KAPPOGI / 産地の「生地」から考える「UNA PRODUCTS」のものづくり

Q. どうして寸法が違うの?
A. 産地の生地を最大限に活かすため。

家事・炊事などの作業にもおすすめな KAPPOGI(割烹着)。以前より販売している久留米絣のKAPPOGIに加え、今回新たに近江 リネンが仲間入りしました。

久留米絣とリネン、2種類のKAPPOGIは、比べてみると身幅や袖丈などの寸法が少し異なっています。

「どうして生地によって寸法が異なるのか?」

そこには、それぞれの生地の違いや特徴に合わせた「型」を目指し、「産地の生地を最大限に活かす」ための取り組みがありました。今回はKAPPOGIを通して、うなぎの寝床の自社商品「UNA PRODUCTS」のものづくりの考え方をご紹介します。

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紐解き、伝えて、対話する
地域文化をつなげるための「型」を考える

モノが生まれる背景には、つくりてや土地性、歴史、技術、思いなど、単純な消費では気づくことのできない何か(地域文化)があります。それらをまず紐解き、伝えていくために、自らも「つくる」に携わりながらつくりてと一緒にモノを生み出す自社商品UNA PRODUCTSも取り組んでいます。産地の土地性や歴史、素材や技術、その現状を理解し、伝えるために「型」や「文脈」に解釈(視点)を加えながらものづくりをしています。

うなぎの寝床は、久留米絣の産地である筑後地方で「MONPE」を開発し、日常着として改めて提案してきました。このとき、久留米絣の生地を無駄なく活かし、現代のライフスタイルにもフィットする設計を考える中で、昔のもんぺの機能はそのままに、細身なシルエットの「現代風MONPEの型紙」が生まれました。この型をベースに、久留米絣の柄物から無地、はたまた他の繊維産地のテキスタイルまで当てはめることで、MONPEは多種多様な生地を日常で体感して知る「フォーマット」としても機能しはじめています。

地域文化を紐解くために「つくる」に携わり、伝えるために「型」をつくり、型を通した体感から「対話」を生み出す。対話を通して「地域文化」がつながっていく。うなぎの寝床は「地域文化を感じられる風景」のために、思考し行動する生態系をつくることを目指して、つくりてと共に活動しています。

 

KAPPOGIの開発経緯:
はぎれをなるべく出さず、久留米絣を最大限に活かす型。

久留米絣を使って初めてKAPPOGIをつくる際、生地を最大限使用したいと考えました。久留米絣は反物の幅が36~38cmと現在普及している多くの織物よりも小幅です。この久留米絣の反物幅を活かしてKAPPOGIをつくることにしました。結果、襟ぐり部分以外ははぎれが出ない型となっています。

 

多種多様な「生地幅」を活かす

このKAPPOGIに他産地の生地を当てはめるときの課題として、産地によって異なる「生地幅」がありました。織物は大きく分けて久留米絣のような着物幅から生まれた「小幅」と、洋装で仕立てることを考えた「広幅」の2種類ありますが、それぞれの産地で使用している織機は様々であることから、織り上がる生地幅も様々です。こうした違いも産地の特徴として捉え、なるべくハギレ出さずに無駄なく生地を活用するために、それぞれの生地幅でのKAPPOGIの型を設計しています。

久留米絣のKAPPOGIは、2枚並べた生地を接ぎ合わせるようにして身頃をつくっています。
襟ぐりを丸くカットする部分以外ハギレが出ません。

リネンのKAPPOGIは、1枚の生地幅から2着分の身頃を切り出しています。

 

KAPPOGIという「型」= 「産地の生地を最大限に活かすカタチ」

このように、KAPPOGIでは「ハギレを出さずに生地を最大限に活かす」という型(フォーマット)を目指しています。産地それぞれによって異なる生地幅を活用しているため、生地によってKAPPOGIの身幅や袖丈の寸法が異なっています。こうした違いも生地の特徴として、また取り組みの一環として楽しんでいただけたらと思います。

どちらも身幅をたっぷりと確保しているため、性別や年齢、体型を選ばずにご着用いただけます。

 

左:KAPPOGI-103 近江 リネン ネイビー(モデル身長:175cm)
右:KAPPOGI-085 近江 リネン キナリ(モデル身長:155cm)

色はネイビー、グレー、キナリの3色展開(KAPPOGI-085着用)

左:KAPPOGI-085 近江 リネン ネイビー(モデル身長:170cm)
右:KAPPOGI-103 近江 リネン キナリ(モデル身長:158cm)

家事やお掃除などの作業着や、お出かけの時のワンピースなど、みんなでKAPPOGIを楽しんで着てもらえたらと思います!

 

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