【新商品】久留米絣のための「くくり糸帽子」

久留米絣の柄を生み出すのに欠かせない
「くくり糸」を使ったニット帽

久留米絣の模様を生み出す「くくり糸」を活用したプロダクトに「ニット帽」が新登場!

久留米絣の多種多様な柄や模様は、糸を縛って色を染め分ける「くくり」という工程で表現されています。このとき、糸を染めない箇所を縛る糸がこの「くくり糸」です。

通常くくり糸は染色が終わった時点で役目を果たしますが、さらに活用できる方法はないかと考え、このニット帽ができました。

くくり糸は糸それぞれに染めムラがあるので、一点一点の模様の違いが楽しめます。伸縮性があり、深さも十分にあるので、折り曲げ具合を調整してどなたでもご着用いただけます。

久留米絣のためのくくり糸シリーズの商品一覧はこちら

 

素材は2種類 「綿100%」と「モヘヤ混」

◯ 久留米絣のためのくくり糸帽子(綿100%)

くくり糸のみを使用。綿100%なので通年お使いいただけます。

◯ 久留米絣のためのくくり糸帽子 モヘヤ混

くくり糸とモヘヤ糸を引き揃えて編んでいます。モヘヤの色合いと風合いが合わさり、秋冬にもあたたかな着心地です。

 

久留米絣とは?

福岡県南部の筑後地方で江戸時代から200年以上織られ続けている綿織物です。織る前の糸を1本1本染め分けることで表現する柄や模様、そして昔ながらの織機を使用することで生まれる手織りのようなやわらかな風合いが特徴です。

無地や縞模様、たて絣、よこ絣、たてよこ絣など技法ごとに様々な種類の柄や模様があります。機械化されている工程も、いずれの作業も人の手を介しながら行われています。

 

久留米絣はプリントにあらず -「くくる」ことで模様を表現する –

久留米絣は全部で30数工程を経て織りあがりますが、大まかに「くくる・染め分ける・織る」の3段階に分けることができます。

STEP1 「くくる」
久留米絣の柄づくりは、図案に基づいて糸を縛る「くくり」から始まります。
糸でくくっている部分は染まらず、くくっていない部分は染まります。

STEP2 「染め分ける」
くくられた糸全体を染めます。染色後、くくっていた「くくり糸」を解くと染まらずに残った部分と染まった部分に染め分けられます。

STEP3 「織る」
「くくり」によって染め分けられた糸を柄ができるように整えながら織り上げていきます。
染め分けた糸をたて糸で使うか、よこ糸で使うかによって柄や模様も異なります。

久留米絣の柄や模様を表現するには「くくり」という工程が欠かせません。この「くくり」の工程で糸の束を縛っていた糸が、このニット帽の原料になっている「くくり糸」なのです。

 

染色する前の糸の束。
くるくると巻き付けられている糸が「くくり糸」。

染色後の糸の束。

くくり糸を解くと、染め分けた白い部分が見える。

解いたくくり糸。
内部に染料が入らないよう何重にもくくり糸を巻きつけるため、くくった箇所によってくくり糸の染まり方にムラが生まれる

解かれたくくり糸は、糊抜きや巻き直し、改めての糊付けなど、製品を編むために適した状態にに整える。

 

産地資源活用の可能性を探る – くくり糸から製品へ –

くくり糸は久留米絣にとって欠かすことのできない存在ですが、通常「くくり」の工程による染め分けを終えると役目を果たします。この産地資源であるくくり糸を活用できないかと模索していく中で靴下やニット帽という形にたどり着きました。

素材となるくくり糸は、久留米絣の織元「野村織物」にご協力いただき、そこからくくり糸を編むために適した状態に整える部分(糊抜き、巻き直しなど)は「筑後染織協同組合」にお願いしています。

ニット帽の製作は、大阪府泉大津市の「澤田株式会社」に行っていただいています。「くくり糸帽子 モヘヤ混」は、くくり糸と澤田株式会社のオリジナルの糸「DANDE」を使用しています。くくり糸特有の模様と、モヘヤの色合いと風合いが合わさり、秋冬にも暖かく楽しめるニット帽となりました。

くくり糸は久留米絣産地の資源ではありますが、他の産地や技術とも組み合わせることでこれまでと違った形の可能性を見出すことができました。製品となることで新たな価値が生まれ、「くくり糸」のことを伝える、知ってもらえる機会を持つことができるようになりました。今後も産地資源の活用方法の可能性を探っていきたいと考えています。

久留米絣のためのくくり糸シリーズの商品一覧はこちら

 

読み込み中…