九州と地域文化【1】 ~「住」=住むこと、暮らすこと~

九州の「地域文化」を研究する前に

「地域文化って何だろう?研究会」の新人研究員となった私(研究員U)。
九州という地域に焦点を絞って、地域文化を考えて(研究して)みる前に、九州のことで一般的にわかっていること、知っていることを記していこうと思います。

例えば「住」
住むこと、暮らすことの中にある九州らしさ、九州の特徴はあるのでしょうか。

 

九州の気候と風土

出身は北海道、ながらく関東地域で暮らしてきて、九州に移住してきたばかりの研究員Uの見地から、九州地域は、日本全国の平均と比べると、梅雨の時期が長く、年間を通して台風が多く通過する場所とみています。生活環境下においては、梅雨時期は湿度が高く、夏場は日差しが強いという特徴があります。日本の南に位置しているため、朝日が昇るのは遅く、夕日が沈むのは遅いのだ(北海道、関東地域の暮らしたことのある場所と比較してみて)ということもわかりました。

ここ数年、火山活動が活発な山々が点在していることも(鹿児島県の桜島、宮崎・鹿児島県境にある霧島山、熊本県の阿蘇山など)、九州ならではの環境だと思って暮らしています。

 

杉やヒノキが多く、種類豊富な竹が生息する地域

人々の暮らしの中に密接にかかわっている、木や竹という素材。
福岡県筑後のあたりは杉やヒノキ、九州全域においてはクスノキが広く分布していたことから、大分県日田市や福岡県大川市のように「家具のまち」として知られる地域がうまれたり、筑後一帯では、古くから楮(こうぞ)の木を使った手すきの和紙が盛んにつくられてきたという歴史があることも知りました。

また、九州各地には竹林も多く分布しており、大分県や熊本県を中心に、何百通りもの竹細工技法が受け継がれており、生活に密接に結びつく竹細工製品が多く生まれてきたようです。

私が生まれ育った北海道で考えてみると、竹はもともと育たない土地であること、九州で見かけない幹が白い「シラカバ」や様々な松の木(トドマツ、エゾマツなど)をよく見かけていたことが思い出されます。木を使った身近なものであれば、カトラリーやお皿、トレーだけではなく、アイヌの伝統文化を少し感じる熊や二ポポ(アイヌのこけし)を模した木彫りの置物などは、祖父母の家のどこかにふと置かれていたりと、その地域の文化を感じるものだったのかもしれません。

 

豊富な水源と水質の良さ

人の生活にかかせない水の存在も無視できません。
私が現在暮らしている北部九州から見てみると、梅雨や台風などによってもたらされた雨が、木々や竹などをすくすくと成長させ、それらを使って、木製品・竹細工・和紙などの様々なものづくりが始まったようです。そこでつくられたものを運ぶため、九州4県にまたがっている有明海や筑後川を通じた交通や交流も盛んになり、地域の文化が徐々につくられていった、という過去から今につながる歴史も知りました。

この一連の流れは、豊かで良質な水によって結びつけられてきたストーリー、そして文化なのかもしれないと、研究員Uは考えています。

「地域文化の発展は水が鍵になるのか?」と想像してみると…。
場所は違えど、日本海を北上して北海道にやってきた「北前船」がもたらした経済や文化の発展を考えずにはいられないな、と思いました。

 


こんな手がかりや考え方を参考にしていただき、九州地域では、どんなひとたちが、どんな手法で、どんなものを生み出して、身の回りの暮らしを作り整えて生きてきたのか、一緒に考えて(研究して)みませんか?
そしてみなさんが今暮らしている(もしくは、過去に暮らしていた)地域との違いを見出して、あらためてその土地の良さや独自性に触れていきませんか?

 

– 九州と地域文化 –

【2】「食」=食べること、食卓を囲むこと