【文化祭まであと20日!】かつての日用品としての工芸 / 九州ちくごの作り手たち③-桶-松延工芸

【文化祭まであと20日!】かつての日用品としての工芸 / 九州ちくごの作り手たち③-桶-松延工芸

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いま「伝統工芸」と呼ばれている、日本全国の様々なものづくり。「伝統」と名前がつくのは「現代」との比較としてであり、「工芸」といわれるのも大量生産の工業製品との対比があるからです。かつてはただの「もの」だったのではないでしょうか。

そんな「もの」が生まれ、工芸として代々続いていったのは、なぜでしょうか。需要があったからです。しかも「伝統工芸」としてではなく、日常の中で必要とされていたからではないでしょうか。

もちろん工芸の中にもいろいろな種類があり、一般庶民が使う日用品と、お殿様が使う日用品は違ったことでしょう。現代でいえば、量販店で買うものと、高級ブティックで買うものが違うのと一緒ですよね。

その中で「桶」というのは、数ある工芸の中でも、嗜好品というよりは、どんな階級であれ地域であれ、必ず家にあるような「生活必需品」だったのではないか?と思います。

今回は、そんなものづくりの背景を探るべく、うなぎの寝床のすぐ近くの八女で桶作りをしている、松延工芸さんをご紹介します。

土地の素材から、機能性を引き出す
そもそも「桶」というのは、水分もしくは水分を含んだものを保存したり、運搬したりするときに使う容器の一種です。風呂桶・手水桶はもちろん、漬物桶・寿司桶・おひつなど調湿が必要な保存容器としても使われます。

いまでこそプラスチックでありとあらゆる形状の容器が作れますが、材料が限られていた時代、容器を作るのは大変でした。水が漏れず長く使えるような技術を極めながら、一般庶民でも買える素材や効率性も考える必要があったことでしょう。

日本は森林の国ですから、木材と竹は豊富にあります。日常品として大量に必要とされた桶だからこそ、こうした身の回りの素材で作る技術が発達したのではないかと思います。

特に八女は、桶の素材であるヒノキ・スギ・竹の産地なので、桶の産地となったのも自然です。多い時は筑後地域だけで60件の桶屋さんがあったそうです。

しかし日用品だったからこそ、別の日用品が定着すると一気に需要がなくなってしまいます。戦後、より安価で便利なプラスチック製容器が普及していくと、桶屋さんも激減します。

いま、九州で昔ながらの桶を作るのは、松延工芸さんのみとなりました。家を継いた松延英雄さん(53歳)の父、松延新治さん(80歳)はかつて、平日は別の仕事をしながら週末だけ桶屋を細々と続けてきたのだそうです。

しかし、続けてこれたのは、細々とでも必要とされていたから。特に醤油や酒、味噌、酢などの醸造元からの、修理や注文はずっと続いてきたそうです。近年では作れる職人が減ったため、全国の醸造元から問い合わせがくるといいます。

そこには、木製の桶ならではの「機能性」があるのではないでしょうか。修理すれば永く使えるのはもちろん、調湿効果や発酵を手助けする効果などが見直され、近年では木製桶に戻るメーカーもあるといいます。

今回、松延工芸さんにも参加いただく、九州ちくごものづくり文化祭では、あらためて桶がどうやって作られるのか、素材や工程に隠された昔の人々の知恵を教えてもらいながら、日用品としての桶を見つめ直す作り手レクチャーを企画しました。

◉「松延工芸の桶作りの裏側を知る、作り手レクチャー」
① 5月26日(土) 10:00-11:00 @旧寺崎邸
② 5月26日(土) 13:30-14:30 @旧寺崎邸
– 内容 桶作り実演+作り手レクチャー+あだち珈琲ワンドリンク付
– 参加費 1,200円(ワンドリンク付) / 募集人数 最大20名
お申込み方法:
① WEBフォーム / https://bit.ly/2qHZfj8
② メール / u-info@unagino-nedoko.net
③ TEL / 0943-24-8021(旧寺崎邸)
企画:株式会社うなぎの寝床

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