【雑感にょろり】龍になりたい 鯉のぼり
【雑感にょろり】龍になりたい 鯉のぼり
泳ぐ鯉のぼり。都会育ちには巨大に見える。
本日、5月5日は「こどもの日」。この季節に八女をドライブしていると、あちこちで大きくて立派な鯉たちが、空を泳いでいる姿を目にします。巨大鯉のぼり(といってもこちらでは普通なのでしょうが)と、そのお家の男の子の名前が書かれた立派な幟(のぼり)は、都会育ちの私の目にはとても新鮮に写り、いつもなんだか感激してしまいます。先日伺ったインタビューに伺った野村織物さん(http://bit.ly/1PKv3g4)のところにも、もうすぐ1歳になるという息子さんのために立派な鯉のぼりが飾ってあり、4世代に渡って家業をつないできた、ご家族の皆さんの思いが伝わってくるようでした。
登竜門が語源。魚が龍になるように、到達すべき場所へ。
そんな鯉のぼりですが、もともとは「登竜門」という中国の故事から来ています。簡単にいえば、滝を登りきった魚が龍になるという伝説です。
● 「三級浪高 魚化龍」(さんきゅう なみたかうして うお りゅうとかす)・・・『碧巌録』第七則、雪竇重顕禅師「頌」より
中国の夏王朝(紀元前2070〜1600)を開いた禹(う)が黄河の治水工事を行った際に、上流の竜門山を三段に切り落としたことで、三段の滝(=竜門三級と呼ばれます)ができます。そこへ毎年桃の花が咲く季節に多くの魚が群集し、三級を登りきった魚は龍になって天へ昇ることができるという伝説です。
後に中国の科挙(超難関の官僚登用試験)の試験場の正門が「竜門」と呼ばれるようになり、立身出世を例えて「登竜門」といわれるようになるのですが、社会的な意味で出世するしないに関わらず、「魚が龍になる」というのは長い人生をかけて、人間が到達するべき境地への道のりそのもののことなのかもしれません。日本では江戸時代後期に、鎧や兜などを飾っていた武家に対抗して、商人たちが始めた風習だとのこと。なかなか風流です。今日はお裾分けいただいた「かしわ餅」と「ちまき」をもぐもぐしながら、仕事しています。渡邊
*今日は「おもちゃの日」。端午の節句に凧あげする地域もあるそうです。
【北九州戸畑の孫次凧】http://bit.ly/1QSFxUw
【八女独楽(こま)・けん玉】http://bit.ly/1Ya3JHQ
【参考資料】
・登竜門について:http://rinnou.net/cont_04/myoshin/2004-05b.html
・鯉のぼりについて:http://www.ningyo-kyokai.or.jp/sekku/tango.html
・野村織物さんインタビューはこちら:http://bit.ly/1PKv3g4