「宝島染工」ってなんだろう?② 天然染料×手染めを「中量生産」で提供する
「宝島染工展 −日常着の染−」を旧寺崎邸にて開催中です。
天然染料と手染めの技術に特化した染色加工を行っている宝島染工。不確定要素の多い天然染料と手染めでありながらも、中量生産できる体制を整え、継続して商品を届けられるような日用の染を実現しています。
「天然染料」ってなんだろう?
「中量生産」ってなんだろう?
そこへの「思い」ってなんだろう?
今回は、そんな宝島染工のものづくりについて、3部に分けてご紹介します。
第2回は「中量生産」について。自然物特有のゆらぎのある天然染料ですが、宝島染工は意外にも工業的な思考でそれらと向き合い、量産を可能にしています。
■ 天然染料ならではの手仕事を、中量生産で提供する体制
宝島染工が扱っている天然染料は、常に一定の状態が保たれている化学染料と違い、管理から染めの工程にいたるまで、自然の素材ならではの不確定要素が多く、十分な知識と経験を必要とします。たとえば藍は、甕(かめ)の中で藍を発酵させた後、温度を一定に保ち、たまに糖分を与えて発酵を促すなどの管理が必要で、藍液の状態によっても染めの濃度が変わります。
また、染色はすべて手染めで行なっています。絞り染め・板締め・たたき染めなど、古来より続くさまざまな防染技法をアレンジしながら、独創的な模様を生み出しています。
天然染料・手染めでの手仕事は、製品を均一につくることや量産が難しく、どうしても市場に流通することが少ない「一点もの」になってしまうことが多いですが、宝島染工では、染め工程の数値化やコスト・納期設定に取り組み、数名の工房ながら1ヵ月で1000枚から2000枚を手染めで染める「中量生産」を可能にしています。
※中量生産 :
少品種多量生産と多品種少量生産の中間に位置し、品種も数量もそれほど多くなく、また極端に少なくない生産方式のこと。
参考:FUTURE IS NOW(2018. 7. 1)「F.I.N的新語辞典 第11回 | 中量生産」
■ 「手染め」による染色表現
うなぎの寝床では、宝島染工の様々な手染め技法を体感いただけるよう、コラボMONPEを制作しています。宝島染工で染め上げられたMONPEを「技法見本」として、染めを着比べてもらえたらと思います。
◯藍半だて
インド藍と化学藍(インディゴ)を半だてした藍で均等に染め上げています。
◯藍 柳絞り
芯を巻きつけながらたたみ絞ったものを染める染色法です。
◯藍 手絞り格子
手でたたみ絞ったものを格子柄になる様に染める染色法です。
◯藍 板締め
2枚の板の間に織たたんだものを挟んで強く締め、圧力によって染料の浸透を防いで文様を染め出す染色法です。
◯墨 たたき
墨の染料を用いて描くようにたたき付けて染めていく染色法です。
「宝島染工」ってなんだろう?
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