【先行発売】 Farmers’ MONPE TUCHIMONO
やきものの「土」で染めたMONPE
旧丸林本家での企画展に際して、「Farmers’ MONPE TUCHIMONO」を先行発売中です!
実際にやきものづくりに使われる陶土や原土で染めています。生地は常滑が位置する知多半島の織物「知多木綿」。久留米絣と同じく小幅のシャトル織機を使っていて、軽やかな着心地です。型は元祖もんぺのゆったりシルエット。ぜひ店頭でご覧ください!
左から:朱泥土(調合) / 鬼板 / 陣屋黄土 / 三州瓦田土 / 備前田土 / 木節粘土
それぞれの「土」の色
朱泥土(調合)・TOKONAME
常滑の精土工場で調合された、主に量産の朱泥急須に用いる陶土を滑らかな泥にして染めました。
鬼板・TOKONAME
やきものの化粧などに用いる「鬼板」と呼ばれる原料を、常滑の陶芸家・鯉江明氏の工房の敷地で採掘。乾燥後に不純物を除いて砕き、細かな粒度に精製し、水を加えて滑らかな泥をつくり染めています。
三州瓦田土・ANJYO
愛知県西三河(高浜市、碧南市、半田市)でつくられている屋根瓦「三州瓦」に使われる原土から石や砂などを除いて、細かな粒度の土のみに精製し水を加えて滑らかな泥をつくり染めています。
備前田土・BIZEN
備前焼(岡山県備前市)窯元・一陽窯の滑らかな陶土に水を加えて泥をつくり染めています。
木節粘土・SETO
便器など衛生陶器の材料にも使われる原土から石や砂などを取り除いた後、粒度の細かな土のみに精製し滑らかな泥をつくり染めています。
陣屋黄土・SETO
やきものの原料となる原土から石や砂などを取り除いた後、粒度の細かな土のみに精製し滑らかな泥をつくり染めています。
*生地を豆乳で下染をして土(顔料)を定着させています。
左:170cm / Lサイズ / 朱泥土 (調合)
右:158cm / Sサイズ / 陣屋黄土
やきもののまち、常滑
愛知県の南西部・知多半島に位置する常滑市は、中世から現在まで焼物生産が続き、日本六古窯(ろっこよう)にも数えられる有数の産地です。古くは壺・甕(かめ)などの大物づくりが盛んで、量産された壷や甕などは、海路を用いて運搬し、東北や九州といった全国各地へと供給されました。江戸後期には、煎茶の流行から急須づくりも活発化し、今でも急須専門の窯元や商社が数多く残っています。近代からは、上下水道整備のために作られた土管や、タイルなどの建築陶器、洗面器・便座などの衛生陶器も量産。時代に合わせて生活やインフラを支える様々な窯業が現在も続いています。
「TUCHIMONO」とは
無印良品のインハウスデザイナーを経験したのち、2015年から愛知県常滑市に拠点を移した高橋孝治デザイン事務所を中心に企画・運営するプロジェクトです。1000年ほど続く窯業のまち・常滑を拠点に、土を用いた新たなものづくりを模索。その一環で、やきものの土で染めた製品づくりやワークショップなどを手がけています。
何色にも染まる白「知多木綿」
知多木綿は、愛知県知多地域で生産される綿織物の総称です。主に無地の「白生地」が織られており、染色などの加工後に一般の手に渡ることがほとんどで、浴衣や手拭い、半被などに多く用いられています。現在でも旧式の小幅シャトル織機が数多く稼働し、ゆっくりと布を織り上げるため生地の負担が少なく、手織りに近いやわらかな風合いが特徴です。
発祥は農家の副業とされ、海路にも恵まれた立地からその多くは主要都市へと送られ、江戸時代から綿織物産地として栄えました。明治時代には豊田佐吉(現TOYOTA創業者)による動力織機の発明を発端に生産性が飛躍的に向上。日本三大綿織物に数えられる産地として発展しました。
旧丸林本家にて開催(2/21〜3/9)
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