中村さとみ
大分県由布市で竹工芸を行う中村さとみさんは、祖父が建具職人、伯父が大工ということもあり初めは日本家屋の欄間彫刻の仕事に就きます。その後、飛騨高山の家具メーカーに入社し11年勤めます。家具よりももっと日常使いできるものを作りたいと思っていたころに「竹」という素材に出会い、2009年に木工の世界から竹の世界に転身します。大分県の竹工芸訓練センターで竹細工を学び、由布市の山奥にあるお寺だった建物に「竹と木のしごと」という木竹工房を構え、竹の器や、カトラリー、ハンガー、ハサミなど様々な日常使いできる竹製品を作っています。竹細工は竹ひごを編んで作品を作ることが多いですが、中村さんは木工の経験を活かし、竹の特徴を木の素材と同じように捉え、削ったり彫ったりするなどして、自分で切った竹を使って制作します。木を扱う仕事とは一味違う、竹本来の力強さや、一つ一つの個性に向き合いながら、今の暮らしの中で使えるものを作り続けています。
■ 素材・技術 : 木工と竹細工、両方の技術と素材特性を融合した、新しい竹工芸
建具職人の祖父や大工の伯父を持つ中村さんは、日本の伝統建築の特徴の一つである欄間(らんま)彫刻の仕事から木工の世界へ入り、その後は飛騨高山の家具メーカー・飛騨産業で11年間勤めます。中村さんは、そうして得た木工の技術や考え方を「竹」という素材と融合させています。竹細工には「編組」と呼ばれる竹ひごを編み上げて形をつくる技法もある中、中村さんは竹を木のように扱い、削ったり彫ったりすることで造形をするため、籠ではなく、アイスクリームスプーンやお箸、額縁、ハンガーなどを作っています。作るものに応じて真竹・孟宗竹の両方を使っており、竹ひごとは違い、表面の皮目や素材感がそのまま表れるため、よりシビアに竹を見極め厳選する必要があります。竹と向き合い、遊び心を持ちながら木工と竹細工、両方の技術と素材の特性を知る中村さんだからこそできるものづくりを続けています。
大分県のつくりて 全11社
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