海、アコヤ貝に生命を見出す
「真珠」と聞くと「宝石」というイメージの方が大半だろう。そして、それは綺麗な粒がそろった白く半透明な美しい玉である。しかし、僕はC&の大地さんと出会ってイメージが変わった。
大地さんの作品に使われる真珠は、個性的な形をしたものや、色もバラバラである。それは不揃いという見方もできるし、個性という見方もできる。僕は「宝石の真珠」というものに対しては、正直興味がほぼなかったのだが大地さんの作品は何か感じるものがあり「大地さんはこんな作品をつくっているのだろう?」と興味を持ち大地さんと話し始めた。
「真珠の活動、よくわからないけど面白そうですねー。」と話していると、大地さんは真珠が生まれる大村湾の地名や歴史と、神話のこと、真珠を養殖している松田さんの話、そして海の環境がどんどん悪化していて、生物が住みにくい環境になっているということ。様々なことを語り出した。大地さんの語りは常に主観的で、怒りと愛に溢れている。少し断片的だから全体像が想像しにくいが、その断片断片が、とても未来にとって重要なことなことが多く、頭では全て理解できないけど、体の中にずしっと響く。大地さんに関わる人たちも、その感情と想いと勢いと、その先にある何か大事なものに絡みとられながら、彼女と一緒に活動することになっていく(巻き込まれていく)。
真珠はアコヤ貝の「母貝」と「ピース貝」、2枚の貝の死により生まれてくる玉である。この現実を私たちはよく知らない。母貝の子宮に玉を移植して、それにカルシウムと有機質がぐるぐると巻いて真珠層が形成され真珠ができる。天然真珠が生まれる現象とは、たまたま貝の体内に小石や寄生虫などの異物が体内に侵入した時に、外套膜(がいとうまく)が一緒に入り込み真珠が生まれる現象であるが、それを人工的に玉を移植して行うのが養殖真珠である。
海という環境と、2つの貝の命の死、その生命の生まれ変わりのような真珠の玉。この玉は、生態系であり生命体に他ならない。大地さんは、真珠に生命と女性性のようなものを見出し、それを真珠に投影し、大村湾の歴史や、神話、環境を伝え更新しようとしている。
一般的に市場に出回っている真珠は、綺麗に粒が揃った検品と分類を通り抜けた品々だ。それはもちろん商品としての価値が高いが、何か生命と女性性のようなものを失っている。大地さんは、一つ一つのアコヤ貝が生み出した色や突起などを愛で、その個性と寄り添っている。一つ一つのナラティブとともに、真珠を身につけてほしい。そういう想いを感じ取れる。
OHAKOの視点としては、この大地さんの視点と思想を借りながら、九州長崎の大村湾による真珠と人の歴史、海の環境のこと、アコヤ貝の命の物語、そこで紡がれるナラティブと文化を感じてほしいと考えている。
白水
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松田真珠の松田さんと C&の大地さん
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その他のお知らせ

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