【今日のMONPE】 久留米絣をイチから考える「くるめかすり文字柄」
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「久留米絣の柄表現」を改めて考え、伝えることはできないか?をテーマに、久留米絣の技法を使って「くるめかすり」という文字を描いたMONPEを製作しました。
このMONPEは、よこ糸に「脱色」という技法を用いることで、文字部分の色が残る表現を試みました。
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MONPE よつめデザイン くるめかすり文字柄 脱色白
24,200円(税込)
MONPE よつめデザイン くるめかすり文字柄 脱色青
24,200円(税込)
久留米絣のキホンのキ「くくる・染める・織る」
久留米絣は全部で30数工程を経て織りあがりますが、大まかに「くくり・染め・織り」の3段階に分けることができます。
どの段階で糸をくくるのか、染めるのか、解くのか。これによって柄と地の色の表現が変わります。
今回の「脱色」の技法は、先に糸を染色し、色を残す部分をくくり、その後色を抜きます。通常の久留米絣とは逆に「くくらない部分が白くなり、くくった部分に色が着く」ようになります。
“くるめかすり”ができるまで
“くるめかすり”のMONPEを通して、改めて久留米絣がどうやってできるのかご紹介します。
※今回は、「脱色」の技法を用いた久留米絣の工程です。
01)図案を考え設計する
デザインスケッチをもとに、糸の本数や収縮率、染料の染まり具合などを計算し、図案を書き起こします。くくりの位置や本数を細かく指定し柄を組み立てる「設計図」となります。
02)糸を染め、くくる
今回はくくった部分に色をつけるため、先に糸を染めてからくくります。
糸の不純物の除去(精錬)を行った後、合成染料(反応染料)によって染色します。その後、図案に沿ってくくるものとくくらないものに分け、くくりに適した一定の束にまとめます。糸をくくり機にかけ、図案に従って糸を固く巻きつけていきます。
03)脱色する
くくった糸束の色を抜くために漂白します。
*通常の久留米絣は白色のくくり糸でくくりますが、脱色の場合は「青色のくくり糸」を使用します。青色のくくり糸は、脱色工程で色が抜けにくい染料で染められており、これを使うことで脱色時に色を残したい部分(くくった部分)と漂白剤が反応することを防ぎます。
<使用する漂白剤>
ハイドロサルファイト(還元型漂白剤)、過酸化水素(酸化型漂白剤)
04)糊付けと天日干し
脱色後は糸束を糊付けし、天日干しして乾燥させます。これにより、くくりを解くときに柄がズレるのを防ぎます。
05)くくり糸を解く
脱色した糸のくくりを解きます。解いた部分は色が抜けず、染めた色が残ります。この糸をよこ糸として織ることで柄になります。
06)織りの準備(よこ糸)
染め分けた糸をよこ糸として使うために「トング*」と呼ばれる道具に糸を巻き付けます。染め分けた糸束を引き割り、柄の位置を目視で合わせながら巻き取っていきます。このトング1巻で図案1柄分(長さ約24cm)を織ることができます。
久留米絣の機械織では、中量生産を可能にするために、写真のように20本のトングを一度に巻きつけるなど、道具の工夫がされています。効率化が図られつつも、この工程でのズレが絵柄に影響するため、巻いたり戻したりの微調整が繰り返されています。
07)織る
たて糸を織機にセッティングし、よこ糸を運ぶ「シャトル*」にトングを設置します。並んだたて糸の間をよこ糸を乗せたシャトルが左右に往復することで生地が織られていきます。
織機は旧式織機を使用しています。モーターで稼働し、センサーで制御されますが、それらは部分的なもので、常に熟練の職人が目を配りながら、柄合わせや糸交換を行います。現代的な織機と違い、打ち込みが緩やかなため、柔らかな風合いに仕上がります。
08)天日干し
織り上がった生地を湯水につけて収縮させます。水洗いにかけて余分な染料や糊を洗い流し、竿に干して乾燥させます。最後に検品をして完成です。
※このページで紹介した久留米絣の製造工程は一例です。商品や織元によって工程は異なります。
動画で詳しく「久留米絣の工程動画」はこちら
*織機の道具たち
・シャトル(よこ絣用):写真上
シャトル織機で使われるよこ糸を通すための道具。糸を巻いたトングをセットし、左右に往復することでよこ糸を渡す。糸が無くなったらトングを交換し、再度織り進める。・トング:写真右
機械織のよこ絣で使用する道具。柄を合わせながらトングに1柄分の糸を巻き、シャトルに乗せる。絣ならではのパーツ。・木管:写真左
よこ糸が柄合わせを必要としない無地の場合に使う道具。トングと同じくシャトルにセットして使用する。
デザイン:よつめデザイン(よつめ染布舎)
生地制作:富久織物
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