谷川木工芸

谷川木工芸は、香川県三木町で1955年に「すし桶製造所」として創業し、現在３代目です。桶屋で修行した谷川正男さんが独立して創業しました。桶は短冊状の木片を円形に並べて外周をつくり、タガ（金属や竹製の輪）で締めて接着し、乾燥後に仕上げて底板を入れてつくる結物の木製容器です。木材が水分を吸収・放湿し、修理しながら長く使える容器として室町時代に全国へ普及しました。正男さんは主にすし桶を製造していましたが、２代目の雅則さんが風呂桶やおひつなど幅広い木製品も手掛け、2014年に社名を改めました。プラスチックなどの新しい素材が登場すると木製の容器に置き換わり、香川県内に10数件あった讃岐桶樽の製造者は現在2軒のみです。３代目代表の清さんは家族の反対を押し切り、会社勤めを辞めて30代で家業を継ぎました。木目の細かい吉野杉を使った昔ながらのすし桶のほか、電子レンジ対応の桶やおひつの弁当箱を開発し現代の生活で身近に使えるものづくりを行い、桶の魅力を伝えています。