【上野焼協同組合 × うなぎの寝床】上野焼、現場で生まれる試行錯誤

上野焼といえば、青い釉薬に湯のみ。みたいなイメージが僕には当初あった。そして現地に行って色々と話を伺っていると、思ったより個人作家の方々が集まって自由に制作をしていることがわかった。このプロジェクトは、上野焼協同組合と、うなぎの寝床(春口と白水)で実験をしながら1年間取り組んだ新作発表&受注会だ。2020年のコロナ真っ只中のころからはじまり、緊急事態宣言を抜けたくらいから打ち合わせが開始した。上野焼は上に書いた通り、結構自由に個人個人がのびのびとつくっている。それが良さでもあり、きっちりしたこれ!という形がないのも特徴だと思った。

 

今回はせっかくの組合事業なので、みんなが取り組めるプロダクトを考えようということになり、すぐさま「タイル」をつくりたい!という気持ちになった。ろくろは上野焼のみなさんいろいろできて、茶碗やマグカップみたいなことをつくってもチャレンジにならないし、豊富な釉薬や技法などを踏襲して比べることができる型としての「タイル・陶版」を考えた。サンプルを1ヶ月に一回つくってもらい、色見本、厚さの調整、そして大きさのやりやすさや、不具合の出方など、を半年ほど調整しながら実験してきた。

タイルを何ども焼いてもらっているうちに「これ、どうつかうんかいな?」という懐疑的な視線を感じるようになった。うん、確かに。僕らは使い方に対しては、使う人が見立てることができればいいんじゃないか?そこに面白さがあるんじゃないか?と考えたが、確かに消費者目線で言うと、やはり用途が少しついた方がいいだろうという議論にいたった。「少しでいいから、立ち上げたり、リムをつけたらいいんじゃない?」と上野焼の窯元さんから意見がでて「タイルをつくる、タイルをつくる、なんといおうとタイルをつくる」という頭でわりといっぱいだったが、自分よがりなものを作っても仕方ない。

 

一ヶ月くらいぐるぐると考えながら、寝かせていたら、なんとなくリムをつけて、皿にしていいんじゃないかと切り替わった。タイルだったから、最初は長方形や正方形だったのだが、これにリムをつけるのは難しい。そして、四角という形状自体、少し緊張感を産み料理屋的な印象を与える。

「うーん。」と考えてみてそうだ、長方形と丸を組み合わせてオーバルにしよう。春口とあれこれ議論する上ででてきた答えはこれだ。そして、それを組合に相談すると、そのまま手でキュッキュっとリムをつけることもできるが、不均一で綺麗にできないと思うと言われ、そりゃそうだなーと思いながら、やれる方法をあれこれ議論する。「型があったら、どうにか形を保つことはできるかもしれない。」ということで「たたら」という型に陶版を打ち付けて形状を一定にし、焼くという方法論をとった。

 

左:カップの型 右:オーバルの型

型は、産地や専門業者に頼むことなく、僕らのつながりである広川町の吉田木型さんにお願いした。型というのは、石膏で普段つくられているが、結構大変だ。元型を用意したりあれこれと準備も時間もいる。「うーん、どうしよう。」と悩んでいたが、春口が「吉田さんに相談してみようか?たしか3Dのモデリングできる機械持ってたよ。」とアイデアが出て、福岡の広川町の吉田木型さんに相談することにした。

吉田木型さんは普段はマンホールなどの木型をつくったりしているが、readymadeというダッチオーブンを自社商品としてつくっている。型ならお手の物。3Dの機械で型をつくってもらった。それを組合に送り、また試作、試作。ものづくりで完成させる期間として1年というのはあっという間だ。サンプルをつくるのに一ヶ月くらいかかるから、あっという間に一年がすぎさっていく。サンプルができあがったら、この厚さだったら歪むねとか、これ以上厚くなると重すぎるとか、この釉薬はこのつくりてしかできないとか、いろんな問題が浮かび上がってくる。それも含めて、現場だ。

 

結果的には、オーバルのお皿と、箸置き、カトラリーレスト、そしてコップという形状のシリーズ、そして上野焼らしい3種類の釉薬で、過度に技法を入れずにシンプルな器に仕上げることができたと思う。今回は限定数で販売し、在庫がなくなり次第受注という形になるが、ぜひ足を運んで、現物を見て欲しいと思う。

うなぎの寝床・代表
白水 高広

オーバルと上野焼(oval / agano)
上野焼協同組合×うなぎの寝床 受注販売会

■ 開催情報 ■

日時:3月11日(木) – 3月22日(月)  ※火・水休み
時間:11:00-17:00
会場:うなぎの寝床 旧寺崎邸
〒834-0031 福岡県八女市本町327
電話:0943-24-8021

■ 商品ラインナップ ■

オーバル皿
特大=11,000円(約W25.1cm×約D31.4cm×約H1.2cm)
大=8,250円(約W21cm×約D26.3cm×約H1.1cm)
中=3,300円(約W16cm×約D18.5cm×約H0.9cm)
小=1,650円(約W10.5cm×約D12.2cm×約H0.6cm)

オーバル深皿=11,000円(約W26cm×約D31.5cm×約H2.6cm)

カップ
大=2,750円(約W5.5cm×約D6cm×約H7.5cm 満水約150ml / 水位8割 約120ml)
小=2,200円(約W5.5cm×約D6cm×約H4.8cm 満水約100ml / 水位8割 約80ml)

箸置き=550円(約W4.5cm×約D1cm×約H0.5cm)

カトラリーレスト=1,100円(約W8.7cm×約D1.3cm×約H0.5cm)

※価格は全て税込です。
※サイズは概寸で、一点一点微差があります。

■ 受注について ■

・商品1点から受注が可能です。
・納品には約3ヶ月お時間をいただきます。
・3/22(月)までの期間後、まとめて発注させていただきます。
・電話やメールでの受注も承ります。
・電話:0943-24-8021(うなぎの寝床旧寺崎邸)
・メール:u-base@unagino-nedoko.net