森下メリヤス工場
株式会社森下メリヤス工場は、明治期に和歌山市で創業したニット生地メーカーです。和歌山市は温暖な気候のため綿花の栽培に適し、江戸中期から綿織物が発展しました。紋羽織から綿ネルへ、綿ネルから綿メリヤスへと織物から編物へと転換し、現在は丸編みニット生地の国内生産4割を占めるニット産地です。丸編み生地は円筒状の丸編み機で編まれ、ニットの中でも伸縮性に富みます。森下メリヤス工場は1907年に吊り編み機5台で袖口の生産からスタートし、戦時中の工場焼失を経て、パイル編み地の開発、ジャージ生地の裏毛編みなどを生産してきました。現在は紀の川市貴志川の工場に、古い吊り編み機やヴィンテージ編み機、最新の編み機など多様な編み機200台を有し、アパレル向けのほか、包帯や車のシート等の資材など、用途に合わせた生地をつくっています。4代目の森下展行さんは、自社ブランド「1907」、「macaroni」を展開し、天竺生地シャツ、ウールインナーなどの上質な和歌山ニットを世界へ発信しています。