「宝島染工」ってなんだろう?③ 作品としてではなく、商品として提供したい
「宝島染工展 −日常着の染−」を旧寺崎邸にて開催中です。
天然染料と手染めの技術に特化した染色加工を行っている宝島染工。不確定要素の多い天然染料と手染めでありながらも、中量生産できる体制を整え、継続して商品を届けられるような日用の染を実現しています。
「天然染料」ってなんだろう?
「中量生産」ってなんだろう?
そこへの「思い」ってなんだろう?
今回は、そんな宝島染工のものづくりについて、3部に分けてご紹介します。
第3回は宝島染工の「思い」について。「天然染料」での染めを「中量生産」で実現する背景について考えてみようと思います。
■ 作品としてではなく、商品として提供したい
宝島染工の代表 大籠さんは、草木染め作家の工房から、化学染料を使った商業用の染色工場まで、染めの世界を幅広く経験してきました。
天然染料ならではの美しさや面白さを、手の届かない作品としてではなく、現代の経済循環の中でも当たり前に選べる商品として提供したいという思いで、故郷の大木町三潴郡で宝島染工を立ち上げます。
化学染料が発明された19世紀半ばまで、世界には天然染料しかありませんでした。
化学染料と比べ、色落ちや日焼けがしやすいなどデメリットもありますが、経年変化を楽しみ、また染め重ねていくなど長く楽しめる素材でもあります。天然染料で染められた服たちが再びワードローブの中に入っていけるように、宝島染工は「日常着としての天然染め」を作り続けています。
※あくまでもうなぎの寝床が解釈する、つくりてのものづくりへの思いや思想です。
■「服」の枠を越えた染色表現
宝島染工は、服飾メーカーとしての枠を超え、木や紙の染色、アートや空間構成など、多様な形で染めを表現しています。
紙を藍で染色したインテリアモビール。
「幕間 まくあい」 旧八女郡役所 (2022/4/29~5/10)
衣服の展示販売形式のイベントの企画、及び空間演出
「宝島染工」ってなんだろう?