【ニュース】フィンランドのアートユニットCOMPANYと久留米絣のコラボ!

ニッポン北のヒミツ 久留米絣2

Aamu Song & Johan Olin
マリメッコのテキスタイルも手がける
アートユニットCOMPANYと久留米絣コラボ

先月の末、うなぎの寝床の白水・渡邊、半纏(はんてん)をつくっている宮田織物の池田さん・原さん、久留米絣の工房下川織物の下川さんの5人は、普段筑後地域でみんなで会うことはないのですが、なぜか青森県立美術館に集合していました。何故かというとニッポン北のヒミツという展示会が開催され、そのレセプションが行われるためです。
青森県出身のアーティストの奈良美智ブログに、この企画展のことを書いてあります。)さんが企画されている若い、才能あるアーティストを軸に企画展をしようという趣旨のプロジェクトPHASE(※)です。そこで2015年の今年選ばれたのがフィンランド人ヨハン・オリンと韓国人アーム・ソンの二人。2000年にヘルシンキを拠点に国内外で活躍するCOMPANYを設立した若い代表的なデザイナーです。

※「PHASE」はドイツ語で、「段階」や「相」を意味します。参加したアーティストたちの新たな「段階」への展開を支援し、青森県立美術館内の一つの場所が持つさまざまな「相」を生み出すことをねらいとしています。

なぜ、今回そんな二人が久留米絣でプロダクトを製作することになったかといいますと、去年、宮田織物さんとコラボでマリメッコの生地で半纏をつくるということをやっていたからです(http://bit.ly/1ncMJ10)。そして今年宮田さんのところへアームから一本のメールが。デザイン画と共に。僕は詳細を見ていないのですが、宮田織物の原さんから聞いた話しによると「久留米絣で、こんなのつくりたい!宮田織物好き!一緒に仕事しよう!」的なメールだったそうです。宮田織物の切り込み隊長原さんは、考える間もなく即行動、プロジェクトは始動しはじめました。

宮田織物×下川織物×COMPANY
デザイナーのイメージを表現する技術

生地は福岡県八女市にある下川織物さんが織っています。今回は東北というのがテーマであり、こけしや妖精というのがイメージにありながら図案が起こされていたようです。目や口や鼻が描かれた図案がヨハンとアームの方から送られてきて、それをどう表現するか技術者であり物の核を決める宮田織物の池田さん、久留米絣の技術者である下川織物の下川さんが考えます。今回は、少し複雑な柄になるので、それを表現するために緯絣(よこがすり)で表現することになりました。伝統的な久留米絣は経糸(たていと)も緯糸(よこいと)も括って染める経緯絣(たてよこかすり)が中心なのですが、現代では幾何学模様を中心に表現するときは経絣、複雑な絵を表現するときは緯絣と、表現したいものによって、上手に使い分けます。

そして、仕上がった織物は紺と白の二色。白は脱色いう技法を使い、一度染めた糸を括って、脱色し柄を出す技法です。少し文章では表現しにくいところがありますが、そういう技法です。それで半纏とワンピース、そして、うなぎの寝床の型を使ったもんぺが製作されました。

久留米絣の着心地の良さ、
表現の幅を知ってもらうために。

今回の企画は非常に面白いプロジェクトになったと思います。「久留米絣」という枠で考えるとなかなか生まれてこないような図案も、知恵を出してチャレンジ精神があれば表現できると思っています。僕らの頭だけで考えるのではなく、よく言われているように、若者、他所者、馬鹿者と3者の知恵を出しながら、取り組んでいくことは大事だと思っていて、こういうプロジェクトを増やしていかないといけないなぁと感じた次第です。

僕らうなぎの寝床は、今回なーんにもしてません。型の提供くらいです。あとは記録・発信係。

地域には、いろんな取り組みが随時行われていて、魅力的な物がつくられたり、世の中の人に知ってほしい出来事がおこっています。それを、少しでも多く発信できればいいなと考えています。まだまだ微力ですががんばります。ではでは。

白水

◯展示概要
会期:2015年8月1日(土)~9月13日(日)
休館日:8月24日(月)
開館時間:9:00 – 18:00 (入館は17:30まで)
場所:青森県立美術館 八角堂、地下2階奈良美智展示室
観覧料:[八角堂] 無料
[地下2階奈良美智展示室] 常設展チケットが必要
http://www.aomori-museum.jp/ja/exhibition/68/index.html
http://www.com-pa-ny.com/projects/Secrets_of_Japan/index.html

青森県立美術館
〒038-0021 青森市安田字近野185
TEL 017-783-3000
FAX 017-783-5244

◯CONPANY / Aamu Song & Johan Olin
http://www.com-pa-ny.com/#

ニッポン北のヒミツ 久留米絣
カンパニーは、いろんな国のヒミツに挑戦している。

ニッポン北のヒミツ 久留米絣3
左が宮田織物の原さん、右が世界の奈良美智さん。
原さんが、奈良さんに半纏をプレゼント。
とてもやさしく気を使っていただいて感謝です。

ニッポン北のヒミツ 久留米絣4
こけしの妖精、大集合。

ニッポン北のヒミツ 久留米絣5
原流コミニケーションを伝授。
真面目に話してるように見えますか?
左がアーム。今「嫁がこれ(鬼ポーズ)で、お先にドロンします。」
というサラリーマンのルールを伝授している様子です。

ニッポン北のヒミツ 久留米絣6
青森県美は青木淳さんの建築。

 

ニッポン北のヒミツ 久留米絣7
作成した久留米絣のワンピース。

 

ニッポン北のヒミツ 久留米絣8
図案はこんな感じ。出典:COMPANYのHPより

ニッポン北のヒミツ 久留米絣9
デザイン画が素晴らしい。

ニッポン北のヒミツ 久留米絣10
ヨハンとアームツーショット。うちのもんぺ。嬉しい。


ニッポン北のヒミツ 久留米絣11

展示会場はこんな感じ。出典:COMPANYのHPより

ニッポン北のヒミツ 久留米絣12
終わり。出典:COMPANYのHPより

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