【もんぺ巡業・出張 現地レポート:新見本工場編】日本一の毛織物産地・尾州でウールを学ぶ

「もんぺ巡業」や「もんぺ出張」では、自分たち自身が各地に足を運び、直接もんぺを届け、これまで見聞きしたり、学んだりしてきたことを私たちの言葉で伝えていきたいと考えています。オンラインで情報を得たり、買いものできたりする時代ではありますが、画面の上だけでは伝えきれないことも、まだまだたくさんあります。各地でお客様や現地の方と顔を合わせることで感じたこと、知れたことを記していきます。

産地直営の洋服店

中部国際空港より電車で約1時間。最寄りの一宮駅に到着。  
さらにバスで約15分揺られて降り立った先に広がっていたのは、たんぼと住宅街。  
本当にあるのだろうか…。そう思いながら5分ほど歩いていると突然のこぎり屋根の建物が姿を現します。  
 
のこぎり屋根が特徴の創業130年ほどの老舗・木玉毛織工場の敷地内にある新見本工場。 
 「産地に行って、服を買う。」をコンセプトに、尾州産地で生み出される高品質な生地を使用した服を販売されています。 

今回初めて新見本工場に伺い、驚いたのは工場と販売している場所の近さです。生地づくりの現場をすぐ近くに感じながら、服を見ることができました。

新見本工場のある愛知県一宮を中心とする尾州地域は、世界三代毛織物産地の1つで、日本の生産のうち8割ほどを担っています。 新見本工場の皆様からお話しを伺う中で、尾州産地の特徴として印象的だったのが、糸の準備から販売までを地域内で行える点でした。 

他の産地では、加工等を行う際、その加工が得意な別の産地に持ち込むことも多いようです。 しかし尾州地域では、紡績・撚糸・糸染・製織・編み・補修・整理・パターン・裁断・縫製・検品・販売いたるまでを地域内で完結できるそうです。「産地」と一言で言ってもここまで多くの仕事や技術が集まっているのかと驚きました。 

新見本工場内東洋繊維産のコーナー新見本工場オリジナル商品のコーナー

もんぺ博覧会巡業

今回、新見本工場で初めて行ったもんぺ博覧会。 
新見本工場のファンの方や、もんぺを以前よりお持ちの方、また、前から気になっていたという初めてご来店いただいた方。  様々な地域からご来店いただき、改めてうなぎの寝床の活動やもんぺにご興味を持ってくださる方がこんなにも多いことを実感し、大変嬉しかったです。  

もんぺ博覧会でお話しさせていただいたみなさま

【学び】ウール=整理加工

新見本工場さんと実施したインスタライブの様子 

今回は、以前より産地コラボとして尾州ウールもんぺを販売していた事もあり、「ウールを学ぶ」もテーマに行ったもんぺ博巡業。 もんぺ博覧会最終日の終了後、ウールについて学ばせて頂きました。 
 
私は織物=織るまでが重要と考えていました。 
例えばうなぎの寝床で多く扱っている久留米絣も、くくりや染めと言った織る前の工程でたくさんの時間を要します。 生地の風合いも、糸の種類などによって変化させるものだろうと思っていました。 ですが、ウールは織りあげた後からの工程「整理加工」がとても重要でした。 
ふわっとさせる起毛加工、 
滑らかにする蒸絨加工、 
ぎゅっと縮ませる縮絨加工など、他にも様々な整理加工の方法があります。 
 
織り上がった生地に何の加工を何回行うかによって、ふわふわにも滑らかにもどのようにでも変化させることができるので、レシピは無限大だそうです。 

左:起毛加工前 右:起毛加工後

今回、ウールを教えて頂くにあたり、生機(きばた)と呼ばれる織ったままの加工前の生地と、起毛加工後の生地を触り比べさせていただきました。 
正直、生地を見るまではそんなに変わるものなのだろうか。半信半疑な部分もありましたが、実際に触れてみると、生機はまだ硬さがあり、織っている糸までもしっかり見えたのに対し、起毛加工後は触り心地もふわふわに、見た目も糸がはっきり見えるわけでなく、全体が柔らかくぼやけた印象へと変化していました。 
整理加工1つでこんなにも変わるのだなと驚いたとともに、これが「ウール=整理加工」ということか、と実感できた経験となりました。 

もんぺの生地の拡大図
左:フランネル 中央:杉綾織 右:ブラックウォッチ
 

整理加工の重要性を知ってから改めてみると、うなぎの寝床のMONPEで使用している生地も、同じ糸で織られていても片面だけ起毛加工を施しているもの、両面に起毛加工をしているもの、つやを出しているものなど、加工方法がそれぞれ異なることにも驚きました。

暖かさを求めるか、デザインを楽しむのか、肌触りを重視するのか。
加工によってさまざまな表情を見せるウールの面白さを改めて感じました。皆さまのお好みに添えるようご提案させていただきますので、ぜひ店頭に来て比べてみてください!

また、今回新見本工場巡業で先行発売させていただいた、ウール生地MONPE等の発売も予定しています。それぞれの生地の加工について詳しくは発売時にまたご紹介いたしますのでお楽しみに!

 

ここからは、今回お話を伺った中で個人的に面白い!と思ったポイントをご紹介させていただきます!

産地の小話

①尾州地域を流れる「木曽川」 
木曽川は、一級河川の中で日本で1番軟水だそうです。 
人間も海外のシャワーなど硬水で髪を洗うとゴワゴワしてしまうと思いますが、ウールである羊も人間と同じく生き物なので毛を硬水で洗うと同じくゴワゴワになってしてしまうそうです。 ですが、尾州産地では軟水である木曽川の水を使用しているので、ふわふわになるのだとか。 水質まで毛織物に影響していると知り、産地の奥深さを改めて感じました。 
 
② 一宮はモーニング発祥の地? 
モーニングで有名な愛知県、その中でも一宮が発祥という説があるそうです! 
機屋さんが、機械の音を避け商談をするために喫茶店に何度も足を運んでおり、そこでサービスとして朝食を提供していたのが始まりなのだとか。 織物産地ならではの興味深い説でした。 今回いけなかったので必ずまた伺った際にはモーニングを堪能したいと思います! 

わずか数日間でしたが、新見本工場の皆様の温かさと尾州産地の奥深さに触れ、もっと知りたいという思いが強く、時間が全然足りませんでした。 
「必ずまた来ます!」 そう宣言して帰ったほどです。  
 
今回学んだ加工の違いも含めてお伝えし、穿き心地の違いなどを楽しんで頂くきっかけになれれば幸いです。今回出会った皆様と再会できる日を楽しみにしながら、これからも福岡からウールの魅力をお届けし続けたいと思います。   

 

<おまけ>

初日に伺った味噌煮込みうどん太田屋さん

メニューには「うどん」と記載しかないが、うどん=味噌煮込みうどんのことに驚きました。
他のお店と違い、こってり味噌というよりもさらっと食べられる味で、麺も細め。 猫舌に優しいどんぶりスタイル

 

ららぽーと店 間 

読み込み中…