【雑感にょろり】オランダの美術館で久留米絣、展示中。Opening Traditions @ Van Abbemuseum
【雑感にょろり】オランダの美術館で久留米絣、展示中。Opening Traditions @ Van Abbemuseum
プロセスを大切にするデザインの姿勢。オランダのデザインと日本の工芸を出会わせる実験。
オランダへ行って帰ってきました、渡邊です。今回はオランダ大使館のご厚意で、オランダのデザインや工芸の現状を視察するプログラムを組んでいただき、非常に参考になる視察となりました。
中でも、Eindhoven市内の100カ所で、2500人以上のデザイナーの作品を展示している、ダッチデザインウィーク(http://www.ddw.nl/en/event/508)では、今回うなぎの寝床が共同制作した久留米絣のプロジェクトが展示されるということで、出発直前まで準備でバタバタ。出発日当日に展示用の布を下川織物さんで引き取り、展示で放映する動画の編集も続行するなど、かなりギリギリの戦いをくぐり抜けて、展示に漕ぎ着けることができました。
ダッチデザインウィークが開催されているEindhoven(アイントホーフェン市)は、アムステルダムから1時間半ほどの工業都市で、電機・家電メーカーPHILIPS(フィリップス)創業の地でもあります。そのPHILIPSの元社屋を学び舎とする、デザインアカデミー(Design Academy Eindhoven)は、デザイン・アート・建築を複合的に教えるオランダの教育機関で、その先生たちや卒業生がダッチデザインを牽引し、世界的にも注目を集めているそうです。
今回、久留米絣プロジェクトを一緒に制作した、デザイナーのニルズとエミリと篠田さんの3人も、デザインアカデミーの卒業生。コンセプトやプロセスを大切にする姿勢や、色の感覚、文化的背景など、3人のバックグラウンドをより理解することができて、とても良かったです。それと同時に、オランダにはイノベーションを創出できる「思考」が豊富にある反面、実際の工芸技術が70〜80年代に衰退してしまっていることも分かり、改めて日本の工芸技術の存在意義と可能性を感じることもできました。
伝統の1ページを開く。久留米絣の生き残りの可能性を探る。
今回の絣のプロジェクト、彼らが「Opening Traditions」という、とても良いプロジェクト名を付けてくれました。いろいろな解釈があるかとは思います。文字通り「伝統を開く」という意味もありますし、「オープニング=始まり」という意味もあります。96メートルにも及ぶ、今回の展示作品を本に例えていた彼らが、久留米絣の技術と歴史のページを、一枚めくるようなイメージにも繋がっている気がします。
素晴らしいものづくりの技術が残って欲しい、という思いを持つ人々は多くいます。ただ、その思いだけでは、作り手の方々もやっていけません。日々の仕事が生活の糧としてしっかり換算され、現代において価値として認められてこそ、生き残っていけるのです。今回の訪問は、アートやデザインとのコラボが、日本の伝統工芸の技術の革新や、表現の更新ができる可能性を秘めているということを、再認識することができてとても有意義でした。
私たちもこのチャンスをしっかりと次につなげるべく、作品のプロダクト化に向けて、エミリたちとじっくりミーティングをしてきました。もんぺや服も作る予定にしていますので、是非お楽しみに。今回のオランダ視察の他の内容も、また共有したいと思いますので、引き続きご覧くださいね!渡邊
◉Opening Traditions @ Van Abbemuseum
2016.10.22-30 11:00-18:00
http://bit.ly/2eLYBtq
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
【うなぎの寝床 HP】
九州ちくごのものづくりを伝える
【うなぎの寝床 通信販売】
全国へ物を届けることができる受け皿
http://shop.unagino-nedoko.net
【MONPE】
久留米絣もんぺのメーカーとして
http://monpe.info
【久留米絣もんぺ通販】
この着心地をぜひ体感して欲しい
http://bit.ly/1bLYM5p
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –