【産地としての八女】資源と技術をつなぐ八女での取組み - みつろう編 -
山と森に囲まれる八女
販売と共に考える、うなぎの寝床の活動。
うなぎの寝床が拠点を置く福岡県八女市。星野村、矢部村、上陽町、黒木町などの近隣町村と合併した結果、総面積は福岡県内2位になり、その面積の6割以上は森林です。そんな自然あふれる環境で、うなぎの寝床は店舗での販売をしながら、八女産地に密着した活動も行い、産地の現状を近くで見て肌で感じながら、今できることは何かを考えています。
八女といえば八女茶、だけではない。
「はちみつ」もある!
八女市にはお茶を始め、いちごやミカンなど、地域に根付いた様々な農産物が生産されていますが、はちみつもそのひとつです。福岡県南部地域ではミツバチを育て、はちみつを採取する養蜂業が昔から盛んで、八女市内には現在も9件の養蜂場があります。今回は八女福島仏壇組合と一緒に行っている「ブツマプロジェクト」の活動のなかで、八女でミカンや樹木系のはちみつをつくり、その副産物である「みつろう」も生産・販売されている下川養蜂場さんを訪問し、養蜂業について教えていただきました。
ミツバチの巣からつくられる「みつろう」
天然の木材用ワックスや化粧品に最適。
八女市立花町にある下川養蜂場さんは、代表の下川恭史さんの祖父がミツバチをもらってきたことから、染物屋の副業として養蜂業をはじめました。現在はミツバチを育ててはちみつを収集・販売するほか、ミツバチの巣からつくられる「みつろう」も販売しています。
「みつろう」は、形が不揃いで蜂箱をきれいに保てない不要なハチの巣(業界ではムダ巣と呼ばれているそうです!)を溶かしてつくられます。現在はリップクリームなどの化粧品に使われるほか、無垢の木材を保護するための天然のワックスとしても用いられますが、下川さんのおじいさんの時代には大砲の潤滑油として使われていたそうです。
八女の自然と八女の技術がつまった柱式仏壇「一尊」をアクロス福岡で展示中
今回の「ブツマプロジェクト」では、八女でつくられた「みつろう」を「八女杉」にワックス材として2度塗りした柱式仏壇「一尊」を、八女福島仏壇の職人たちの技術を盛り込んで製作しました。現在、アクロス福岡の2階「匠ギャラリー2」で、1/29まで展示しています。八女の原料と技術がつまった仏壇を一目見ていただけると嬉しいです。
ブツマプロジェクト シーズン2「ブⅡ」展
会期:2024年1月24日(水)-1月29日(月)
営業時間:10:00-19:00
会場:アクロス福岡 匠ギャラリー2F『ギャラリー2』
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