ゆいまーる沖縄
ゆいまーる沖縄は1998年創業。沖縄の工芸品や食品等の企画・流通を行う地域商社です。「琉球を自立させたい」という思いから、創業者である故玉城幹夫氏が設立。玉城氏は集団就職先で沖縄に対する差別的な現状を目の当たりにしたことをきっかけに、沖縄の環境、基地、経済について改めて学びます。沖縄を自立させるための手段として企業経営という道を選び、沖縄で作られたものを流通させることによって自立を実現しようと志します。現在の代表である鈴木修司さんは、玉城氏の意志を受け継ぎ、琉球のもつ価値観や世界観が現代に果たす役割は大きいと考え、物を通してその背景にある沖縄の文化や精神性を伝えることを目指し、現代に合った形で発信・提案し続けています。工芸品の価値を高めるため、作り手も巻き込んだオリジナルブランドの開発にも取り組み、琉球の価値を高める活動を通して琉球の豊かさを提供し、伝統と文化を継承・発展させるために活動を続けています。
■ 歴史・土地性:アジア各国との交流で、独自の文化を形成した沖縄
沖縄の文化は、東南アジア、中国、韓国、日本、近年ではアメリカとの交易や交流を通して発展してきました。多様な歴史や風土が混ざり合い、互いに影響し合って、沖縄独自のアイデンティティを形成しているのです。特に工芸や食文化の成り立ちには、琉球王国やアジアとの交易、戦争の歴史や気候が関係しています。例えば、沖縄各地で造られるやちむん (焼物) は、約6600年前に作られた土器に始まり、15世紀には朝鮮、タイ、ベトナム、日本からの陶磁器の海上貿易の影響を受けました。そして薩摩から招いた朝鮮人陶工の指導によって、現在のやちむんの基礎を築かれたと言われています。また、琉球ガラスはもともと、無色透明の生活雑器ガラスでした。現在のカラフルな見た目は、第二次世界大戦後に統治のため駐留していたアメリカ軍の需要から生まれたものです。他にも、織物、琉球漆器、赤瓦、 黒糖、もずくといった、数々の名産が、沖縄の気候と自然によって支えられています。
■ 思想: Made in OKINAWAの価値を高めたい オリジナルブランドの開発も
ゆいまーる沖縄の社名は「相互の結びつき」や「助け合い」を意味する、沖縄の言葉に由来します。「工芸の島」とも呼ばれる琉球には、豊かな自然、伝統工芸品、食文化、各地域に根付く祭り、踊り、さらには自然や祖先を大切にする価値観や生き方があります。こうした琉球の宝について発信する事で、本当の豊かさを世界へ提供し、それを通して琉球の自立に寄与することが、ゆいまーる沖縄の目標です。創業者である玉城幹夫さんは、上京した際、沖縄県出身だということで家を借りられなかったり、居酒屋を立ち入り禁止にされるなど、差別を受けたそうです。同郷の仲間と、なぜこのような状況にあるのかを語り合う中で「沖縄が自立するためには経済を何とかしないといけない」と考えるようになりました。現在では、代表取締役社長・鈴木修司さんが故玉城幹夫さんの遺志を引き継ぎ、直営実店舗の展開やオリジナルブランドの開発など、Made in OKINAWAの価値を高める事業に取り組んでいます。
※あくまでもうなぎの寝床が解釈する、つくりてのものづくりへの思いや思想です。
参考文献:ゆいまーる沖縄公式HP、外務省 文化外交(海外広報・文化交流)「日本の多様性としての沖縄--歴史・文化の視点から」、kirari キラリと光る会社08 ゆいまーる沖縄 鈴木修司社長インタビュー、70seeds「由来は米軍のアレだった!? 戦後沖縄の「琉球ガラス」誕生秘話」、沖縄ツーリスト「琉球ガラス/匠工房 うるま市」、きなわ物語 沖縄観光情報WEBサイト「やちむんとは」
沖縄県のつくりて 全7社
沖縄では焼物のことを「やちむん」といい古くから作られていましたが、薩摩藩による琉球侵攻以後、薩摩が招いた朝鮮人陶工の指導によって現在のやちむんの基礎が築かれます…
沖縄県南風原町は、琉球王府時代から続く琉球絣や花織、琉球藍染などの手織り染織織物の産地です。糸を浮かせて文様を表す花織や、花織と絣を組合せた織物、キツネノマゴ科…
新垣瓦工場
新垣瓦工場は1951年(昭和26年)に沖縄県与那原町で創業。与那原町では良質のクチャ(琉球海泥灰岩)が採れ、伝統的な赤瓦が作られてきました。企画営業担当の新垣拓…
マルタ工芸
沖縄県石垣島で、八重山の旧盆行事に欠かせないアンガマのお面を作り続けるマルタ工芸。アンガマは石垣地方に伝わる伝統行事で、祖先を表すといわれる「ウシュマイ(老人)…
ゆいまーる沖縄
ゆいまーる沖縄は1998年創業。沖縄の工芸品や食品等の企画・流通を行う地域商社です。「琉球を自立させたい」という思いから、創業者である故玉城幹夫氏が設立。玉城氏…
NUNUSAAA
NUNUSAAA(ぬぬさあ)は、沖縄県南風原地区の伝統工芸である琉球かすり・南風原花織を継承する職人達によって2017年に結成されました。丸正織物工房の大城浩司…
le cocon
仏語で繭という意味の「le cocon」は、2014年に沖縄県那覇市の施設で生まれた福祉プロジェクトです。牛乳などの飲料パックからバッグや小物などを福祉との協働…