【新商品】 新見本工場×うなぎの寝床 ウールTシャツ
夏こそウール!
毛織物産地「尾州」とのコラボTシャツ
愛知県一宮市の大鹿株式会社が運営する産地の洋服店「新見本工場」とコラボしたウールニットTシャツが新登場しました!
冬に暖かく過ごせるイメージのあるウール製品ですが、実は「汗ジミ・汗冷え・汗臭さ」を抑え、夏も快適に過ごせる特性を持っています。1年を通じて着用いただけることに加え、「ウォッシャブル加工」が施されているためご家庭でもお洗濯が可能です。
素材には繊維直径が0.0185mmと非常に細い「メリノウール」を使用し、ハイゲージの編機で目を細かく編み上げています。滑らかな肌触りで肌着として着ていただけます。また、天竺編地の表目をあえて裏側として使用することで、より滑らかな表目が肌に当たり、気持ち良く着る事が出来ます。
形は「久留米絣Tシャツ」と同じ型を使用しています。身幅が広くゆったりとしたシルエット。ハイゲージニットの滑らかなドレープ感もあります。1サイズ展開で男女問わずどなたでもご着用いただけます。
1サイズ展開で男女問わずどなたでもご着用いただけます。
左:170cm / 右:158cm
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ウールが「夏も快適」なのはどうして?
ウールは「汗ジミ・汗冷え・汗臭さ」を抑える
どうしてウールが「夏も快適」なのか?結論から言えば、ウールには「汗ジミ・汗冷え・汗臭さ」を抑え、夏も涼しく快適に過ごすことができる特性があるからです。
ウールは「最も吸湿性が高い繊維」とも言われ、体温が上昇した際に体から放出される水蒸気をたくさん吸収してくれます。肌と服の間で生じる熱気・蒸れを抑え、汗をかきにくくしてくれます。それでも汗をかいたとき、繊維が水分を吸収し、素早く発散してくれるため、上記のような夏場の悩みにも効果的に働きかけてくれます。
こうした特性から、登山などのアウトドアで着る衣類(セーター、肌着、靴下など)では、昔からウール素材が季節問わずに重宝されてきたそうです。
ウールの不思議「閉じて開いて、モードチェンジ!」
画像提供:新見本工場
それではどうしてウールが「吸湿性・速乾性」に優れているのでしょうか?その秘密はウールの繊維構造にあります。ウールの繊維を顕微鏡でみてみると、ひとつひとつの繊維が「スケール」と呼ばれる鱗で覆われています。このスケールの働きによってウールの特性が生まれます。
① 水は弾き、湿気は吸う
スケールは3層構造で構成され、外側は「水を弾く性質」があります。その一方、スケール同士の隙間には水が通ることのできない小さな隙間があります。水蒸気のような小さな粒子はその隙間を通ることができるため、湿気を繊維内に吸収することができます。
② スケールが開いて水も吸う
スケールの外側は水を弾く性質がある一方、内側の2層は「水を吸収する性質」を持っています。スケールの隙間から水蒸気を吸収すると、内部が膨張して閉じていたスケールが開きます。そうすることで隙間が広がり、繊維が水も吸うように「モードチェンジ」するのです。
③ スケールが開いたら発散する
スケールが開いたことで繊維の表面積が大きくなり、素早く水分を蒸発させることができます。発散し終えると、再びスケールが閉じて①の状態に戻ります。
ウールの特性について詳しくはこちら↓
【ウールMONPE】 「羊さんの毛」はすぐれもの
「ウォッシャブル加工」でお手入れラクラク
糸の状態で特殊なウォッシャブル加工(防縮加工)を施しています。一般的なウォッシャブル加工(薬剤で生地表面をコーティングする方法)に比べ、メリノウールが持つ機能性を多く残しつつ繊維同士の絡み合いを防ぎ、生地が縮みにくいのが特徴です。
ご家庭でも手洗い可能なため、ウール製品のお手入れに自信がない方でも気軽に着て楽しんで頂けます。
ウールTシャツ お手入れ方法
画像提供:新見本工場
①洗剤液をつくる
洗面台にぬるま湯(40℃程度)をためながら洗剤を入れ、泡立てた状態にします。
※中性洗剤、またはおしゃれ着洗剤を推奨します。
②吸水させる
①の洗剤液につけ、繊維の奥までゆっくりと染み込ませます。
③洗う
洗剤液が浸透したら、指先で軽く2~3分押し洗いをします。
※激しくもみ洗いするとウールが縮んでしまいます。
④すすぐ
①〜③の工程を洗剤を入れずに行い、服をすすぎます。
※基本すすぎは1回ですが、洗剤が残る場合は2〜3回行ってください。
⑤脱水する
洗濯機で1分程度脱水します。
※生地の厚さによって脱水時間は異なります。脱水しすぎないことで縮みを防ぎ、シワも取れやすくなります。
⑥形を整えて陰干しする
生地の縦方向と横方向にゆっくりしっかり伸ばします。型崩れを防ぐために、太めのハンガーで陰干ししてくだい。
毛織物産地「尾州」
一級河川である木曽川の水に恵まれたこの産地は、綿花や桑(蚕の餌)の生産に適した土壌があり、染色や仕上げに適した軟水の豊かな水に恵まれて綿織物や絹織物などが行われ、古くは奈良時代のころから繊維産業を軸に発展してきました。毛織物への転換のきっかけは、第一次世界大戦時。軍服を作るための毛織物需要が高まる中、海外から毛織物が輸入されなくなり、尾州地域がウールを扱うのに適した湿度と木曽川の水質が染色や仕上げ整理に適していたこともあり、尾州産地で毛織物が生産されるようになりました。
尾州の繊維産地としての最大の特徴は、糸から織物になるまでの全ての工程が地域の中で行われ、分業の協業体制が確立されていることです。それぞれの工程を専門で行う企業が集結しており、専門で行っているからこそ様々な工程ごとに技術力が磨かれ、その技術力の高さを産地内で保有しています。高い技術力が集まり協業体制が整っていることで、産地全体がひとつの工場のようにものづくりが行われています。
尾州産地で加工して作られたウール生地は高品質で高性能な毛織物として、世界でも有数なものとなっており、イタリアのビエラ、イギリスのハダーズフィールドと並び世界三大毛織物産地となっています。
<関連コラム>
・【ウールMONPE】 毛織物産地・尾州で息づく「再生羊毛」
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尾州を伝える、尾州の人たち
新見本工場を運営する大鹿株式会社は、愛知県一宮市で1922年に創業。軍服生地の生産から紳士服地専門問屋、紳士向け既製服の製造・販売を経て、現在は毛織物産地の技術を用いて細部までこだわり抜いたコート「blanket」や再生ウール「毛七」など、尾州産地のものづくりの歴史・背景を強みとしたオリジナル商品の開発にも取り組んでいます。
大鹿株式会社の彦坂雄大さんは、衰退しつつある尾州産地をなんとかしたいという思いで、産地内の繊維企業に勤める社員の有志で尾州の楽しさを発信する「尾州のカレント」を結成します。分業された業界内の枠を飛び越え、機織り職人、修整職人、デザイナー、広報など、さまざまなバックボーンを持つメンバーが個性を活かし合って産地を伝える取り組みをしています。また、尾州のいいものを産地で手に取れる直営店「新見本工場」を運営するなど、尾州産地を未来へ繋いでいくために、より多くの人々に伝える活動を行っています。
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【産地訪問 尾州②】 産地を伝える人々