「山水郷のデザイン2」 at GOOD DESIGN Marunouchi(東京・丸の内) 7/15〜

山水郷

公益財団法人日本デザイン振興会が運営するデザインギャラリー、GOOD DESIGN Marunouchiにて、2022年7月15日(金)より8月14日(日)まで、展覧会「山水郷のデザイン2 – 3つのコンヴィヴィアリティ」が開催されます。

うなぎの寝床も展示に参加させていただくこととなりました。是非ご覧いただけますと幸いです。

 

■ 山水郷の展示にあたって(うなぎの寝床・白水高広)

小さな行動の積み重ねが文化をつくる
小さな行動の集まりが生態系をつくる

15年前、大学生のころ建築を学んでいた。安藤忠雄さんのコンクリート打ちっぱなしが全盛期の時代で、かっこいい建築物を誰もがつくろうとしていた。僕もそれに憧れていたが、ふと街をみるとかっこいい建築物が1つあっても地域にとって、暮らしは豊かにならないのではないか?と疑問が浮かんだ。人口減少で、使われていない建物も多く存在する中で、新しい建物を建てたり、新しい都市や町並みをつくっていくことに実感が湧かなかった。建築だけに限らず、今ある地域資源を有効に使った方がよいのではないか?僕と大学の友人であり、今一緒に仕事をしているパートナーの春口(ハル)は大学を卒業後就職せずに、訳も分からず地域に入り込みデザインの活動や、地域の人の話をひたすら聞いて、何か自分たちがやれることを探すという活動をはじめた(かっこよく言ったが立派なニートだ)。
地域にはネット上に存在しない、面白い活動をしている人々が多く存在する。そういう方々に会うたびに「なんで、こんな面白い人たちの活動が知られていないのだろうか?」と疑問に感じていた。山水郷というものは短期間でつくりあげるものではなく、人々と自然の関わりであり、小さな生活の積み重ね、小さな行動の積み重ね、小さな意識の積み重ね、そしてそれらの交わりによって文化化され表層化したものである。地域に住む人々は自分たちが暮らしていく場所を見つめ、未来を想像して、議論し、大きな何か理想的な視点と、今日1日の行動をどうとるべきか?というマクロとミクロを行き来しながら、不安を抱え、喜び、悲しみ、楽しみ、様々な感情とともに、毎日を過ごしていくべきだと僕は考えている。それがどこに到達するかは、未だわからないがニョロニョロと活動を続けてみようと思う。

うなぎの寝床 白水高広

 

■ 開催概要

山水郷のデザイン2 – 3つのコンヴィヴィアリティ / Design of  SANSUIGO 2 – Three cases of Conviviality

【会場】 GOOD DESIGN Marunouchi(東京都千代田区丸の内3-4-1新国際ビル1F)

【会期】 2022年 7月15日(金)~8月14日(日) ※期間中無休/入場料無料

【時間】 11:00〜20:00

ディレクター:井上 岳一(株式会社 日本総合研究所 創発戦略センター シニアスペシャリスト)、藤崎 圭一郎(東京藝術大学教授・デザイン評論家)
展示協力  :株式会社うなぎの寝床/真鶴出版/一般社団法人ドット道東
会場デザイン:MINGLE DESIGN OFFICE
施工    :株式会社デエク
主催    :公益財団法人日本デザイン振興会

 

■ 企画概要

2020年よりオンライン配信する、日本の自然豊かな地域に根ざした活動を行うクリエイターとのトーク番組「山水郷チャンネル」の展示企画として、昨年に続いて開催する展覧会です。
今回は、うなぎの寝床(地域:九州ちくご)、真鶴出版(同:神奈川県真鶴町)、ドット道東(同:北海道道東地区)の三者と共に、コンヴィヴィアリティ*をテーマにそれぞれの地域と活動をご紹介します。

「山水郷」は、山水の恵み豊かな地域と、そして人と人がつながり生まれる郷(さと)を意味する造語です。
日本各地の山水郷で、土地で共に生きる仲間と、そこでしかできない生業や生き方を愉しみながら生み出す、そんなコンヴィヴィアルなデザインの力が、日本を少しずつ変えはじめています。

本展では、その土地に暮らし活動する彼らデザイナーの目線、思考、そして言葉によって、活動の内容とともに、それぞれの土地で彼らが見出しているコンヴィヴィアリティそのものを伝えます。
さまざまな方が本展を通じてコンヴィヴィアルというあり方に触れ、実践への糸口としていただければ幸いです。また、三者の生き生きとしたデザインにもご注目ください。

 

■ 会場案内

東京都千代田区丸の内3−4−1 新国際ビル1F

GOOD DESIGN Marunouchiは、公益財団法人日本デザイン振興会が主催・運営する、デザインと人、デザインと社会をつなぐコミュニケーションプラットフォームです。

身の回りや社会全体のさまざまな課題に対して、私たちはデザインを使ってどのような未来を描けるのか、気軽に参加できる展示やトークイベント、ワークショップ等を通じて、みんなで考え、実践するベースとなることを願っています。

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