角館イタヤ工芸
秋田県仙北市角館町にある角館イタヤ工芸は、イタヤカエデの若木の幹を帯状に裂いて手作業で編む、イタヤ細工の工房です。材料のイタヤカエデは秋田の山地に自生するの落葉高木です。角館のイタヤ細工は、今から200年以上前は農家の副業として、農具用の箕(み)や魚籠などの道具がメインで作られていました。現在は道具籠や笊、イタヤ馬などを製作しています。3代目の佐藤定雄さんは1956年からイタヤ細工に携わっており、妻の智香さんと智香さんの姪の本庄あずささんの3人で作っています。原木から削り出された帯状の薄板は製品ごとに均一な太さ、薄さに揃えられ、しなやかさを備えた材料で丁寧に編んでいきます。設計図はないため、長年の職人の経験が必要です。その他、山葡萄や胡桃の樹皮細工など秋田県周辺でとれる材料を使った編組細工もしています。それらの材料も年々と採れなくなり貴重なものとなってきました。使い込むほど味わいが増す籠作りの技術を受け継いでいます。