【雑感にょろり】捨てる神あれば拾う神あり 波佐見焼マルヒロ
【雑感にょろり】捨てる神あれば拾う神あり 波佐見焼マルヒロ
知られざる焼き物の大産地、波佐見。日常食器、全国シェア20%。
九州といえば、有田焼、伊万里焼、唐津焼・・・などの陶磁器が思い浮かぶ方が多いかもしれません。”Arita・Imari”などは世界的にも名が知られています。しかし江戸時代から庶民向けに大量に日用品の磁器を作っていた波佐見焼の存在はあまり知られていません。160mにも及んだという巨大な連房式登窯と、町全体における分業制の発達によって、他産地に比べて安価に大量に生産することが可能になったのです。厚めの生地で普段使いに使い倒せるのが特徴で、現在でも日常食器の全国シェア20%を生産しています。
「捨てられたモノたち」に脚光を。マルヒロさんのスタート。
そんな波佐見焼メーカーの一つ、マルヒロさん。代表の馬場匡平さんはヒゲもじゃもじゃの素晴らしいキャラの方ですが、最近はフィンランドの客人と一緒に産地を案内していただいたり、オランダとの国際会議に参加してもらったり、何かとお世話になっています。馬場匡平さんさんはマルヒロの3代目。波佐見焼にはA品、B品、そしてB品以下の捨てられる焼き物もあるそうですが、初代のお祖父さんはそれらの「捨てられた焼き物」に付加価値を与え、露天商として安く売りさばくことで商売を始められたそうです。
死に生地を再利用。余分なものは「ゴミ」か「財産」か。
その精神は今でも孫の匡平さんに引き継がれています。マルヒロさんの本社の隣にあるフラッグシップ店の床は、窯元の倉庫に眠っていた、死に生地と言われる「売ることもできない」2万5000点の器やマグにコンクリートを詰めて出来上がっています。久留米絣などの織物も、和服であればほぼ無駄なく1反の生地を全て使い切ることができますが、現代の洋服は必ずハギレが出てきてしまいます。そのように生産の過程で必ず出てしまう余分なものを、「ゴミ」と思うか「財産」と思うか。作り手と生産工程を思えば、すべての生産物にすでに「価値」が生まれているのだと思います。それをどう使っていくかが知恵の使いどころです。渡邊
【有限会社マルヒロ・磁器】
・通販:http://bit.ly/1TBFoqp
・フラッグシップ店
住所: 佐賀県西松浦郡有田町戸矢乙775-7
営業時間: 10:00~17:00
定休日: 毎週水曜, 第3土・日曜
URL: http://www.hasamiyaki.jp/shop/retail/
設計: 関祐介さん(http://yusukeseki.com/works/maruhiro-hasamiceramics/)
【久留米絣のハギレ】
通販:http://bit.ly/1VVfHrc