【新商品】 尾州 再生ウール「ブラックウォッチ」 MONPE & プルオーバー

毛織物産地・尾州の再生ウール
フワッと、あたたかな着心地

愛知県一宮市の大鹿株式会社のテキスタイルブランド「毛七(けしち)」の再生ウール糸を使用し別注の生地を作りました。Farmers’ MONPEとプルオーバー、KAPPOGIが新たに仲間入りします!

使われなくなった衣類や縫製工場から出るウールのハギレなどを原料に、ワタ状に崩し、再び繊維として生まれ変わる「再生羊毛 / 反毛(はんもう)ウール」の生地を使用しています。

古着やハギレを色ごとに分け、反毛によってワタ状にして繊維に戻します。再度染め直すことはせず、元々の生地の色が混ざり合いながら糸として生まれ変わるため、新毛では表現できない深みのある色味があり、様々な繊維長が混ざり合うことで生まれるムラ感のある表情も魅力の一つです。

 

<商品ラインナップ>

Farmers’ MONPE 尾州 ブラックウォッチ
サイズ:S / M / L
価格 :20,900円(税込)

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プルオーバー 尾州 ブラックウォッチ
サイズ:M / L
価格 :20,900円(税込)

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KAPPOGI-103 尾州 ブラックウォッチ
サイズ:ONE SIZE(M~L)
価格: 20,900円(税込)

*オンラインショップ 11/25(火) 11:00〜発売開始予定

 

生地について

織り上がった毛七のウール生地を大阪・泉州の「藤井若宮整絨」にてタンブラー加工を施し、微起毛をかけています。ウール特有のチクチク感があまり出ないように出来る限りやわらかく仕上げて頂き、ふんわりとした暖かみのある風合いになっています。

タータンチェック「ブラックウォッチ」

ブラックウォッチは、スコットランド発祥のタータンチェックの一種で、ファッションの世界でも永く愛されてきた柄です。軍隊用のミリタリー・タータンが発祥と言われており、反革命勢力を監視する夜番が着用したことから「ブラックウォッチ=黒い見張り番」と呼ばれました。

そもそもタータンチェックは、スコットランドの氏族(クラン)や地域ごとのアイデンティティを象徴して織られてきました。これは久留米絣の産地である筑後地方をはじめ、日本各地で織られてきた「縞」との共通点でもあります。縞も家ごとや地域ごとの特徴があったといわれており「縞見本帳」と呼ばれる生地見本帖が各地に残っています。こうした背景もあり、タータンチェックのMONPEを今回製作することにしました。

 

毛織物産地「尾州」

愛知県一宮市を中心に、愛知県尾張地方の西部と岐阜県西濃地区にまたがる地域一帯は、「尾州(びしゅう)」と呼ばれる織物の産地です。一級河川の木曽川と肥沃な濃尾平野の恩恵により、麻・桑などの栽培に良い土壌と、糸・織物の染色加工や仕上げ整理に適した軟水に恵まれ、奈良時代から織物づくりが行われてきました。

近代からはスーツやコートなどの生地に使う「毛織物」が盛んに生産されています。国内生産では全国一の規模を誇り、イギリスのハダースフィールド、イタリアのビエラと並んで世界三大毛織物産地とも呼ばれています。

 

再生ウール「反毛」

集めた古着、再び繊維に蘇る

反毛(はんもう)とは、一度使われなくなった衣類や糸くず、ハギレなどを再利用するために、繊維を崩してワタ状に戻す技術です。尾州産地では、半世紀以上前から反毛の技術で再生羊毛の生地をつくっています。

全国から集められた古着・ハギレを手作業で品質表示やボタンを取り外し、ウールの混率や色味ごとに仕分け。分類された布類を裁断し、反毛機と呼ばれる機械で繊維をひっかき、ワタ状にします。

反毛されたワタを糸にする際、繊維が短くそのままでは糸にすることは難しいため、ポリエステルやアクリルなどの化学繊維を全体の3割ほど混ぜ込みます。これにより強度があり、風合いの良い糸を紡ぐ事が出来ます。

こうしてできた再生羊毛は、ウール7割、化学繊維3割の比率で作られていたことから、尾州産地では古くから「毛七(けしち)」と呼ばれていました。

【コラム】 毛織物産地・尾州で息づく「再生羊毛」

 

再生羊毛生地ブランド 「毛七」

「毛七」という言葉は、再生した毛を70%、その他の繊維を30%で紡績して再利用する「ウール70%のリサイクル羊毛」という意味として、尾州産地では日常的に使われていた業界用語です。その他の繊維を混ぜるのは、再生羊毛を補強するためではありましたが、高級品として売り出される新毛ウールに対し、再生羊毛は一般庶民の普及品として使われてきたため、比較されると劣ったようなイメージも帯びる言葉として業界内では使われていました。

大鹿株式会社の彦坂雄大さんは、そのことを十分に理解したうえで、再生羊毛を生み出す各工程で誇りを持って仕事されているつくりてのことを目にしてきました。こうした尾州の再生羊毛という文化こそ他にない強みであると考え、あえてそれを示す「毛七」という名前でテキスタイルブランドを作ります。

再生羊毛に対する産地内の印象も外からの印象も、変えるのは自分達であると考え、尾州産地の毛織物の歴史やものづくりの背景、再生羊毛だからできる生地の風合いを知ってもらうために、産地のブランドとしてその文化を伝え続けています。

 

ウールの特徴

ウールには「保温性」や「撥水性」「湿気の吸湿・放湿性」「洗うと縮む」など様々な特性があります。羊毛の繊維を顕微鏡でみてみると、ひとつひとつの繊維が鱗で覆われており、表面は節のある木の幹や松ぼっくりに似ているそうです。この鱗は「スケール」と呼ばれ、3つの層で構成されています。このスケールが開いたり閉じたりすることで、ウールの特性が生まれています。

【コラム】 「羊さんの毛」はすぐれもの

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