「織」で楽しむ久留米絣 [風合いの多様性と可能性]

10年越しの久留米絣定番MONPEリニューアル!
初心に帰って久留米絣の魅力を深掘るコラムシリーズ(全5編-5)

久留米絣のアイデンティティは「柄」だけじゃない
シャトル織機だから生まれる「柔らかな風合い」

「柄」で楽しむ久留米絣① キホン編でご紹介したように、うなぎの寝床では久留米絣に大きく分けて2つの特徴があると考えています。

1つは「柄や模様」の作り方(詳しくは『「柄」で楽しむ久留米絣① キホン編』へ)。

もう一つは「生地の風合い」です。60年以上前の昔ながらのシャトル織機を使用し、ゆっくり織られることで、糸に必要以上の負荷がかからず、やわらかく風合いのある生地を織り上げることができます。

うなぎの寝床のMONPEのはじまりは、実はこの久留米絣の風合いがきっかけにあります。代表 白水が最初に久留米絣のもんぺを穿き始め、「なんだか気持ちがいいなぁ」となり、これは現代のワークパンツとして取り入れられるんじゃないか?と考えたことからはじまりました。

通気性のよいやわらかな着心地の久留米絣ですが、実はそのほかにも多種多様な風合いの生地を、様々な織元さんで手がけられています。うなぎの寝床の久留米絣MONPEでも「ベーシック・厚地・綿モール・チノタイプ」と、久留米絣の中でも風合いのバリエーションが増え、今回さらに涼しい着心地の「久留米絣ちぢみ」も仲間入りしました。

この久留米絣の風合いの多様性から、産地の可能性や、うなぎの寝床としての役割などを考えてみようと思います。

 

「シンプルな織物」に秘められた∞の可能性

綾織、繻子織、ジャガード、などなど…織物にも様々な種類がありますが、久留米絣は「平織り*」という最も基本的な構造(組織)でできています。また、素材の面でも「綿」を使用するなど、織組織としては特別な特徴はあまりなく、ある意味「ふつう」とも言えるかもしれません。

しかし、シンプルな構造・素材の中でも、糸の太さや織の密度、たて糸を張るテンションなどを変化させることで多種多様な風合いをつくることができます。例えば、「チノタイプ」では久留米絣の柔らかな風合いを残しつつ、しっかりとしたハリ感のある生地を表現するために糸を太くし密度を高く織りあげています。「綿モール」では、肌寒い季節にも着やすい生地を表現するために、毛羽のあるモール糸を緯糸に使用してフワッとした風合いをつくっています。

どんな風合いを目指すのか。どう実現するのか。様々な織元さんがこの風合いを探究し続けています。シンプルな織物のすごく細かな部分に、無限の可能性が秘められているのです。

*平織り(英:Plain weave / プレーン・ウィーヴ)
経糸1本と緯糸1本を交互に交差させて織る手法。様々にある織り方の種類の中では一番簡単な織り方とされる。

詳しくはこちら↓
織のあるネイティブスケープ【1】 平織り・綾織り・朱子織りって何だろう?(2022. 6)

 

さらっと涼しい〜!久留米絣ちぢみ
秘密は「糸のテンション」にあり

今回仲間入りしたFarmers’ MONPE 久留米絣ちぢみは、「ちぢみ」と呼ばれる織り方の生地を使用しています。通常の久留米絣と比べ生地に凹凸があり、汗をかいてもべたつきにくく、さらりとした清涼感のある風合いが特徴です。

どうして平織の生地に凹凸を生み出せるのか?その秘密は「糸のテンション」にあります。

通常の久留米絣ではたて糸とよこ糸をそれぞれ同じテンション(糸の張りの強さ)で織られますが、ちぢみ織りではテンションが異なる2種のたて糸を織機に設置しています。たて糸を張った状態(仮に100%とします)と、少しテンションを緩めた(70%程度)のたて糸を交互に配列。テンションを変えることで生まれる「緩みと張りの差」が生地の凹凸となり、シャリ感のある風合いを表現しています。

生地制作:野口織物

Farmers’ MONPE 久留米絣ちぢみの商品一覧はこちら

 

日常にピッタリな「風合い」を見つけてもらうために
久留米絣の風合いの多様性

家、散歩、オフィスワーク、日曜大工 etc…一言に「日常」といっても、そのシーンやライフスタイル、感じ方や好みは十人十色です。 MONPEは素肌に当たる部分。だからこそ、自分にとってピッタリな風合いを見つけてもらえたらと思い、久留米絣でも様々な風合いの生地でMONPEを展開しています。

久留米絣は「軽く、涼しく、柔らかい」風合いの生地として親しんで頂ける機会も増えてきましたが、それだけに限らず、久留米絣の各織元では 「織り」の風合いの可能性を日々模索されています。 こうした風合いの多様性を楽しめるのは、久留米絣産地としての魅力の一つであると私たちは考えています。

様々な生地の中から、自分に合う風合いを見つけてもらうために。また、産地で取り組まれている風合いの探求とその多様性を伝えるために。うなぎの寝床では、まだまだ伝えきれていない久留米絣の魅力をひとつひとつ伝え続けていきたいと思います。

Farmers’ MONPE 久留米絣ちぢみの商品一覧はこちら
MONPE 無地(ベーシック・厚地)の商品一覧はこちら
MONPE 綿モールの商品一覧はこちら
MONPE チノタイプの商品一覧はこちら

スタッフ着用 左から
Farmers’ MONPE 久留米絣ちぢみ ターコイズ
Farmers’ MONPE 久留米絣ちぢみ グレー
Farmers’ MONPE 久留米絣ちぢみ オレンジ
Farmers’ MONPE 久留米絣ちぢみ パープル
Farmers’ MONPE 久留米絣ちぢみ ネイビー

読み込み中…