つくりて一覧

FLATS

（立体造形/大分県・国東市）

https://kunisakitime.com/business/flats/

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「FLATS」は国東時間株式会社が開発した立体造形システムで、様々な動物やキャラクターなどを段ボールクラフトで展開しています。FLATS合同会社は、FLATS製品の製造・販売を行う会社として2019年に設立。建築家であった代表の松岡勇樹さんが、ニットデザイナーである妻の展示会のために組み立て式段ボールマネキンを作ったのが始まりで、1988年に段ボールマネキンの製造・販売を主な事業とする国東時間株式会社を設立し、様々な分野に向けて立体商品を展開しています。国東市の廃校になった小学校を拠点とし、2013年には週休3日制を導入。都会の時間に合わせるのではなく、国東市固有の時間の中でオリジナルの仕事をしていくという思いが社名に込められています。建築的思考を設計コンセプトの背景に置き、ものづくりの他にも、お祭事業や田園都市デザインなど「地域に循環する豊かな時間」をテーマにした仕事を地域の人々と共に創造することを目指しています。

■ 素材・技術　：　レーザー加工技術で、段ボールなどの板材を立体物へ

国東時間株式会社が開発する「FLATS（フラッツ）」は主たる素材として、段ボールを使っています。立体イメージをCTスキャンのように輪切状に切断・分解し、データとして作られたそれぞれのパーツが、細密レーザー加工機によってカッティングされています。平面から構成されているFLATSは金型を必要としないため、小ロット生産にも対応できることが特徴で、デザイン・試作・商品化を短期間で行えます。近年では、素材の幅も広がっており、紙や木素材、アクリル、金属など、レーザーでカットできる板材であれば使うことができるそうで、ロボットの開発や企業のプロトタイプ制作など、業界の垣根を超えて挑戦を続けています。

■ 土地性・思想　：　3次元として再構築することで共有する国東時間

国東時間株式会社は、大分県の北東部に突き出た国東（くにさき）半島の中山間集落にある廃校をリユースし、事業の拠点にしています。代表の松岡勇樹さんは、自然に囲まれた国東らしい時間の流れ方を大切に仕事をしており、その思いは商品開発を手がけているFLATSシリーズにも投影されています。FLATSは3次元を2次元に変換し、それをユーザーが自ら3次元として再構築することで生まれるプロダクトです。この再構築のプロセスには、ただ消費される商品としてではなく、ユーザー自身の身体感覚や時間をくぐりながら「ツクル体験」が含まれているのです。その再構築された時間こそが、FLATSが提供している「国東時間」なのかもしれません。

※あくまでもうなぎの寝床が解釈する、つくりてのものづくりへの思いや思想です。