【商品紹介・作り手訪問】松延工芸さんのつくる桶
【商品紹介・作り手訪問】松延工芸さんのつくる桶
福岡県八女市に九州で1軒だけの創業90年をこえる手づくり専門桶屋「松延工芸」があります。今回はうなぎメンバーが桶についての知識を深めるべく工房に伺いました。朝早くにもかかわらず暖かく出迎えてくださった松延さんご夫婦。早速、桶の歴史についてお話ししてくださいました。遡ること平安時代、その頃は曲げ桶(曲げわっぱ)が主流で使われていました。しかし強度が弱く大きな木製容器は作れないのが弱点で、のちに中国から輸入された桶に影響を受け誕生したのが結桶(ゆいおけ)です。結とは竹など、らせん状に編んで束ねたタガ(輪)のことを指します。現在ではステンレスや銅のタガが多く竹をらせん状に編める職人さんの数も減少しています。続いて実際に桶づくりに欠かすことのできない道具の使い方と桶ができるまでの工程を教えて頂きました。
1.木取り(きどり)…木材を適当なサイズにカット。
2.かんな掛け…木材を桶の外側・内側を専用かんなで削る
3.正直(しょうじき)突き…桶の継ぎ目となる部分を正直台で削り(勾配をつける)「かま」と呼ばれる専用定規を使用し継ぎ目を合わせる。
4.組み立て…木材を丸い桶になるように並べていき、継ぎ目を接着させ仮のタガで固定し、2〜3日乾かす。
5.かんな仕上げ…かんなで内側・外側を削り凸凹がなくなるまで丁寧に仕上げていく。仕上げ後溝を削り底板を削る。
6.竹タガを作る…編み方には組み輪と練り輪がある。
7.タガ・底入れ…編んで出来上がった竹タガをはめ、底を入れて最後に竹タガを叩いて締めていき完成。
この桶づくりの中で特に「桶屋のいのち」ともいえる「正直突き」の工程は松延さんの熟練した技を感じました。一枚一枚の板幅は均等ではない為職人の目と手の感覚、長年蓄積してきた勘で板に勾配をつけ継ぎ目を合わせていくのです。この技術を修得するのに10年はかかるそうですが十分納得できます。松延さんのつくる桶は寿司桶、おひつをはじめ風呂桶や風呂椅子等があります。日常の様々な場面で使える桶づくりを目指され桶の魅力を熱く語られていたご夫婦がとても印象的でした。ぜひご家庭で松延工芸さんがつくる粋な桶を使ってみてください。田中
ー商品情報ー
商品名:寿司桶
作り手:松延工芸(福岡県八女市)
通販:http://shop.unagino-nedoko.net/?mode=grp&gid=632943&sort=n