【考える事】紹介したいのは物じゃない。人や文化なんだ。

2045

お店も3年目に突入して、自分達が本当に何をやりたかったのか振り返ることもできる年数になってきました。もちろん物を売っているのですが、根本的なことを言うと「物を売っている」というより「人や文化を紹介している」という意識の方が強いです。うなぎの寝床は時として「セレクトショップ」と言われたり「雑貨屋」と言われたり「アンテナショップ」と言われたりします。僕はそれは何と呼ばれてもいいと思っています。あるきっかけを通してうなぎの寝床のことを知ってもらい、その先にこの地方にこういう文化や地理的な面白さや人がいるということを知ってもらえたら良いと思っています。そのきっかけとなるのが「物」だったり「場所」だったりするのだと思います。

先日、東京から友人と、その友人達が6人ほどで遊びにきてくれました。レンタカーを借りて久しぶりの学生気分でルンルンといろんな作り手のところを案内しました。僕はつくりての方々が結構好きです。過度に干渉しすぎずいい距離感で関係を保っていると思っていますが、こうやって人を連れて行くのは結構楽しいです。その時々で質問される内容も違って僕らも勉強になることも多いですし、つくりての方々が、自分達の仕事を活き活きと話される様子は見ていて気持ちが良いです。「ああ、このためにこの仕事やってるんだなー。」と感じます。誤解して欲しくないのは【この人達のため】ではなくて【この人達が楽しそうなのを自分が見て、自分が楽しくなるため】というあくまでも自己完結だということです。僕はこの地方の人の為にやってるんじゃありません。そんな、上から目線でやれるほど能力もないし、そういう地域の為とかいうのはおこがましいと思っています。あくまでも自分が楽しく仕事をするために、そしてもちろん社会としてこういう機能が大切だと思って、こういう仕事をつくったというのはあるんですが...

しかし、なんでも仕事にすると「仕事として見てしまう問題」が発生してきます。僕は一応うなぎの寝床の経営をしているから物がもう好き嫌いじゃなくて、クオリティーと労働力と機能と原価に見えてしまうのです。これは、もう仕方ないことなんです。職業病です。自分が好きな物はもちろんあるのですが、お店においているものは、自分が好きな物をおいている訳ではない。この土地の文化や人をいかに伝えることができるか?という観点で選んでいます(大枠は)。その先の物としてのクオリティーに関してはハルが選んでいます。ハルは物を情報としてより、しっかり物として捉える。だから、その分野はハルにおまかせしています。役割分担です。

そうやって、うなぎの寝床の商品セレクトは成り立っています。いままではあんまりこういう話しを書かなかったけれど、2年間の蓄積があるので、少しずつアウトプットしていこうと思います。そんなこと知りたくないよ!バカヤロー!と言われる方もいらっしゃるかもしれませんが、とりあえずアウトプットしてみようと思います。

僕は1年目、2年目と時が経っていくごとに物に対する興味を失っていっています。そのこと自体、結構面白いなと自分で感じています。今から自分の感覚がどう変化していくか見物です。写真は源太さん。あんまり登場しませんが、後ろにうつっている丸坊主が僕(白水)です。写真はHさん提供。源太さんの話しが面白かった。

白水

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