【作り手訪問】竹の油抜き見学。竹細工の石田さんと長岡さん。
【作り手訪問】竹の油抜き見学。竹細工の石田さんと長岡さん。
先日、竹細工を作られている石田さん長岡さんが竹の油抜きをするとのことだったので、うなぎーずも見学しに行ってきました。
油抜きとは、伐採した青竹から余分な水分や油分を除去する作業のことで、これをすることによって竹の表面が白くツヤが出てきれいになり、竹のもちが良くなるのだそう。油抜きには、熱湯で竹を煮込んで油分を取る方法と、竹を直接火であぶって油をにじみ出させる方法があるそうですが、石田さんと長岡さんは熱湯で油分を取る方法でされていました。
油抜きの行程は、竹が完全に浸かるくらいの水に炭酸ソーダを入れて沸騰させ、竹を入れて15〜20分くらい煮出します。それから竹を取り出し、表面に浮き出た油分をタオルで拭き取って乾燥させ、天日干し(日照時間にもよりますがだいたい1週間〜1ヶ月くらい)します。雨にあたると台無しなので、干している時期は毎日天気予報とにらめっこだと長岡さんは笑っていました。早朝から、冷え込みの厳しい山道をちょっと登ったところで作業されていたのですが、なぜこの時期なのか聞くと、水分や栄養分がスカスカになっている冬の時期に切った竹の方がカビにくいし虫もきにくいのだそうです。
ただぼーっと眺めているのもなんだか勿体無いので、うなぎーずも代わりばんこでお手伝いさせてもらいました。煮出した竹を取り出して素早く油分を拭き取り、傍に並べていきます。石田さんや長岡さんの慣れた手つきに比べると私はだいぶへっぴり腰でしたが、、、ひたすら拭き拭き。横でぐらぐら煮え立つ竹の匂いがすごく美味しそうで、みんなでお腹すいた〜と言いながら作業するのがほのぼのして楽しかったです。
お二人は油抜きだけでなく、竹林を探して竹を切るところから全て自分達でされています。以前は大分県の別府に油抜きまでされた竹を売っているところがあるのでそこから買っていたそうなのですが、竹細工の職人がそこに集中するので良い材がなかなか手に入りにくいことと、もし何らかの理由で買えなくなった時に自分達でも材料を調達できるように、とのことで3年くらい前から自分達でもされるようになったのだとか。良い材料が手に入るなら買ったものでも問題はないし、丈の長いものが必要な時は今でも買ったものを使われているそうですが、最初から自分達ですることによって、竹の良し悪しや適材適所(竹のどの部分をどこにどう使ったら一番良いか)が分かるようになって良かったと言われていました。
こういう作り手さんの作る工程を見せてもらったり体験させてもらったりして、ものづくりがどういう工程で成り立っているのか知るたびに、自分が今までどれだけ物や作り手に対して無知(というか無関心)だったかを痛感するのですが、世の中にあるほとんどの物はこういう部分が知られないまま物だけのやり取りになっているのが、やっぱりとても勿体無いなと思いました。長岡さんは、その物を選ぶ基準は人それぞれだから、例えば可愛いという理由だけで買ってもらっても全然構わないけれど、ただ、誰かが良いと言っているからとかじゃなく本当に自分で考えて自分が欲しいと思った物を買ってほしい、と言われていました。なので私は、いろんな人が物を選ぶ基準の一つに、そういう作り手さんの思いも入ってほしいし、それを伝えられるようにお店で接客したいなと、改めて思いました。廣川
ー商品情報ー
商品名:竹籠、お弁当籠など
作り手:石田淳、長岡由記(福岡県八女市)
通販:http://shop.unagino-nedoko.net/…
ー 企画展情報 ー
『沖縄・ちくご ものづくり比較展』
日程: 2017年11月16日(木)〜12月4日(月)
休み:火曜日、水曜日
場所:旧寺崎邸(facebook→https://www.facebook.com/terasakitei/)
主催 株式会社 うなぎの寝床