「宝島染工」ってなんだろう?① 「天然染料」を使った多様な表現

「宝島染工展 −日常着の染−」を旧寺崎邸にて開催中です。
天然染料と手染めの技術に特化した染色加工を行っている宝島染工。不確定要素の多い天然染料と手染めでありながらも、中量生産できる体制を整え、継続して商品を届けられるような日用の染を実現しています。

「天然染料」ってなんだろう?
「中量生産」ってなんだろう?
そこへの「思い」ってなんだろう?

今回は、そんな宝島染工のものづくりについて、3部に分けてご紹介します。

第1回は「天然染料」について。宝島染工の落ち着きのある自然な色合いには、身近なものから知らないものまで多種多様な天然染料がありました。

■ 自然からうまれる天然染料を使った、多様な表現

宝島染工は天然染料に特化した染め工房で、受注生産から自社商品までデザインや用途に応じて、さまざまな素材の染料を使用しています。

代表的な藍染には、主にマメ科の「インド藍」を使っています。国産の藍と比べると安価ながらも純度が高く、生産量が安定しています。一部商品には、手に届く価格帯での中量生産に耐えうるよう、化学藍とインド藍を半分ずつで染める「半建て」も取り入れています。

他にも、茶系に染まるミロバランやカテキュー、濃い赤色の蘇芳(すおう)、薄ピンクの西洋茜、カテキンで下染めし、地元・大木町の泥の鉄分で染め重ねる「泥染め」、煤(すす)と膠(にかわ)を練り合わせた墨を使った「墨染」など、さまざまな天然染料による多様な表現を可能にしています。

 

■「天然染料」による染色表現

うなぎの寝床が現在お取り扱いしている定番商品の中では、5種類の天然染料を使用しています。

・インド藍

キアイと呼ばれるマメ科コマツナギ属の植物の葉を収穫し、アルカリ水を加えて抽出、沈殿を繰り返し乾燥させた物を染料として使用しています。

▽宝島染工がインド藍を使用する理由
国産の藍(本藍)では、キアイと同じく、藍色の色素の元となる「インジカン」が含まれるタデアイ(タデ科)という植物の葉を発酵させて染料液を作り、染めていきます。
本藍の主な産地は徳島県ですが、原料のタデアイの生産量は年々減少しているのが現状です。宝島染工では、日常的に手の届く範囲の商品価格に対応するために、安定した収穫量があり純度が高いインド藍を使用しています。

 

・墨

松など油分の多い木と菜種油などの油脂を不完全燃焼させて得た煤(すす)と膠(にかわ:動物の骨や皮に含まれるゼラチン質状のもの)を練り合わせて作ったものです。
墨汁の濃度によって仕上がりをコントロールし、色の濃淡を表現します。

 

・泥

宝島染工の泥染めではカテキュー(アカネ科の木)で下染を行い、鉄分を多く含む福岡県大木町の泥で反応発色して定着させます。
カテキューに含まれるタンニン分と泥土に含まれる鉄分の反応によりタンニン鉄の茶に染まります。

 

・ミロバラン

インド・ビルマ原産。モモタマナ科の樹木で、実を染料として使用しています。
ピロガロールタンニンという色素を含みます。

 

・カテキュー

マレー半島 スマトラ、ボルネオ原産。アカネ科の小木で葉や若枝を染料として使用します。
カテコールタンニンという茶褐色の色素を含み、染色用途のほか阿仙薬(あせんやく)の名で漢方薬としても用いられます。タンニンを多く含むため、泥染めの下染としても使用しています。

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