わら細工たくぼ
(藁細工/宮崎県・日之影町)
わら細工たくぼは宮崎県の山間部にある日之影町に工房を構え、しめ縄などのわら細工を作っています。この地域は高千穂郷と呼ばれ、日之影町は日本神話で知られる高千穂町に隣接しています。高千穂郷では一年を通してしめ縄を玄関に飾る習慣があります。1953年(昭和28年)に代表の甲斐陽一郎さんの祖父が副業としてしめ縄作りを始め、2014年(平成26年)甲斐さんが専業としてわら細工たくぼを立ち上げました。わら細工作りは甲斐さんの家族などスタッフ数名で行ない、材料となる稲も自ら育てています。急斜面にある田んぼには数種類の苗が植えられ、中には米の収穫は行なわず始めからわら細工の材料として育てている品種もあります。元来農家の閑散期の副業であったわら細工は時代とともに減り続けていますが、高千穂という土地に根ざし、わら細工という工芸品を伝えていきたいという思いから、装飾品から実用品までさまざまなわら細工を作っています。