヒノキを使った家庭用品をつくり始めます。暖かく台風が多い地域で育つ高知県のヒノキは四万十ヒノキと呼ばれ、丈夫で抗菌作用をもち、油分を含み水に強く弾力性に富み、主に建材として利用されます。龍昇さんは、山の手入れをする時に除伐される70年ほど育った除伐材のなかから良いものを丸太で仕入れ、製材所で切り、半年以上自然乾燥させ、最後に低熱乾燥炉で水分調整して商品にし、建材にならない除伐材に価値を生み出し、森にお金を循環させています。端材も余すところなく使いながら国産材の良さを伝え、循環させて健全な森を守る取り組みを行っています。