【雑感にょろり】木になった石灯籠 八女の隠れたオアシス

【雑感にょろり】木になった石灯籠 八女の隠れたオアシス

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日常を楽しむ観光を。ぶらぶらしていると見つけた謎の物体。

「うなぎの寝床」のお店がある八女の福島地区は、江戸時代の白壁の町並みが残る歴史地区。20年ほど前から地元の方々の情熱によって昔ながらの町並みを残す活動が始められ、今では130軒ほどの建物が連なり「伝統的建造物群保存地区」に指定されています。ただいわゆる「レトロな観光地」という雰囲気ではなく、あくまでも生活に根ざしたお店(お茶屋、和菓子屋、仏壇店、提灯店、日用雑貨店など)が軒を連ね、非日常ではなく何でもない日常を味わうことができるのが、一番の魅力だと個人的には思っています。そんな福島地区を桜の美しい季節にブラブラし、八女の隠れたオアシスである祇園社へ行ってみると、社殿の奥に謎の物体を発見。木かと思いきや、足元の形がおかしい・・・。近づいてみると、木のフリをした石灯籠でした。いえ、正確に言うと、石灯籠から木が生えていたのです。

八女ならではの石の力。戦国時代から続く祇園社の歴史。

八女で伝統工芸指定されているものの一つに「八女石灯籠」があります。奥八女の黒木町で産出される、阿蘇山爆発によって出来た凝灰岩(ぎょうかいがん)を使った工芸品です。凝灰岩は火山灰が固まってできているため、柔らかくて吸水性が高く、苔などが生えやすいという特性があります。庭に放置しておくと、あっという間に苔むして緑色になるそうです。その凝灰岩と苔については頻繁に聞くのですが、まさかさらに放置すると木が生えてくるとは思っていませんでした。祇園社は戦国時代末期に福島城を築城した筑紫廣門によって、肥前田代(現在の鳥栖市)より移した神社らしく、少なくとも400年以上の歴史があることになります。江戸初期には田中吉政が城主になるも、後継ぎなく廃城になり、商人町として発展することになる八女福島のまちづくりの歴史とも関連がありそうで、調べるのが楽しみです。色々な時間軸が交錯する町の痕跡を探しながら、ブラブラとするのもおすすめです。渡邊

【書籍】福岡八女福島 まちづくりの記録
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