G.F.G.S.

ニットファクトリーブランド/新潟県加茂市

新潟県加茂市の駅前商店街の中にある「G.F.G.S」は、完全受注生産のボーダーカットソーを作っています。加茂市は古くからニットをはじめ、繊維産業が盛んな地域で、代表の小柳雄一郎さんの両親は、加茂市で1964年から縫製業を営んでいました。小柳さんは会社勤めをしたのちハサミ職人として働いていましたが、世界規模の金融危機をきっかけに両親の営んでいた縫製業を廃業し新事業を立ち上げたのが「G.F.G.S」です。大量生産・大量消費の既存の流通や製造工程などのシステムを変えたいという思いでスタート。受注生産で1着1着生地の編み立てから作り上げるため、G.F.G.Sには在庫がありません。また、古くからニット産業が盛んな地元加茂にこだわり「商店街生産」と言えるほどの距離感で、自社工場と近隣の職人さんで協業して作っています。ボーダーカットソーに、新しいアイデアや厳選した素材、技術を落とし込み、誠意ある物つくりを続けています。

■ 歴史・土地性:織物の産地、加茂で日本のボーダーを作る 

G.F.G.S.がある新潟県加茂市とその周辺は、古くから綿織物・絹織物が盛んであり、明治時代には米に次ぐ重要産業でした。加茂市の隣にはニットファッションで知られる五泉地区もあり、経験豊富な職人たちがものづくりをしている土地柄です。G.F.G.S.代表の小柳雄一郎さんの実家は、もともと加茂市で50年以上縫製業を営んでいました。小柳さんは実家を継がず、生花バサミを作る職人として会社勤務をしていましたが、実家が廃業を考え始めたことをきっかけに、会社を引き継ぐことになりました。当初は、他社ブランドの製造のみをおこなっていた家業と、自身で創業したG.F.G.S.を兼業。家業を継ぐとはいえ、ゼロから始めるという心構えだったそうです。音楽やファッションが好きだった小柳さんは、日本のボーダーといえばここ!というブランドを自分の中で見つけられなかったことから、自分が納得できる着心地のボーダーシャツの製作に取り組んでいます。 

■ 素材・技術:こだわりの素材で、音楽のような特別な一着を 

G.F.G.S.の「オーダーボーダー」では、アメリカ・テキサス産のピュアオーガニックコットン100%の生地に、サイズ、着丈、ボーダーの幅、カラーの組み合わせなどを自由に選べる、ボーダーシャツの完全受注生産をおこなっています。小柳さんは受注を音楽に例え、服のボディであるコード進行はG.F.G.S.が作り、楽器のチョイスや曲のアレンジを依頼者に任せる、と表現します。素材であるテキサス産のコットンは、厚地にしても風合いがよく柔らかいことが特徴です。製作工程のほぼ全て(編み立て、整理、裁断、縫製、検品・出荷)を、オフィスであるDESIGN LAB.1、ファクトリーのDESIGN LAB.2、小柳さんのご実家である自宅兼工場という、近距離の3箇所でおこなっていることから、「商店街生産」と呼ばれています。編機にも「ROCK’N ROLL号」という名前がつけられ、製品と同じく愛着を持って扱われています。 

■ 思想:ボーダーシャツにとどまらない、A面とB面の活動 

G.F.G.S.は「Good Feel, Good Style.」の頭文字を取った社名です。そして「心が動くことを、私たちらしいやり方で。」と続きます。通常ならばセーターなどを編む機械でTシャツやロンTを編む、という業界の人からみると奇想天外なやり方や、編み物だからこそできる100%受注生産方式で「無駄に作らない」という取り組み、舞踊家やアーティストとのコラボなどをおこなっています。ものづくりの可能性がより広がるよう、ボーダーという限定したフィールドで何が表現できるのか?を突き詰め、楽しむことがG.F.G.S.のやり方です。さらにボーダーシャツ製作をレコードのA面に例え、プロダクトだけでは伝えきれない「ものづくり」やカルチャーの発信を、レコードのB面「SIDE-B」で取り組んでいます。G.F.G.S.はつくりてに留まらず、クリエーターであり、デザイナーであり、表現者として、ボーダーに向き合っています。 

※あくまでもうなぎの寝床が解釈する、つくりてのものづくりへの思いや思想です。 

新潟県のつくりて 全7社

新潟県燕市
ステンレス加工工場

一菱金属

一菱金属株式会社は金属洋食器の産地新潟県燕市で、1977年(昭和52年)創業のステンレス素材を中心とした金属加工メーカーです。燕市の金属製品の生産は古くより分業…

まかないボウル130
新潟県加茂市
ニットファクトリーブランド

G.F.G.S.

新潟県加茂市の駅前商店街の中にある「G.F.G.S」は、完全受注生産のボーダーカットソーを作っています。加茂市は古くからニットをはじめ、繊維産業が盛んな地域で、…

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新潟県燕市
ステンレスカトラリー

日本洋食器(佐藤商事)

日本洋食器株式会社は新潟県燕市にて1955年設立。洋食器と金属加工で有名な産地の技術で、カトラリーなどのテーブルウェア・キッチンウェアを生産しています。親会社に…

柳宗理 ステンレスケトル つや消し
新潟県燕市
ステンレスカトラリー

大泉物産

新潟県燕市でカトラリー製造やステンレス・建築金物加工などを行っている株式会社 大泉物産。創業者の大泉清作氏は、東京にて彫刻作家として活躍してましたが、戦争を機に…

ソルトスプーン
新潟県燕市
ステンレスカトラリー

高桑金属

高桑金属株式会社は、新潟県燕市で金属洋食器の製造販売として1961年に創業(1967年会社設立)。カトラリーをメインとしたステンレス製テーブルウェアのメーカーで…

no image
新潟県燕市
ステンレスカトラリー

サクライ

新潟県燕市。江戸時代の和釘鍛冶から時代の変化に柔軟に対応し、日本を代表する金属産業・洋食器の町へ発展しました。1946年創業の株式会社サクライは、その「ものづく…

ゼウス テーブルフォーク
新潟県燕市
燕三条金属商社

アイザワ

工房アイザワは、新潟県燕市で調理器具やテーブルウェアの企画・開発・デザインなどを行っています。1922年に刃物問屋である相澤保治商店を創業。その後、取り扱いを地…

純銅 玉子焼 15cm
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